“オバマ逆風”で迎えるアメリカ中間選挙10月24日 21時54分
アメリカでは、感染拡大に歯止めがかからないエボラ出血熱やアメリカなどが空爆を続けるものの勢力を拡大し続けるイスラム過激派組織「イスラム国」の問題を巡り、対応が「後手に回っている」「弱腰だ」などとオバマ大統領への批判が高まるなか、11月4日に連邦議会などの中間選挙が行われます。
オバマ大統領の支持率は最新の世論調査では41%と、就任以来、最低の水準となっています。そのオバマ大統領は、エボラ出血熱への対策について連日のように協議して国民の間に広がる不安の払拭(ふっしょく)に懸命です。22日には「慎重ではあるが、アメリカ国内では、より楽観的な状況となっている」と述べていましたが、そのやさきに新たにニューヨークで医師からエボラウイルスの陽性反応が出ました。このため、野党、共和党はオバマ政権の対応が後手に回っているとして批判を強めています。さらに、今回の選挙戦では、オバマ大統領の対応の遅れがイスラム過激派組織「イスラム国」の台頭を招いたとして、共和党側が大統領を非難するテレビコマーシャルも流しています。
オバマ大統領にとって厳しい逆風のなか行われる中間選挙は、4年ごとに行われる大統領選挙の「中間の年」に行われ、今回は連邦議会上院の100ある議席のうちの36議席と下院の435のすべての議席が改選されます。下院は4年前の選挙で、野党、共和党が多数派を奪還しました。大統領の支持率が低迷するなか、今回の選挙は、上院で与党、民主党が多数派を維持できるかどうかが最大の焦点です。
ところが、その民主党の中でもオバマ大統領と距離を置こうという候補が相次いでいます。このうち、石油や天然ガスが主要な産業になっているルイジアナ州の上院議員の現職で民主党のランドリュー候補は、環境対策を強化して自然エネルギーの推進を目指すオバマ大統領の政策によって選挙戦では厳しい戦いを強いられています。このため、オバマ大統領を公然と批判する異例のテレビコマーシャルを放送し、「この4年間、ルイジアナを尊重するよう訴えてきた。石油やガスの生産についてオバマ政権の政策は完全に間違いだ」などと強調して、大統領への批判が自分にも向けられることを防ごうと支持のつなぎ止めに懸命です。
オバマ大統領への批判が強まるなか、民主党が上院で多数派を維持できるのか、それとも共和党が8年ぶりに過半数を奪還するのか。中間選挙の投票は11月4日に行われます。