クレジットカードの読みもの

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ETCカードの比較方法まとめ!ポイントが貯まりやすいカードから年会費無料のものまで、ETCカードの選び方がこれでわかる。

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『ETCカードなんてどこのクレジットカード会社で作っても同じ!どれでも良いから1枚持っておけば大丈夫です。』

最近、そんな間違った説明をインターネット上では見かけることがあまりにも多いため*1、今回は発行会社によってETCカードの機能やサービスがどのように違うのかを詳しくまとめてみたいと思います。

今までETCカードの選び方がわからなかった…という方もきっと、これを読んでいただければその比較方法が手に取るようにわかるはず。是非、お得ではないETCカードを利用してしまっていた方は、この機会にETCカードの見直しを考えてみてくださいね。

ETCカードの違いまとめ:

ETCカードの違いを詳しくまとめてみました。それぞれ、項目ごとにまとめておきますので、必要な部分だけ読んでもらえればと思います。

年会費:

ETCカードを比較する上で、まず重視したいのは年会費。

年会費無料で使えるETCカードを選ぶのがお薦めですが、条件付き年会費無料のETCカードも、条件を簡単にクリア出来そうであれば利用価値ありですね(楽天市場を良く使う人であれば、楽天カードのETCカード年会費無料で使える…など)。

年会費有料のETCカードについては、『クレジットカードをどうしても1枚しか持ちたくない!』などの理由がない限りは、作らないようにしてください。

年会費比較解説:
年会費無料 ETCカードを1年間利用するためにかかるお金が0円なもの。この種類のETCカードを持っている人は、ETCカードを1度も利用しなくてもお金がかかることはありません。
条件付き年会費無料 条件付きで年会費が無料になるETCカードです。例えば年に1度でもETCカードを利用すれば、翌年の年会費が無料になる…などといった条件がついていることが多いです(カード会社の意図として、ETCカードを使わない利用者を未然に防ぐ効果あり)。
年会費有料 どんな場合でも年会費がかかるETCカードです。このタイプのETCカードは、毎年500円~1000円程度の年会費がかかるために、持っているだけで損します。

発行費用:

ETCカードの年会費は無料でも、発行費用として別途、お金がかかるケースもあります。最近だと三菱UFJニコス発行のETCカードで、この発行費用がかかりますね。当然、出来る限り払いたくない費用なので、発行費用無料のETCカードを探しましょう。

発行費比較解説:
発行費無料 ETCカードを新規発行するためにかかるお金が0円ということ。自宅に郵送してもらう費用も当然0円になるので、完全無料でETCカードを入手することが出来ます(発行費無料と書かれていれば、事務手数料や入会金などの費用も無料です)。
発行費有料 ETCカードの発行費用が有料になるケースも最近では増えていきます。年会費は無料だけれども、新規発行費については有料です…といったETCカードにご注意ください(利用年数が短ければ、年会費がかかったのと同じです)。

更新費用:

発行費用が有料のETCカードは、その多くが更新費用も有料です。ETCカードはだいたい3年~5年程度で有効期限が切れるので、更新費用がかかるETCカードの場合にはその周期でお金がかかることになります(新しいカードが郵送されてくる度に、更新費がかかる)。

もし更新費有料なETCカードを作ってしまった場合には、定期的にお金がかかることを覚悟しておいてください。

更新費比較解説:
更新費無料 ETCカードの有効期限が切れ、更新カードを送ってきてもらった場合でも発行費用がかからないタイプです。発行費無料で更新費有料…というケースは見たことがないので、基本的には発行費用無料のETCカードであれば更新費を気にすることはありません。
更新費有料 ETCカードの更新費用が有料になるケースです。ETCカードは親となるクレジットカードと同じ有効期限が設定されているので、更新されたタイミングで都度都度、この更新費がかかることになります。新規発行費用を徴収するETCカードを使う場合には更新費がかかるかどうかの確認を!

ポイント獲得:

ETCカードで獲得できるクレジットカードポイントは、原則、ETCカード発行の親となるクレジットカードのポイント制度が引き継がれます。ETCカードだからといって、独自のポイント制度があるわけではありません(下記は楽天カードの例)。

  • 楽天カードを使う:楽天スーパーポイントが貯まる
  • 楽天ETCカードを使う:楽天スーパーポイントが貯まる

しかし、残念ながら『ETCカードはポイント獲得の対象外』という、利用者にとってはわかりにくい制度を採用しているクレジットカードも存在します。こういうクレジットカードの解説ページには、小さな文字で『ETCカード利用時はポイント加算対象外』などの但し書きがあることが多いですね。

ポイント獲得の比較解説:
ETCカードもポイント獲得数が同じ ETCカードを利用した場合でも、ポイント獲得数に変化がないケースです。親となるクレジットカードのポイント制度が魅力的であれば、高速道路料金支払い時のポイント獲得も多くなります。
ETCカードだとポイント獲得数減少 ETCカードを利用した場合には、ポイント獲得数が減るケースです。親となるクレジットカードに特別なポイント加算制度がある場合には、その加算部分が受けられないことがあります。
ETCカードはポイント獲得対象外 ETCカード利用分ではポイントが獲得できない…というケースです。最近だと少なくなりましたが、昔はプレミアムカードを中心にこういう制度がありました。

ポイントの貯まり安さ:

ポイントが貯まりやすいETCカードと、貯まりにくいETCカードでは雲泥の差があります。

ポイント獲得に強いETCカードを利用すれば、それだけで貯まりにくいETCカードを使うよりもポイントを倍増させることが出来るため、家計の節約にも貢献してくれるはず。これからETCカードを作るなら、やはりポイント獲得数の多いタイプを選びましょう!

ポイント獲得数の比較解説:
ポイントが貯まりやすいETCカード ポイント獲得数の多いETCカードを利用すれば、まさにどんどんポイントが溜まっていきます。親となるクレジットカードのポイント制度次第なので、ポイント獲得に強みのあるクレジットカードでETCカードを作りましょう。
普通のETCカード 至って普通のポイント制度が採用されているETCカードです。使っても使っても、、それほど多くのポイントが貯まるわけではありませんが、交通費の支払いが少ない方であれば普通のETCカードでも充分です。
ポイントが貯まりにくいETCカード 前述の『ポイント獲得』でいうところの、ポイントが全く付かないETCカードがこれに当たります。1000円利用しても2~3円分のポイントしか付かないので、どんなに高速道路料金の支払いにつかってもお得さはありません。

一体型と専用タイプ:

クレジットカード一体型のETCカードと、ETC専用カードの違いです(詳細はこちら)。

クレジットカード会社のいくつかは、ETCカードとクレジットカードが1枚になった一体型カードを発行しているので、多くのカードを持ちたくないという方は検討ください(個人的には車の中に置き忘れがちなETCカードは、専用カードであるほうが安全だと思っています)。 

ETCカードタイプ解説:
一体型タイプ クレジットカードとETCカードが1枚になったクレジットカードです。なんとなく1枚でまとめられるために便利と思いがちですが、車の中に置き忘れがちなETCカードは、防犯のためにもショッピング機能のついたクレジットカードと別々にしておいたほうが無難だと思います。
ETC専用カード ETCカードとしての利用しか出来ないのがETC専用カード。ETC専用カードは買い物などのショッピング利用が出来ない仕様になっているので、防犯面で強みがあります。万が一、盗まれてしまっても高速道路料金の支払いにしか使えません*2

ETCカード全てで受けられる割引:

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ETCカード保有者であれば、誰でも受けることが出来る割引サービスもまとめておきます。1つ目のETCマイレージは登録が必要になるので、まだ手続きをしていないという方は早めに登録してみてくださいね。

1.ETCマイレージ:

ETCマイレージとして貯まるマイル数については、どのクレジットカード会社が発行しているETCカードであっても同じです。高速道路を利用すればするほど、無料通過分が溜まっていくお得なサービスになっているので、まだ登録をしていないという方はこの機会に申込をしてみてくださいね。

ETCマイレージサービスは、ETCによる高速国道等の通行料金のお支払額に応じてポイントが貯まり、そのポイントを還元額(無料通行分)と交換いただけるサービスです。

交換いただいた還元額(無料通行分)は、ETCによる高速国道等の通行料金のお支払いにご利用いただけます。

だいたい10円利用で1円分のポイントが貯まるので、ETCマイレージに登録するだけで約10%オフになると考えてOKですね(東日本高速道路や中日本高速道路などの場合)。

2.ETCの割引制度:

休日割引や深夜割引といった、ETC車載器利用者向けに実施されているETC割引についても、クレジットカード発行会社やETCカードの種類に関わらず、すべてのETCカード利用者が受けることが出来る割引です。ETCカードによっての違いは全くありません。

詳しくはETCの総合情報ポータルサイトやガイドブックをご覧ください(公式情報のほうが正確です)。

ETCカードの比較方法に関するQ&A:

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photo by ykanazawa1999*3

更に理解を深めるために、ETCカードの比較方法に関するQ&Aをおいておこうと思います。

疑問1:複数枚、持つことは出来るの?

ETCカードは複数枚もってもOK。人によってはクレジットカードを使い分けるかのごとく、カードを場面場面で使い分けている人もいます。

ただ発行手数料や年会費が無料なETCカードではないと、逆に損をしてしまうことにも繋がるので、細かく1円単位までポイントを貯めたいというマニアではない限りは1枚で大丈夫でしょう。

疑問2:ETCカード申請には審査が必要があるの?

すでに持っているクレジットカードでETCカードを作ってもらう場合には、入会審査はありません*4

しかし、これからクレジットカードを作り、それを親カードとしてETCカードを発行して貰う場合には当然ながら入会審査があります。無職の方や、過去のクレジットカード利用履歴が悪い方の場合にはETCカードを作成できない可能性が高いのでご注意ください*5

疑問3:ETCカードはポイント還元率で選ぶべき?

ETCカードはポイント還元率で選ぶべきか?これについてはケースバイケース。

常に毎月、数万円以上の交通費を払っているという方であればポイント還元率も重要ですが、月に数千円程度しか高速道路料金を払わないという方ならポイントよりも年会費や発行費用を重視したほうが良いでしょう(会費の分だけポイントを貯めることが難しいため)。

  • 高速道路をよく通行する:ポイント還元率でETCカードを選ぶ
  • 高速道路はたまにしか使わない:ポイント還元率よりも会費無料のものを

疑問4:ETCカードのために、わざわざ新しいクレカを申し込むべき?

お得なETCカードを作るために、わざわざ新しいクレジットカードを申し込むべきか?といえば、こちらもケースバイケースです。

疑問3のように、高速道路の通行料支払いが多い方であればポイント還元率を重視すべきかとは思いますが、あまり高速を走らない方なら現状使っているETCカードでも充分だと思います。

但し、年会費が有料なETCカードや、更新費ばかりがかかるETCカードを使っているなら、この機会に面倒でも乗り換えてみてもOKかもしれませんね。会費無料のものに切り替えるだけでも大幅に節約できるようになります。

疑問5:今、使っているETC車載器でも、そのETCカードが使えるか不安

自分の車に搭載しているETC車載器で、そのETCカードが使えるかどうか不安…という方はいらっしゃるかとは思いますが、これは安心してください。日本で発行されてるETCカードであれば、どのカード発行会社が作ったETCカードであったとしても、全てのETC車載器で読み取ることが出来ます。

逆にそれが出来ないようなケースが万が一にでもあったら、ただの不良カードだと思うのでクレジットカード発行会社側に文句を言ってみてください*6。 

疑問6:クレジットカードなんて作りたくない!

ETCカードは欲しいけど、クレジットカードはなんか抵抗があって作りたくない…という方って一定数います。しかし残念ながらクレジットカードを作らないとETCカードを作ることは出来ないので、この点は諦めてください*7

ETCパーソナルカードは驚くほど使いにくい:

ちなみにクレジットカード作成無しでも作れるETCパーソナルカードというETCカードもあるのですが、あまりにも使いにくいカードになっているので個人的には全くお薦めしません。詳しくは下記の記事を参考にしてみてください。

疑問7:ETCカードは家族カードでも作ることが出来るの?

家族のために発行してあげた家族カードにひもづける形で、ETCカードを複数枚発行してもらうことは出来るのか?というと、これは大丈夫です。家族カード発行に対応しているクレジットカード会社であれば、問題なく対応してもらうことは出来ると思います。

  • 親クレジットカード→1枚目のETCカード作成OK
  • 家族カード→2枚目のETCカード作成OK

家族合同でクレジットカードポイントを集めたい…という場合にも効果的な使い方ですね。

疑問8:ゴールド色したゴールドETCカードは存在するの?

クレジットカードにはゴールドカードやプラチナカードがあるのだから、ETCカードにもゴールドカードやプラチナカードがあるのかといえばこれは存在しません。年会費が10万円以上もするブラックカードでETCカードを申し込んだとしても、送られてくるのは至ってノーマルなETCカードです。

ETC一体型のゴールドカードはある:

ちなみに、ETC一体型のクレジットカードであれば、ゴールドカード一体型のものがありましたね。現在では発行停止になってしまっているものも多いですが、探せばあるにはあると思います。

疑問9:ETC車載器がないけど、ETCカードは作るべき?

ETC車載器がないけど、高速料金を払うためにETCカードを作るべきか?というと、これは不要です。クレジットカード払いが使える高速道路は多いので、わざわざETC専用カードを作らないでもスムーズな支払いができますよ。

ETCカードはあくまで、車載器があってはじめて効果を発揮するカードなのですね。

疑問10:どのETCカードが一番お得なの?

どのETCカードが一番お得なのか?というと、これは人それぞれです。

疑問3や4でも書いたように、人によって高速道路料金の支払い金額は違いますし、ETCカードに何を求めるのか?といった価値観も異なるため、一概に『これが一番お得だ!』とは言い切れないところがあります。

是非、みなさん自身で自分にとって最適な1枚を探してみてくださいね。

お薦めのETCカード:

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ここまでいろいろとETCカードの比較方法を紹介してきましたが、正直、『たくさんありすぎてどのETCカードがお得かなんてわからない!』という方、多いかと思います(苦笑)。

そこでわかりやすく、年会費無料+発行費用無料+更新費無料+専用カードタイプ+ポイントが貯まりやすい…という条件すべてを満たす、お薦めのETCカードをいくつか紹介しておきますね。親となるクレジットカードの年会費も無料のものから厳選したので、是非、参考にしてみてくださいね*8

ライフETCカード:

年会費無料のライフカードで作成可能なETCカードは、全てが無料のETCカードなのでお薦めです。ポイントの貯まりやすさも親カード同様なので、誕生日のある月にはポイント5倍獲得も可能ですよ(1ヶ月、まるまるポイント5倍になる)。

ライフカード<年会費無料>|クレジットカードはライフカードライフカード<年会費無料>|クレジットカードはライフカード

オリコETCカード:

オリコカードザポイントで作ることが出来るETCカードも、全てが無料のETCカードです。ETCカード利用分もポイント加算の対象となるので、オリコカードザポイントの魅力的なポイント制度を高速料金の支払いにも適応させることが出来ますよ。

Orico Card THE POINT(オリコカード ザ ポイント)Orico Card THE POINT(オリコカード ザ ポイント)

セゾンETCカード:

永久不滅ポイントが貯まるセゾンカード インターナショナルでも、ETCカードが作れます。このETCカードのメリットは最短即日発行、つまり申し込んだ日に作ることが出来るというスピード発行に対応していること。すぐにETCカードが欲しいという方に向いています*9

セゾンカードのご入会|クレジットカードは永久不滅ポイントのセゾンカードセゾンカードのご入会|クレジットカードは永久不滅ポイントのセゾンカード

ETCカードは奥が深い:

http://www.flickr.com/photos/55658968@N00/8902561109

photo by Dakiny

以上、 ETCカードの比較方法まとめ…でした。

長々と書いてみましたが、まだETCカードを作ったことがない初心者の方だけでなく、ETCカードをすでに使っているすべての方に参考になれば幸いです*10

ETC関連記事:

*1:このあたりの知恵袋を参照

*2:高速道路は通行履歴がきちんと記録されるので、盗まれたETCカードを悪用されてしまったとしても、犯人はすぐに捕まることでしょう。

*3:他、首都高速に関する複数枚の写真を利用させていただいております。

*4:多重債務状態だったり、長期に渡る支払遅延をしていないことが前提。ETCカード審査の詳細はこちら

*5:運転免許証を持っていたとしても、高校生はETCカードを作ることは出来ません(クレジットカードの入会審査対象外)。18歳以上の社会人、もしくは大学生や専門学校生が対象となります。

*6:接触不良など、ETC車載器側の問題という可能性もあります。

*7:人気の電子マネー、au WALLETを使ってETCカードを作ろうと試みる方もいますが、これも出来ません(詳細はこちら)。

*8:クレジットカードの発行費用から、ETCカードの年会費まで完全無料なものから選んでいます。年会費有料のクレジットカードのほうがポイント還元率は高いのですが、総合的に考えると年会費分のポイント獲得が難しい場合も多いので、無料×無料を今回はお薦めしていますよ。

*9:ポイント還元率で考えると、このセゾンETCカードはやや物足りなさがあります。高速代の支払いでポイントをどんどん稼いでいきたいという方は、時間がかかっても他のETCカードを作るようにしてみてくださいね。

*10:ついつい文章を長く書きすぎて、脚注がとんでもないことになってしまいました(苦笑)。やはり初心者向けの入門記事を書くのであれば、個別に内容を区切って記事化していくほうが良さそうです。

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