<大臣補佐官>いい人いないのか…選任が進まず 誕生は3人
毎日新聞 10月25日(土)12時27分配信
◇難しい人選、「民間人縛り」が足かせに
国家公務員制度改革関連法(4月成立)で新設された「大臣補佐官」の選任が進まない。9月の内閣改造後、誕生した補佐官はわずか3人。閣僚の大半は様子見を決め込んでいる。制度設計が悪いのか、それとも閣僚のやる気の問題か。「政治主導」への道のりは険しい。【宮島寛】
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安倍晋三首相には5人の首相補佐官がいる。大臣補佐官制度はこれを各省に広げるもので、18人の閣僚は1人ずつ補佐官を置くことができる。特定の政策の企画・立案や政務で閣僚を助けるのが補佐官の仕事。官僚組織とは違った発想を期待されている。
ところが、閣僚の腰は重い。下村博文文部科学相は「せっかく制度ができたのでぜひ活用したいが、すぐに決められる状況ではない」(9月16日の記者会見)と歯切れが悪く、岸田文雄外相も「ほかの閣僚の対応を注視しながら、検討はしてみたい」と消極的だ。
最大の原因は人選の難しさにある。副大臣と政務官に加えて、大臣補佐官を政治家から選ぼうとすれば、対象はどうしても若手議員に偏り、「先輩」に十分ものを言えなくなる恐れがある。かといって官僚OBを起用しては本末転倒だ。そこで、菅義偉官房長官は内閣改造翌日の臨時閣議で「大臣補佐官は民間人を軸に検討せよ」と指示した。
これを受けて、塩崎恭久厚生労働相は9月26日、経済同友会の菅原晶子執行役を補佐官に選んだ。「妊娠、出産、子育てを切れ目なく支援するには、女性の視点が極めて重要」(塩崎氏)というのはあくまで表向きの理由。政府の産業競争力会議の事務局に出向し、労働時間規制の適用を除外する「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入などを進めてきた菅原氏を改革の起爆剤にしたいという深謀遠慮が透ける。
ただ、閣僚の誰もが民間ブレーンを抱えているわけではなく「民間人縛り」は人選の足かせになっている。しかも大臣補佐官の報酬は政務官や事務次官クラス。副大臣らとのすみ分けがはっきりしない補佐官をうまく使いこなさなければ世論の批判を浴びかねない。
あえて政治家から選んだのは石破茂地方創生担当相と竹下亘復興相。石破氏は、2008年の自民党総裁選で同氏の推薦人に名を連ねた伊藤達也元金融担当相を起用した。石破氏は「長年の友人で知見も高い」と人物本位を強調する。竹下氏は3日、改造前まで副復興相を務めた谷公一氏を大臣補佐官に選んだ。谷氏は衆院兵庫5区選出で阪神大震災を経験し、東日本大震災発生時には与野党協力に尽力した。竹下氏はルールよりも手腕を評価したといえる。
政府関係者は「民間から『異分子』を入れ、役所の統制が乱れるのを心配しているのでは」と解説する。中には、事務方に補佐官の候補者を選ぶよう指示し、官僚の失笑を買った閣僚もいるという。
最終更新:10月25日(土)23時12分
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