しっきーのブログ

ブログ名変えました

『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』についての雑感



概要
  • スマブラ3DS、スマブラWiiUについての雑感
  • スマブラ3DSのバランスってどうなの?
  • AIを育成するアミーボってすごくね?
  • ソシャゲは「サービス業」だけどスマブラは「製造業」


大乱闘 スマッシュ ブラザーズ for ニンテンドー 3DS

大乱闘 スマッシュ ブラザーズ for ニンテンドー 3DS



 スマブラとか、バランス調整のうまい対人系のゲームって、日本の職人芸が行き着いた先の一つだと僕は思ってる。


 日本の自動車会社なんかは、車のそれぞれのパーツを絶妙に組み合わせる職人的な技術を持っていたと言うけど、今はもう自動車もモジュール化が進んでるらしい。それぞれ別々にパーツを組み立てて設計図どおりにくっつければいいという、コンピューターの設計思想なんだよね。テスラ社が車の故障をアップデートで治しちゃうような時代になった。もう製造業において「職人の技」みたいなものがそれほど影響力を持たなくなりつつある。


 ただ、そういう職人的な感覚はデジタルの世界でこそまだ生きていると思う。例えば格闘ゲームなんかは、綿密な摺り合わせと微調整が求められる職人芸の最たるものなんじゃないかな。格ゲーは、対戦のバランスを機能させるためにキャラの攻撃判定や隙など、動作をフレーム単位で設計していかなければならない。

 スマブラを格闘ゲームと言うのかどうかは微妙だけど、対戦キャラのバランス調整が肝になるゲームという点では格ゲーと同じように考えていいと思う。


スマブラ3DSの感想

 スマブラの対戦バランスって、今作の3DSはどうなんだろうか?今回はけっこうバランス良い気がするんだけど。

 初代はネス、カービィ、ヨッシーあたりが強かったし、DXならフォックス、シーク、Xならメタナイト、アイスクライマーかな。スマブラ3DSではロゼッタ&チコやゼロスーツサムスが強いって言われてるよね。

 アイスクライマー消えたよね。好きなキャラだったんだけど、一度掴まれたら0%からフィニッシュまで持っていかれるという強力な投げハメがあったな。Xから3DSでメタナイトは弱体化したけど、アイスクライマーにいたってはリストラされちゃったもんな。ただ、アイスクライマーが参戦できなかったのは3DSの処理の問題らしい。



 バランスの良い対戦ゲーム作るのってすごく難しいと思う。気の遠くなるような調整作業をしなければまともに対戦が機能しないだろう。特に大会などが開かれるような人気ゲームの場合、決定的なハメ技などが見つかってしまうとクソゲー化してしまうし、スマブラみたいな任天堂を背負ったタイトルにかかるプレッシャーはハンパないだろう。


 今作のスマブラの感想を言うと、標準的なキャラクターのベースみたいなものがあって、そこから肉付けして色んなキャラを組み立ててるって感じがするんだよね。どのキャラにも似通った軸があるっていうか…。まあ、48体もキャラ作ったんだから仕方ないのかもしれない。Miiファイターだって作れるしね。


 あと、今回は変身というシステムがなくなってしまった。ゼルダとシーク、サムスとゼロサムが分離して、ポケモントレーナーはリザードンだけになった。これは単純に、WiiUと接続して遊ぶフィギュア、「amiibo(アミーボ)」の都合だろうね。

 amiiboには個人的にけっこう期待してる。もともとスマブラは初代からフィギュアというモチーフがあったし、DXでできたフィギュア名鑑を夢中で読み込んでいた身としては、すごく感慨深いものがある。


「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii Uがスゴい50の理由」を見た。


大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii Uがスゴい50の理由 - YouTube


 見たよ。けっこう長かったけど、いい内容。やっぱりスマッシュブラザース for WiiUも面白そうだよな。


 まず、「Miiverseステージ」がすごく楽しみ。投稿された応援メッセージが背景に登場するってやつ。これ面白そうだよね。日本人って絵書くの好きだし、凝った絵を投稿するモチベーションにもなる。こういう仕組みはすごくいいよね。

f:id:skky17:20141025225359p:plain


 あと、ファイターの元ネタの体験版を遊べる名作トライアルもいいね。なんか、あるゲームの中でレトロなゲームをやるっているのがすごく好きだ。どうぶつの森のファミコンとか、ドンキーコング64に出てきたアーケードゲーム機とかね。

f:id:skky17:20141025225412p:plain


 「ワールドスマッシュ」も楽しそう。3DSの「フィールドスマッシュ」の、段々キャラが強化されて爽快感が増してく仕組みはすごく良いと思う。「カービィのエアライド」のシティトライアルも好きだったな。キャラ強化後の締めの戦闘のしょぼさみたいのも似ててけっこう笑った。桜イズムですな。

 ワールドスマッシュは、ボードゲーム、パーティーゲームみたいなノリでスマブラをやるんだよね。マリオパーティのスマブラ版かな?

f:id:skky17:20141025225439p:plain


 スマブラWiiUは、やっぱり大容量の据置きゲームだけあって、ギミックのあるステージとか8人対戦とか、大掛かりな遊びを打ち出していく感じだと思う。3DSとWiiUの2つのバージョンを出すというのも、打倒な戦略なんだろう。WiiUだけで出してたらアイスクライマーとかを含めもっと色んなキャラがいたかもしれないけど、3DS版出さなかったらプレイ人口は激的に減ってただろうしね。


 そして、DLCでミュウツー制作が決まったわけだけど、要望が多かったから決まったのか、3DSの容量の問題もあるし最初から想定くらいはしていたのかはわからない。

 今から作って2015年の春に完成はけっこう遅いよなあ。でも、調整にそれだけ労力がかかるんだろう。今キャラが48体いるから、1on1だけをベースに考えても48体ぶんとの対戦を想定しなきゃいけない。ミュウツーって動きがふわふわしてるからけっこうバランス調整難しそうじゃない?

 あと、ミュウツー以外にも同じタイミングでキャラクター参戦ありそうな気がする。一体だけキャラ追加って逆に大変だと思うんだよね。もし投入されて弱キャラだったりしたらがっかり感が大きいし、それだけ調整のプレッシャーもかかる。一体の調整に注目されるのはキツイから、あと1、2体くらい同時に参戦させるのが無難なんじゃないですかねえ(期待の眼差し)


 制作側にどういう意図があったのかはわからないけど、DLCで新しくキャラが追加されるという前例を作ったことは大きい。ミュウツーだけで終わるはずはないと思う。

 また、アップデートで制作側からデータをいじれるのは重要だよね。致命的なバランス崩壊要素があるならパッチ当てて修正するべきだし、あまりにもキャラの強さに開きが出たら調整してもいいと思う。でも、たぶん今までスマブラを作ってきた人達のプライドがそういうことを許さないだろうなあ。かつてのアプデでいじれない製品版は、バランス崩壊要素があればそれだけでクソゲーになってしまった可能性もあった、そういうシビアなところで、ある程度はきっちりやってきたからこそ今のスマブラがあるとも言える。任天堂オールスターだからじゃなく、ゲームとして面白いからこそ僕達はスマブラをやってるんだ。


amiiboのシステムにびっくり!

 僕は、スマブラ3DSの内容とamiiboの事前状況で、とうとうスマブラもゲームに「数値」という要素を取り入れようとしてるのかなと思った。装備品には攻撃力や防御力などの数値があったし、amiiboのキャラ、動画によるとEP(フィギュアプレイヤー)は、レベルが上がると単純に攻撃力とか防御力が上がっていくんだろうと思っていた。でも動画の説明によると、アミーボはレベルが上がるとどんどん賢くなっていくんだね。カスタム要素はコンピューターのAIにも関わってくるのかもしれない。

 コンピューターのレベル9は相変わらず大した強さじゃないけど、これから段々データを集めて、もっとずっと強いCPUが作られる可能性がある。対戦AIの強化ってなんかワクワクするよね。やっぱり任天堂は、僕がかつて使った用語で言うなら「行動対応」なんだよね。

 ただの「数字の違い」を使って差を出すみたいな簡単なことはしない。アナログからゲームを考えてきた任天堂によって、キャラクターの行動とそれによって起こる変化が結びついていることはプライドでもあるからだ。

 だから、本格的な育成要素は、amiiboにコンピューターとしての考え方や傾向を組み込んでいくみたいな感じなんじゃないだろうか。amiiboと自分でダッグを組んでチーム対戦というのが、1on1や大乱闘と並んでメジャーな戦闘の一つになりそうだ。うまく自分と連携できるamiiboを作る必要がある。

 スマブラレベルのゲームでAIの育成と共闘が実現できれば、これはひょっとしたら革命的なことなんじゃないかな。


任天堂が進む困難な道?

 これはあくまで仮定の話ね。

 amiiboを考えだしたのは、収益をあげるためだろう。ただ、ソシャゲの魔法石みたいにデジタルな商品が溢れる中で、デジタルなものをアナログと結びつけるというやり方は今までの任天堂の思想とも矛盾しないし、時流にも合ったいい方法だと思う。今はソーシャルゲームが盛んだけど、任天堂なりにそのやり方を取り入れたと言っていいだろう。

 ソシャゲに比べたら全然良心的だし、使い手への愛着とフィギュアへの愛着をマッチさせるというのはなかなか粋なはからいだ。使い手や気に入ったキャラだけ欲しいという人が大半だろうが、コレクション用にもなるし、熱心なファンは全キャラ分買ってくれるかもしれない。普通にソフトを売るみたいな方法よりずっと収益率が上がると思う。この先、amiiboみたいなやり方が任天堂の主流なマネタイズの方法になっていく可能性だってあり得る。実際にかなりamiiboは儲かりそうな気がするんだよね。だって海外市場をメインに狙ってるわけだし、フィギュアはコレクション用に飾ることもできる。もちろん僕も、全員とは言わないまでも、何体かは買うだろう。


 ただ、これから追加キャラをどんどん出して金を稼ぐみたいなことは、けっこう難しそうだ。だってキャラを1体追加するたびにめちゃくちゃ労力がかかるんだから。

 ソーシャルゲームは、製造業というよりも「サービス業」だと言われている。だから、データベースの値を少しいじれば簡単に新しいキャラクターを作り出せるようなゲームの作り方をする。重要なのは、企画やイベントや新モンスター投入のタイミング、つまり「運営」することだ。


 一方でスマブラは、同じようにアップデートで制作側からデータをいじれる環境が整っても、あくまで「製造業」であろうとしているように思う。ゲームの綿密な部分を「作りこむ」ことが大前提なのだ。手を抜かず、キャラクターの細かい動作を徹底的に作りこむからこそ、スマブラはガチャやランキングがなくても長く熱中して遊べるのだ。だから僕は、「頑張れ日本の製造業!」みたいな感じで、スマブラを応援したいと思っている。



大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U

大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U



スポンサーリンク