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 愛知県出身の日本人男性を殺害したとして逮捕されたタイ人男女が、11年前に別の日本人男性を殺害した疑いが強まり、タイ警察は25日、殺人容疑で逮捕状をとった。

 タイ国家警察庁によると、タクシー運転手、ソムチャイ・ケオバンヤン容疑者(47)が24日、2003年にバンコク近郊で自営業の田中カツトシさん(当時57、青森県出身)を階段から突き落として殺害したと供述したという。田中さんは当時、ソムチャイ容疑者の現在の内縁の妻、ポーンチャノック・チャイヤパ容疑者(47)と結婚していた。ソムチャイ容疑者とポーンチャノック容疑者はすでに、愛知県出身の島戸義則さん(79)を殺害した容疑で逮捕されている。

 調べに対してソムチャイ容疑者は、田中さんに対する嫉妬心から殺害したと話しているという。しかし、ポーンチャノック容疑者が犯行現場となった事務所に田中さんを呼び出しており、警察は共謀したうえでの殺人とみて両容疑者の逮捕状を請求した。ポーンチャノック容疑者は容疑を否認している。

 当時は転落事故として処理され、ポーンチャノック容疑者は多額の保険金を受け取っていた。死因に不審を抱いた田中さんの遺族が再捜査を求めていた。(バンコク=大野良祐)