突然、路上に置き去りにされる子供…「SOS」知らない母親たち:イザ!

2014.5.13 16:06

突然、路上に置き去りにされる子供…「SOS」知らない母親たち

 ◆増える「棄児」

 厚生労働省によると、親から置き去りにされた児童の数は、毎年200人前後に達する。保護段階で親の身元が分からない児童はこれとは別に「棄児(きじ)」と呼ばれ、その数は年々増加している。同省が統計をとり始めた平成21年度は25人だったが翌年度は28人、23年度は30人となり、24年度には44人を数えた。

 棄児が保護される場所はカプセルホテルや託児所の前などさまざま。年齢に応じて乳児院や児童養護施設に預けられる。親が分からないため、なぜ子供を放置するに至ったのか理由は分からない。ただ、乳児院の関係者らによると「後から親が判明したケースでは、生活苦のシングルマザーが多かった」という。

 全国の母子世帯は18年度には約115万世帯だったが、23年度の調査では約124万世帯に増えた。母子世帯の母親の平均年収は約180万円とされる。

 親が育てられない子供を匿名で受け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を設置する熊本市の慈恵病院でも、24年度には9人の子供が預けられたが、親の半分は困窮を訴えていた。母親の中に既婚者はおらず、離婚や未婚などのシングルマザーばかりだった。

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