大阪市:文楽「補助金」全廃へ 15年度から

毎日新聞 2014年10月25日 12時37分(最終更新 10月25日 16時10分)

 ◇公演別に助成申請方式に変更へ

 大阪市の橋下徹市長が問題視していた文楽協会への運営補助金について、市が来年度から全廃する方針を、今月初めに協会に通知していたことが分かった。来年度からは他の文化団体と同じように、公演など事業ごとに助成の申請をする方式に改める。新制度により文楽協会への補助額が増減するかは不透明だが、重点事業とすべきだとの専門家の意見もあるため、市はこれとは別の振興策を検討するという。

 市によると、2012年7月に公表した市政改革プランで、14年度までに文楽協会に対する運営補助金を原則廃止して、競争を基本とした新たな事業補助に転換を図る方針を決めている。来年度からは、大阪府市の文化・芸術分野の専門家会議「大阪アーツカウンシル」で事業内容を審査したうえで、助成を判断する。

 市の文楽協会への助成は長年、年間5200万円だったのを、改革により上限3900万円に見直した。この一部を国立文楽劇場(大阪市)の入場者数に連動して支給額を決めるよう改めた。13年度は、市から約2700万円が支給された。

 文楽協会の三田進一事務局長によると、市の他に国から約8000万円、府から約2070万円の補助を受けており、「当面は繰越金などで対応し、すぐに運営が行き詰まるということはないが、いずれ立ちゆかなくなる」と懸念。市からの補助金が問題となって以降、協会は12人いた職員を9人に減らすなどしてきたが、「経費削減や組織の効率化は限界に近い。新方式は現行の仕組みになじまず、協会で事業を計画して応募することは難しい」と話している。【関雄輔、山下貴史】

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