吉田、妖怪ウォッチのジバニャンパワーで躍進　６６で首位に３打差の２位タイに

　▽２５日、兵庫県三木市・マスターズＧＣ（６４４５ヤード、パー７２）▽曇り、気温１８・２度、風速０・７メートル▽賞金総額１億４０００万円、優勝２５２０万円▽５７選手（うちアマ１人）▽観衆５６３０人

　前日まで７位の吉田弓美子（２７）＝イーグルポイントＧＣ＝が６バーディー、ノーボギーのベストスコア６６をマーク、通算１２アンダーとして首位と３打差の２位に浮上した。昨季は年間３勝で賞金ランク５位とブレークした吉田だが、今季はここまで未勝利に加え、同２８位と不発。大人気アニメ「妖怪ウォッチ」キャラクターをキャディーバッグにぶら下げて、一気の巻き返しを狙う。大山志保（３７）＝大和ハウス工業＝は１５アンダーまで伸ばして単独首位を死守。吉田と並ぶ１２アンダーにテレサ・ルー（台湾）、１１アンダーの４位に３週連続Ｖがかかるアン・ソンジュ（韓国）と渡辺彩香（２１）＝ユピテル＝が続いている。

　完熟の柿を思わせる、深いオレンジ色のウエアに身を包んだ吉田が久しぶりに躍動した。最終１８番パー４、ピン奥から１０メートルのフックラインを見事に沈めて連続バーディーでフィニッシュ。ボギーなしのベストスコア６６で、４月のヤマハレディース以来６カ月ぶりとなる最終日最終組に滑り込んだ。

　「このウエアの色、分かります？」と吉田。ゲームとアニメで今、爆発的な人気を誇る『妖怪ウォッチ』のメーンキャラクター「ジバニャンの色なんですよ〜」と続けた。吉田は女子プロ界では指折りのアニメ好き。キャディーバッグにも４匹の同種マスコットを付け、応援させて（！？）いるという。

　「最近、土曜日になかなかスコアを伸ばせなかった。調子が悪いわけじゃないから、かみ合えばと思っていたけど…。でも今日は出来過ぎです」。ジバニャンカラーでテンションを上げながら、連続バーディーも３度奪取。定評あるアイアンショットの切れ味と、思い切りのいいパッティングが戻ってきた。

　「今週は日本女子オープン週と同じキャディーさん。あの時、失格になってしまったから、今週は『その分以上を稼いでお返ししないと』と思って頑張ってる」

　３週前の日本女子オープンでは２４位フィニッシュで１１２万円を獲得するはずだったが、当日の帰路、ネット上に発表されているスコアが違っていることに気づき、翌日自ら申し出て失格となった。「毎週、毎日の習慣で、スコアの確認作業がおろそかになってた。初心に帰れって警告だなと思った」と自戒した。

　首位・大山との差は３打。久しぶりのＶ戦線だが、ジバニャンたちもついている。昨年９月のゴルフ５レディス以来のツアー通算５勝目を、つかんでみせるニャン！！　（月橋文美）