入山者に登山届の提出を義務化することを自治体が検討している火山は、気象庁が常時観測の対象とする全国47火山のうち、岐阜県が検討している御嶽山のほか、北安曇郡小谷村に近い新潟県の焼山(やけやま)の計2カ所であることが25日、共同通信の調べで分かった。焼山について、新潟県は信濃毎日新聞の取材に対し、登山口がある北安曇郡小谷村を含む周辺自治体から意見を聞いた上で、具体的な検討に入る方針を明らかにした。
長野県は、条例化の可能性も含め、岐阜、新潟両県と意見交換しながら対応を急ぐ考え。県は山岳関係者らに意見を聞いており、県山岳高原観光課によると、登山届提出を促す条例制定には概ね理解を示しつつ、罰則を設けることまで踏み込むことには慎重論もある。
阿部守一知事は、24日の記者会見で「私たちが先頭を切って対策を行っていく必要がある。できるだけ早く方向付けしたい」と説明。「火山について、他の山と違った考慮が必要なのかどうかということもしっかり考える必要がある」としている。
焼山の登山届義務化について、新潟県防災企画課は、地元の糸魚川市や妙高市、小谷村が加わる「新潟焼山火山防災協議会」で具体的な検討に入る方針を示した。
北アの一部山域への入山者に罰則付きの登山届提出を12月施行予定の条例で義務付ける岐阜県は、10月から庁内横断チームが、同条例の改正や火山防災対策の新条例制定の可能性を含め、御嶽山への適用について検討中。同県防災課は「御嶽山でも圧倒的に入山者が多い長野県と相談して進める」としている。