2014-10-26

ソフトウェアと梃子

Unixという考え方という本を読んだ。もう図書館に返してしまったので、これから書くことはあまり正確じゃないと思う。〜的なという表現が多くなってるのはそのためだ。

この本で最も印象に残ったのが、梃子(てこ)の話。著者の叔母がちょっとしたマルチ商法大金を稼いだ話を例にとり、「プログラミングもこういうもんさ、梃子を使うんだよ」的なことが書かれているが、倫理的問題はおいといて、そういう感じでプログラミングをすることってどうすれば可能なんだ?と疑問が湧いた。自分のようなクズ野郎はもちろんのこと、たとえ修行僧のように淡々技術を磨いているプログラマでも、本節を読めば自分技術を使って著者の叔母のように大金が欲しいと思うはずだ。

プログラミングの梃子らしい部分は自動化だ。少なくとも、本にはそう書いてあった。梃子の具体例としてシェルスクリプトがあげられて、たった一行のスクリプトが賢いプログラマたちが作った何千行のプログラムを実行するんだ。これこそ梃子だ、的なことが書いてあった。いや、でもちょっと待って欲しい。こっちは叔母のように大金が欲しいわけだ。Unixの素晴らしさは他の章でも散々書いてあるし、ここでシェルスクリプトの話をされても困る。話をそらさないで欲しい。

著者が言いたいことはわかる。この節ではあくまでもシェルスクリプト凄さを語りたかったわけで、叔母が大金を稼いだ話はそのための撒き餌に過ぎないんだろう。でも、ほとんどの人間にとって、本気で考える価値があるのは大金の方だろう。優秀なプログラマ生産性を上げた結果、それだけで幸せになれると思うか?むしろ仕事が増えているじゃないか。資本家はいだって労働者限界までこき使う。プログラマ創造的な仕事だということは、プログラマしか理解されない。梃子をプログラマ幸福につなげるには、どうしても社会で使える通貨にしないといけない。

さあ、シェルスクリプトの梃子を使って金を生み出すとして、どういう具体的な手段があるんだ?

ここからは完全におれの見解なので、本の内容からは離れる。

ライセンス

ソフトウェア大金を稼いだやつを思い浮かべろ、と言われたら真っ先にビル・ゲイツの顔が浮かぶだろう。彼がやったことはなにか。ソフトウェアを作って、ライセンスを刻んだ。そのソフトウェアがどこのメーカーハードウェアで動作しても、ソフトウェアMicrosoftのものだということがはっきりしている。そこから利益を得るわけだ。これはまさに本に書いてあった梃子(著者の叔母はタッパを販売して、さらにその販売先の客に販売を勧め、その利益の一部を手にしていた。マルチ商法だ。)と同じ類のものだろう。

広告

「I'm CEO, bitch.」

学生時代Facebookを作り上げたマーク・ザッカーバーグは、FacebookダサいSNSになった今でも、若い起業家の憧れの的だ。

彼がやったのはなにかというと、広告だ。

学生たちが楽しめるようなプラットフォーム無料提供し、そこに広告掲載することで大金を生み出した。広告のどこに梃子があったかというとソーシャル・ネットワークだ。広告で稼ぐにはたくさんの人に見られる必要があるわけだが、SNSという特性自体が梃子になり、ユーザー数がみるみると増大していったことが、広告による大金を生み出した。

偶像

主に日本で見られた現象が、ソーシャルゲームだ。これは偶像を売る商売だ。一度イラストレーター作成したものは、いくらでも複製できる。それを消費者射幸心に訴えかけながら売っていく。この電子的な麻薬が、なぜか日本では異常なほど受け入れられる。梃子の力は複製が容易ということだけでなく、消費者脳内でも起きている。消費者自身の購買行動が次の購買を促す仕組み、中毒性こそがこの商売ユニークな梃子だ。

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飽きた。ブクマがたくさんつけば書き足す。

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