日本のマスコミ等では殆ど報じられていませんが、この数週間ほどアラビア語メディアのネットでは時々、パキスタンとイランの国境地帯が緊張していて、双方の国境警備隊が衝突した(確かイランはパキスタンがその国境の安全を守れなければ、イランが実力で守ると威嚇?したこともあったかと思う)と報じていました。
どうせ日本では余り関心のない地域の話ではありますが、折角両政府が停戦に合意したにもかかわらず、又衝突があったようで、スンニ派のパキスタンとシーア派のイランの衝突で、その引き金がスンニ派の少数民族バルーチ族の活動と言うことで、最近の宗派対立が激化する中東で、今後事態が悪化する可能性も完全には否定できないと思いますが、一番新しい報道から取り敢えずとりまとめておきます。
・パキスタン、イラン両政府が停戦に合意してから2日しかたたないのに、24日双方が臼砲の応酬をした。
パキスタン側は、イランから臼砲弾6発が撃ち込まれたので、パキスタンも応戦したが、その後衝突が続いた由。
・このバルーチスタンの南西部で、パキスタンは先週イランの国交警備隊の発砲で、士官1名死亡し、3名が負傷したと非難し、イラン側はパキスタンがテログループを抑えていないと非難した。
・イラン領シスタニ・バルチスタンとパキスタンのバルーチでは、イランのスンニ派のバルーチ族の「正義の兵士」とイラン国境警備隊と革命防衛隊との間で、数週間前から衝突が繰り返され、パキスタンはイラン側からロケット等の攻撃を受け、過激派捜索の名目で革命防衛隊等が国境を侵犯してきたと非難している。
「正義の兵士」は82日イラン国境警備隊4名を殺害し、近くの郡長の暗殺未遂の他、複数個所でイラン政府関連施設を攻撃したとしている。
http://www.alarabiya.net/ar/iran/2014/10/24/عودة-التوتر-بين-باكستان-وإيران-بعد-تجدد-الاشتباكات-الحدودية.html
・「正義の兵士」の指導者salah al din al farouqi は、al arabiya のペルシャ語放送と初めてインタビューし、
イラン政権のバルーチ族およびスンニ派に対する継続的な激しい弾圧に鑑み、戦略を変更して、長期的持続的にイラン政府に対する抵抗を続けることにしたこと
目的はイランの連邦制で
スンニ派対シーア派、又は宗派戦争をするつもりはないこと
アルカイダまたはIS等の過激派との関係はないこと
等を主張した
http://www.alarabiya.net/ar/iran/2014/10/25/جيش-العدل-للعربية-نطالب-بحقوق-البلوش-والسنة-في-إيران.html
記事
- 2014年10月25日 15:42
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