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【栃木】ダム予定地で多様な生物確認 鹿沼 市民団体が自然観察会
独立行政法人水資源機構が建設主体の「南摩(なんま)ダム」(鹿沼市)の建設予定地で二十五日、市民団体が主催する自然観察会があった。参加者二十人は野鳥やチョウ、川の生き物を探索し、周辺の自然の豊かさを確かめた。 ダム建設に反対する四つの団体が年に二回開いており、十八回目。参加者は遠くの山々を眺めながら、双眼鏡で野鳥を観察。オオタカの仲間のツミや、キツツキの一種のコゲラ、カケスなどを見つけた。 近くを流れる川では、川底の石を持ち上げてサワガニやカジカ、カワゲラなどを確認した。宇都宮市の主婦葛谷(くずや)理子さん(73)は「水がきれいなところにいる生物が見つかった」。チョウに関する著作がある夫の健さん(82)は、キチョウやヤマトシジミなどを瓶に捕獲し「温暖化で栃木にいるチョウも変わってきている」と生態系の変化を解説した。 観察会の主催団体の一つ「思川(おもいがわ)開発事業を考える流域の会」の伊藤武晴代表(76)は「有効性の少ない公共事業で、地域の自然がつぶされるのは望ましくない」と話した。 南摩ダムは民主党政権時に事業見直しの対象となった。本体工事は未着工となっている。 (後藤慎一) PR情報
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