DVから逃れて戸籍ない小学生…「氷山の一角」の無戸籍者:イザ!

2014.10.24 21:54

DVから逃れて戸籍ない小学生…「氷山の一角」の無戸籍者

 「氷山の一角」。法務省による無戸籍者の調査結果に対し、支援団体や弁護士らは「実態はもっと多い」と指摘する。個人情報保護に配慮し報告が遅れている自治体もあり、実態把握はこれからだ。無戸籍者は生活が不安定で、支援団体は早急な対策を求めている。

 平成19年から無戸籍者を支援する「民法772条による無戸籍児家族の会」(神戸市)にはさまざまな相談が寄せられている。東日本に住む30代女性は前夫のドメスティック・バイオレンス(DV)から逃れた後、別の男性との間で子供を出産。子供は小学校低学年になったが前夫が怖く、無戸籍状態のままだ。無戸籍の兵庫県の40代男性は小学校にも行っていない。住民票がないこともあり、安定した職に就けず、飲食店でアルバイトをしている。

 これまでに約700件の相談を受けた同会は、無戸籍を解消するための裁判件数などから、全国の無戸籍者数を約1万人と推計。法務省によると、個人情報保護条例に基づく手続きを行っている関係で報告が遅れている自治体がある。同会の井戸正枝代表(48)は「自治体への指示が徹底されていないのではないか」とみている。

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