読書世論調査:はだしのゲン、5割「読んだ」 9割肯定的

毎日新聞 2014年10月26日 08時41分(最終更新 10月26日 11時00分)

はだしのゲン=山崎一輝撮影
はだしのゲン=山崎一輝撮影

 毎日新聞が8〜9月に実施した「第68回読書世論調査」で、広島の被爆体験を描いた漫画「はだしのゲン」を読んだことがある人は2人に1人に上ることが分かった。このうち9割超は小中学生が読むことを「問題ない」としており、戦争の悲惨さを伝える平和教育の教材として肯定的に受け止めていることがうかがえる。

 「はだしのゲン」は故・中沢啓治さんの自伝的漫画。原爆で家族を亡くした少年が逆境に負けずたくましく成長するストーリー。1975年に単行本が発行され、80年代に全国の小中学校の教室や図書室に置かれるようになった。2013年8月、松江市教育委員会が「描写が過激」として市内の全小中学校に閲覧制限を求めていたことが発覚し、問題となった。

 調査では、49%が読んだことが「ある」と答えた。特に学校で読んだことが推測される30代は年代別で最も多い73%が読んでいた。小中学生が読むことについては、全体で85%、読んだ人に限ると97%が「問題ない」と答えた。

 調査は全国の16歳以上の男女3600人を対象に郵送方式で実施。2406人から有効回答を得た。【今村茜】

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