ジェームス・E・アワー 日韓の間の「真実の話」をしよう


【正論】ジェームス・E・アワー 日韓の間の「真実の話」をしよう より
ヴァンダービルト大学 日米研究協力センター所長

先月、朴槿惠大統領の強力な支持者である韓国政界の長老の招きで3日間、ソウルを訪れた。
韓国の政治家、政府当局者、経済人達と頼んで面会し、北西沿岸にある韓国海軍基地の訪問にも招待された。
残念なことに、会った韓国人のほとんどが日本について否定的な見方をしていた。

≪慰安婦は韓国だけにあらず≫
1998年に日本の小渕恵三首相と韓国の金大中大統領(いずれも当時)が、
過去の問題に終止符を打って前に進むという合意をして共同声明を発表した時とは、
彼らの意見が明らかに様変わりしたのはなぜかと問うた。

会った韓国人たちの大半が、自分たちの姿勢は98年から変わってはいないと主張し、
そうではなくて、現在の自分たちの態度は、慰安婦問題や安倍政権の高官たちによる靖国神社参拝、
そして竹島に対する日本の立場といった、歴史問題に対する日本人の無神経さのせいなのだ、と答えた。

私は、今の日本韓国または米国の指導者は、誰も45年の戦争終結まで中国で行われた売春の慣行を
許していないと述べた。正確な数字は手に入らないものの、貧農の親の意思によって身売りされたり、
他の手段で募集されたりして、日本兵たちに性サービスを提供していた韓国の女性の数が、
日本や中国、他の国々からのそうした女性の数よりも多かったということはあり得る。

だが、それは韓国人を対象に絞った計画ではなかったし、戦時中のこの事業で犠牲となった
全ての国籍の女性が被った真の苦痛について、日本が心から悔いていることは疑う余地がない。
この時代の日本では売春は合法であり、占領期の日本でも性サービスは米軍に提供されていた。

起きたことは正しかったとする事実ではなく、当時の規範が現在のものとは遥かに異なっていた
ということを示す事実である。日本政府高官たちが靖国神社に参拝することに関しては、
日本の指導者たちは、一部が神社にその名を列せられているA級戦犯をたたえるために行くのではなく、
ましてや、日本として他の国々に謝罪した行為をたたえるために行くのではない、と私は言った。

それよりも、中国政府がするような外国からの些細な国内批判さえ忌み嫌う国が、
国家に尽くして死んだ日本の兵士たちに敬意を表す神社に日本の政治家が参拝するのを批判することは
大いなる矛盾のように思う、と私は話した。

≪靖国とアーリントンは同じ≫
米バージニア州にあるアーリントン国立墓地は、米大統領や、
日本や韓国を含む多くの外国の指導者たちが訪れる。埋葬されている兵士の中には南北戦争中、
奴隷制を支持する南部のために戦った者がいるにもかかわらず、である。
今日、先進的な世界の大方で奴隷制は容認されていないが、
それを信奉した南軍の兵士たちは墓地から排除しなければならない、と要求する者は誰もいない。

韓国人と話し合って最も厄介な問題は竹島だった。
私は、日本に有利な法的根拠ゆえ竹島に関する日本の見解は変わりそうにないとしつつ、
日本が竹島から韓国兵を駆逐すべく自衛隊を派遣することは決してないと思えるのになぜ、
韓国はこの問題について心配するのをやめないのかと聞いた。返ってきた唯一の答えが、
竹島が間違いなく韓国に帰属することに日本人は同意すべきだと韓国人は考える、というものだった。

日本への不満を何ら耳にすることがなかったグループが1つだけあった。韓国海軍基地を訪ねた折である。
北朝鮮魚雷で撃沈されたコルベット艦(哨戒艦)「天安」を見た。そこで会った韓国海軍将校たちは、
政治は話題にしなかったものの、危険で予測不能な北朝鮮の振る舞いに対して、
日本の海上自衛隊そして米海軍と協力する必要を現実的に語った。

≪日清、日露の韓国への貢献≫
韓国の姿勢を改善するために何ができるだろう。
生まれたソウルに住んでいて、ヴァンダービルト大を卒業して以来20年以上、ソウルで働いている
私の教え子の1人が、日本人は韓国人が劣等感を克服するまで忍耐しなければならないだろうと話した。
残念ながら、それは当たっているのかもしれないが、
朴大統領は安倍晋三首相と折り合いをつけることができるだろう、と私は期待する。

これは日本人が決して口にしないことだが、日本が清国と戦って1895年に同国を打ち負かし、
ロシアと戦争して1905年に同国を破ったのは同じ理由からだったということは、
韓国人にとって一考に値するだろう、と私は思うのだ。

日本は反韓国ではなかったが、韓国が清国に支配されることを、あるいはロシアに支配されることを
恐れたのである。もし清国が最初の戦争に勝っていたら、韓国は現在、
中国の植民地になっているかもしれないし、もしロシアが次の戦争に勝っていたら、
韓国はロシアの植民地になっているかもしれない。
日本の勝利はとどのつまり、韓国を自由市場経済の民主主義国という今日の地位へ導いたのである。


【躁介のコメント】
日本と韓国の間に深い溝となっている歴史認識問題は、
客観的な視点から、冷静に判断できる第三者が入らない限り解決へと向わないでしょう。
そういう意味に於いて、日本とも韓国とも友好関係にあるアメリカ人のジェームス・E・アワー氏の指摘は、
将に正論だと思います。アワー氏の指摘を理解できる韓国人がどれ程いるのか?心許ない限りですが、
日本人がどんな正論を吐いても悪く曲解するだけなので、客観性のある貴重な指摘だと思いました。

●ジェームズ・E・アワー (James E. Auer)
ヴァンダービルト大学公共政策研究所 日米研究協力センター所長・理事、元米国防総省日本部長。
タフツ大学フレッチャー・スクールより国際関係博士号取得。アメリカ海軍士官として、
約20年間勤務の間、日本にもたびたび滞在経験を持つ。
1979年から10年間、レーガン政権下の国防総省で安全保障局日本課長および
日本部長を務め当時の鈴木善幸内閣との間で、千海里シーレーン防衛能力、FSX共同開発交渉などを通じ、
日米関係の強化に貢献した。その後、ヴァンダービルト大学に招かれ、1988年から現職。
同大学日米研究協力センターは1988年に日米関係について研究および推進する目的で設立され、
日本の官公庁、企業などから派遣された日本人も常に研究留学している。
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Sohsuke Utsunomiya

Author:Sohsuke Utsunomiya
Masahiro Mita(who is a Akutagawa Prize writer from Osaka Prefectural Otemae High School)once wrote a book「Daddy is Jukucho(cram school principal)-Junior high school exam by father and son」 and I wrote once a book(title : Can the Incompetent black kite lay the skilled hawk?)based on the materials that have been recorded in detail inspired by that book. I was aiming for "planning publication of" original. but I refused to 7 publishers. so I was self-published. I have circulated the book I wrote to my son's classmates of high school-university. And the end of 2010. I was e-book into the book(PDF files) After writing the first installment I had wrote university life of my son, but my son was gradually exacerbated the "obsessional neurosis" and I wrote second installment「A skilled hawk lost its talons」about heartbreaking process of rush it to the road death. but I was sealed it forever as private goods. It is used to my handle name「Manic and Depressive」,to book title「Black kite and Hawk」,to first work and second work「Glory and Setback」,In my book I have to associate the three pairs of each. Basically I've been summarized in blog "Recording a son," which was cut life and the information about the exam. From the time the story is exhausted, I am picked up on the theme of that my own, educational issue, that of the management and business work, social issues. The majority, but just a little plus my comments to reprint articles.

鬱飲屋 躁介(うつのみや そうすけ)
大手前高校出身の芥川賞作家 三田誠広氏の「パパは塾長さん 父と子の中学受験」にヒントを得て克明に記録してきた資料を元に「能ない鳶は能ある鷹をうめるか」を執筆。
当初「企画出版化」を目指したが出版社7社に断られ、自ら自費出版し、息子の高校時代~大学時代の級友達を中心に回覧。そして2010年末、PDFファイルで電子書籍化。
その後息子の大学生活や、強迫神経症を悪化させ死に至る道へと突き進む悲痛な過程を、第二作「能ある鷹も爪を剥がし」に纏めたが、非公開品として永遠に封印。
※ハンドルネームの「鬱と躁」、著書タイトルの「鳶と鷹」、一作目と二作目の「栄光と挫折」、それぞれ3つを対にして関連させております。
基本的には、命を削った「息子の記録」や「受験に関する情報」を中心にまとめて来ましたが、ネタが尽きた頃から躁介自身の事、教育問題、仕事や経営ビジネスの事、社会的な問題をテーマに取り上げております。大半は転載記事に自分のコメントを少し加えただけのものです。

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