【阪神】29年ぶり日本一へ先勝!ゴメス3打点!バースの再来だ
◆日本シリーズ 阪神6―2ソフトバンク(25日・甲子園)
「SMBC日本シリーズ2014」が開幕し、阪神が4番・ゴメスの活躍でソフトバンクを下した。4回1死二塁で左翼への先制適時二塁打を放つと、5回にも追加点となる2点打。1985年の日本シリーズでMVPに輝いたR・バースをほうふつとさせる猛打で、チームを快勝に導いた。阪神は日本シリーズの連敗を6でストップ。クライマックスシリーズ(CS)を無敗で勝ち上がった勢いのまま、29年ぶり2度目の頂点へ好発進した。
チームが9年ぶりに立った大舞台で、来日1年目でセ・リーグ打点王に輝いた頼もしい4番打者が、打線に火をつけた。両軍無得点の4回1死二塁。ゴメスは144キロの高めのツーシームを捉えた。左越えの二塁打となり、二塁から上本が本塁を駆け抜けた。
重圧のかかる場面で、強心臓ぶりが際立った。チームが初めて迎えたチャンス。「力が入り過ぎないように、リラックス」と平常心を保ち、「球種のことは考えず、ファーストストライクからいい球が来たら打ってやろう」と、初球から迷いなくスイングした。
5回2死満塁の場面でも、再び打席に。「下位打線がつないでくれた。ランナーをかえすのが仕事だから」と、鋭い打球が三遊間を破り、2者が生還。この回、マートン、福留にも適時打が出て、一挙5得点のビッグイニングとなった。
ドミニカンのこの日の活躍ぶりは「球団史上最強助っ人」と呼ばれるバースを思い起こさせる。阪神が最後に日本一になった1985年。西武との日本シリーズ第1戦でバースは3打点を挙げ、チームを勝利に導いた。この日のゴメスも3打点でシリーズ初戦の勝利に貢献。甲子園のスタンドを埋めた虎党に“バース再来”を強烈に印象づけた。
5月から験担ぎのためにあごヒゲを蓄え、トレードマークにもなった。しかし「もう伸びてきたからね。今日かあしたにも、そるかもね」と笑顔で話す。もはや「幸運のヒゲ」は必要ない。それほどの自信が今はある。
試合前のミーティングで、指揮官は「今シーズンの集大成。楽しんで、思い切ってプレーしてくれ。1年間、支えてくれた裏方さんのためにも勝とう。全国のタイガースファンを喜ばせられるように頑張ろう!」とゲキを飛ばした。その言葉を見事に体現したゴメス。日本シリーズ初勝利となった和田監督は「ゴメスが本当に4番という仕事をしてくれた」と感謝した。球団の日本シリーズ連敗は6でストップ。今季のポストシーズンは、これで1分けを挟んで6連勝だ。29年ぶり2度目の頂点まであと3つ。勢いは止まりそうにない。(辻圭太郎)<字色S C="00" K="00" M="00" Y="00" />