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 朝日、日経、毎日、読売、産経の全国紙5紙が共同で開くハッカソン「新聞5紙 NEWS HACK DAY」の審査発表が25日、東京・渋谷であり、親が子に読んでほしいニュースを毎日贈るサービス「べんとータイムズ」が最優秀賞に選ばれた。

 べんとータイムズはスマートフォンアプリで、子のために弁当を用意するように親がその日のニュースを選び、弁当箱風のインターフェースに詰めるもの。近距離無線通信の技術を使い、毎朝、弁当を手渡すように親から子にニュースの詰まったアプリを送ることで、親が選んだニュースを子が読めるようにするしくみだ。難しい漢字に親がルビを振ることもできる。

 チームリーダーの明治大学3年、保坂駿さん(20)は「親子の関係が冷めてきていることが社会問題だと思い、ニュースを使ってコミュニケーションできるサービスを作った。毎日届けることにこだわり、『弁当』をモチーフにした」と話した。

 審査委員長の藤村厚夫・スマートニュース執行役員はこの作品について「新聞社はこれまで、遠くのたくさんの人にニュースを届けようとしてきたが、親から子へ、たった一人のためにバランスよく届けるニュースのあり方を提案した意義は大きい」と評価した。

 朝日新聞社賞には記事から自動生成されたクイズをジェットコースター感覚で楽しむ「NEWS LEAGUE」、産経新聞・産経デジタル賞には記事から川柳を自動で生成する「川柳亭新エ聞(せんりゅうていしんえもん)」、日経新聞の日経電子版賞には企業内でニュース共有を進める「CompaNews」、毎日新聞社賞には「べんとータイムズ」、読売新聞東京本社メディア局賞には投資を促進するニュースを深掘りする「モウカルニュース」が選ばれた。

 今回のハッカソンは、メディア環境が激変し、新たなニュースサービスが続々と登場する中、外部の知見から学ぼうと朝日新聞社メディアラボが各紙に呼びかけて開催した。参加したエンジニアやデザイナーらは初日の18日にチームを編成。各新聞社の記事や写真データを自由に使い、1週間かけて新サービス開発を競った。

 会場にはこの日、ハッカソン参加者49人を含む約130人が集まった。(林亜季)