新・週刊フジテレビ批評

毎週土曜日 AM5:00-6:00 放送中
テレビウィークリー 2014年10月18日(土)放送
第67回 新聞大会 開催
10月15日、全国の新聞社や民放キー局などが加盟する、日本新聞協会主催の
第67回新聞大会が開かれた。
新潟市で開かれたこの大会では、産経新聞・加藤達也 前ソウル支局長が、韓国・朴槿恵大統領のスキャンダルを記事にしたことについて、韓国の捜査当局が、名誉毀損で在宅起訴した問題が取り上げられた。新聞協会は「言論の自由を侵害し、取材活動を萎縮させる行為だ」と抗議する決議を採択、処分の撤回を求めた。
また、朝日新聞の福島第1原発事故についての、いわゆる「吉田調書」を巡る報道の取り消し問題などで一連の混乱を招いたことについて、木村伊量(ただかず)社長は、「新聞業界全体への信頼を大きく損なったことに、深くおわびを申し上げたい」と改めて謝罪した。
番組コメンテーターのライター 速水健朗氏は、「朴槿惠大統領のスキャンダルは政治的な問題を報じたものではなく、愛人に関するもの。そこに対する名誉棄損は一見どうでもいいような問題に思えるかもしれないが、むしろ政治問題を取り上げるよりも、こういうたわいもない問題に対して、名誉棄損だとメディアに対して圧力をかけることに問題があると思う。そこを含めての言論の自由だ。むしろこの問題を取り上げて毅然と立ち向かうメディアの態度は大事だと思う」と語った。

 
テレビウィークリー 2014年10月11日(土)放送
10月の番組審議会「芸能界特技王決定戦TEPPEN」
10月8日、フジテレビ10月の番組審議会が開催された。
議題となったのは、9月27日に放送された「芸能界特技王決定戦TEPPEN 2014因縁の四大決戦〜生放送スペシャル〜」。芸能人が趣味や特技を競い合い、その分野のナンバーワンを決定する番組。
今回はピアノ・クレーンゲーム・剣道・ボウリングの4種目で、前回チャンピオンと、過去8回の放送の出場者から選ばれた最強挑戦者が、初の生放送で対決した。委員の意見は生放送で対決したことについて賛否が分かれた。
脚本家の大石静委員は「ガチンコ勝負、真剣勝負で見せるんだという志の高さには、とても感銘を受けた」また日本科学未来館館長、毛利衛委員は「各対決の分野が全然違うので、ハラハラしながら見られた。生の威力があった」と好意的にコメントした。一方、慶応義塾大学名誉教授の神崎仁委員は「録画して編集した方がどんな練習をしてきたのかなどを入れられ、番組のテンポが出たのではないか」さらに弁護士の但木敬一委員長は「複数の人が勝上がり戦で勝ち上がってきて、最後の対決となるなら一つのTEPPENだという話になるが、生放送でいきなり2人を持ってきて『これがTEPPENだ』と言われても、この人たちが本当にTEPPENなのかな?どこがTEPPENなんだろうか?という気がした」とコメントした。
番組を担当したフジテレビバラエティ制作センター小仲正重チーフプロデューサーは「真剣勝負だからこそ、生まれる緊張感、緊迫感をどれだけ視聴者に伝えることができるか、それを最大のポイントと考え、生放送を選択した。トライしてよかったと感じている。狙い通りの緊迫感は生まれたのではないか。」と述べた一方で、反省点として「ボウリング対決の決着が早めについてしまい、放送時間が余ったこと、それに演出的対処すべきだったこと。初めて番組を見る視聴者に「なぜこの2人がTEPPENを争う2人として選ばれているのか」、その正当性を、もっとわかりやすく伝えなければいけない。それらの課題を今後クリアしていきたい」と語った。
番組コメンテーターの上智大学 音好宏教授は「この番組を見たが、生放送のスタジオの緊張感はすごく伝わってきて、非常によかった。ピアノの審査員にも生放送の緊張感が伝わってしまったのか、点数はやや甘かったように思う。それでも生放送感はすごいと思った」とコメントした。

 
テレビウィークリー 2014年10月04日(土)放送
テレビの新指標『Twitter TVエコー』スタート
視聴率などを調査するビデオリサーチが、テレビ番組への反応を測る新たな指標として「Twitter TV(テレビ)エコー」を提供するサービスをスタートした。
「Twitter TVエコー」は、番組に関するインターネット上のつぶやき、「ツイート」をもとに作られる。ビデオリサーチのHPで公表された、9月29日(月)と30日(火)のランキングでは、29日はフジテレビの「テラスハウス」が1位に。30日はテレビ朝日の「ロンドンハーツ3時間SP」が1位になった。
ランキングを決定しているのは「インプレッションユーザー数」。
「投稿ユーザー数」はTwitterで番組に関するコメントを投稿した人数を表し、具体的にはツイートに各番組のハッシュタグや、番組名、出演者などが含まれているものとカウントされる。これに対し「インプレッションユーザー数」は、Twitterに投稿された番組に関するコメントをインターネット上で何人が見たか、その人数を表している。つまり、番組に関するツイートをどれだけ多くの人が見たかのランキングになっているのだ。「投稿ユーザー数」も「インプレッションユーザー数」も番組の放送中とその前後の一定時間で計測している。
たとえば29日の1位「テラスハウス」は「投稿ユーザー数」が約12万5千人だったが、「インプレッションユーザー数」は約281万人だった。
ビデオリサーチは、「テラスハウス」が多くの「インプレッションユーザー数」を得た理由について、元々Twitterが多くのファンで盛り上がる番組だったことに加えて、最終回だったこと、番組内の仕掛けとして出演者が放送中にコメント投稿していたことが要因にあったのではないか、と分析している。
一方29日と30日の視聴率トップ5の番組と「TwitterTVエコー」のランキングの番組はかなり違っていた。ビデオリサーチではTwitterの投稿数と視聴率の関係ははっきりしないが、今後インプレッションユーザー数から視聴率との関係性を明らかにしていきたいとしている。
番組コメンテーターのジャーナリスト 江川紹子さんは「元々テレビとTwitterは相性が良いと言われていた。一人で見ている時につぶやきたくなる、他の人が何と言っているか知りたい、ということもあるのでこの指標ができたのだろう。今までは視聴率が最大の指標だったが、視聴率は『世帯』で決めている。それに比べて個人の指標ができた。指標が複数できることはいいと思う。ただ、それに振り回されないようにすべき。Twitterも世代によって利用者数が違ったり、時間帯によってもコメント数は随分違うと思う。特徴、くせがあることを分かって利用してほしい。」とコメントした。
 
テレビウィークリー 2014年10月04日(土)放送
10月の番組改編アナウンサー入れ替え
10月改編でフジテレビの報道・情報番組では出演者が一新し、各番組に新しいアナウンサーが加わった。「めざましテレビ」には永島優美アナウンサー。「スーパーニュース」には生野陽子アナウンサー。そして「ニュースJAPAN」では木村拓也アナウンサーが月〜水曜までを新たに担当する。今回は新たな番組を担当することになった2人のアナウンサーの番組デビューを取材した。「めざましテレビ」でデビューしたのは今年4月に入社したばかりの永島アナ。初日の29日(月)、永島アナが出演したのは10のコーナー。注目の新聞記事の紹介や御嶽山噴火のVTRのナレーションなどを担当。放送前から打ち合わせにディレクターが続々やってくる。番組冒頭の新聞コーナーの打ち合わせを終えると渡された原稿を何度も練習。番組中もスタジオの隅でギリギリまで原稿を読み直す。新聞コーナーが終わったのもつかの間、次の出演コーナー、御嶽山噴火のVTRの準備へ。約8分半のVTR原稿の下読み。VTRを見ながら1回読み合わせをしただけで10分後にはすぐに本番を迎える。スタジオで映像を見ながらナレーション原稿を読んだ。めざましテレビの初日が終了後、永島アナは「先輩に色々助けてもらって、とにかく原稿を読んだだけだった。」と感想を述べた。メインキャスターの2人、加藤綾子アナは「とても落ち着いていてこれからが楽しみ。めざましファミリーとして早く溶け込んでもらいたい」また三宅正治アナは「テレビに出始めて間もない人間が、普通にやることが大変なのに、初日頑張ったと思う」と評価した。
そして、同じ日に「スーパーニュース」にデビューしたのは生野陽子アナウンサー。初日はスタジオではなく、噴火した御嶽山の現場から中継での出演になった。2日目がスタジオデビュー。初の報道番組となる生野アナは「新しい空間なのでその場に慣れていない緊張感がある。しっかり頑張りたい」と語った。昼の会議直後からスタッフとの打ち合わせが続く。スタジオではプレゼン内容の確認。放送まで約1時間半となり、デスクに戻ってからも、様々な資料に目を通していた。ニュースの背景まで把握することが求められるのだ。スーパーニュースを担当する椿原慶子アナは「報道の仕事はテレビに出ている時間よりも下調べの時間や取材の時間の方が圧倒的に長いので、そういう時間も大切にすることが重要」と語った。番組がスタートし、最初に生野アナが伝えたのは、前日の御嶽山取材で感じたこと。報道番組では取材の実感などを自分の言葉で伝える機会もより多くなる。生野アナは「短い時間の中でどういった言葉を選んで伝えていくかは、もっと勉強していかなきゃいけない」と放送後感想を述べた。その後の担当コーナーでは突然、安倍首相の緊急会見が始まり、急きょコーナーを打ち切り、会見中継を取ることになった。報道番組ではより大きなニュースがあれば、コーナーの途中でも変更になることがしばしばだ。生野アナは「総理の会見が途中で入ったのでコーナーの途中から移動したり、スタジオの初日も大変でした」と感想を語った。安藤優子キャスターは「生野アナは見た目と裏腹にすごく気風の良さを持っていると思う。だから新しい生野さんを全面的に皆様に対してぶつけてほしい。それが番組にとっても大きな力になると思う」と語った。
コメンテーターの江川紹子氏は「新しい人が次々と出てきて頑張ってほしいと思うが、一方で視聴者としてみると特に報道番組とか毎日習慣的に見てる番組で出演者やコーナー、セットが変わったりするのは結構ストレスもある。見る方の習慣も変えなくてはいけないので、変えるのはプラスの面もあるが、そういう面もあると思うので、視聴者マインドを考えながら変えてほしい」と語った。
 
テレビウィークリー 2014年09月27日(土)放送
あなせん
フジテレビでは社会貢献活動(CSR)としてアナウンサーの出張授業「あなせん」を2005年から行っている。子ども達のコミュニケーション不足が懸念されている近年、しゃべりのプロであるアナウンサーが小学校へ出張し、話し方や伝え方を教える授業を行うというプロジェクトだ。これまで都内の一部での活動だったが、今年4月からは関東全域に活動エリアを拡大した。
今月18日に行われた「あなせん」では奥寺健アナウンサーが杉並区立荻窪小学校を訪問した。そこで行われていた授業は、言葉をはっきり伝えるための滑舌練習や相手から話を聞き出す方法を学ぶインタビュー。
インタビューで重要なポイントを奥寺アナはこのように教えた―「『あーそうなんですね!』これが共感。聞くときの態度・表情・うなずき、『伝わってるよ!』と言う気持ちを相手に見せてあげる。これが大事。」そして、子ども達も初めてのインタビューに挑戦し、コミュニケーションの方法を学んだ。
「あなせん」の授業を終えた子ども達は「気持ちを込めたしゃべり方が良く分かった。」「自分が知らないことを学べたし、取材の裏側などが知れて良かった。」
と感想を述べた。
批評家の宇野常寛氏はフジテレビの社会貢献活動について「マスメディアだからこそできる社会貢献活動がもっとあっても良い。今回はアナウンサーだったが、ディレクターやプロデューサが出向いて映像を作る方法などを教えるのも面白いと思う。」と述べ、ネットの普及で誰でも発信できる時代だからこそマスメディアによる社会貢献活動が求められていることを指摘した。

 

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