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戦国小町苦労譚 作者:夾竹桃

永禄十一年 上洛

千五百六十八年 二月初旬

静子の作った技術屋集団の街は、良く言えば画期的、悪く言えば異質過ぎる街だった。
まず各家庭に掘り炬燵と囲炉裏を設置している。湿度を上げるために濡れタオルを置く場所もある。
これは一年の内、十二月から二月に死亡率が急激に上昇する事への対策だ。
冬は気温が下がり湿度も低くなる為、相対的に病気の原因となるウィルスや細菌が活性化して大流行を巻き起こす。
その対策として湿度を上げる事と、家の温度を上げる事だ。しかしそれだけ火を利用すれば、当然ながら薪の使用量は馬鹿にならない。
寒さ対策の為に山林を伐採し、薪の確保に奔走し結果としてハゲ山を量産しては短期的には良くても将来的にジリ貧になる。しかし静子はその問題をあっさり解決して見せた。

解決策は竹炭だ。
竹炭は備長炭などの木炭より火力に劣り、燃焼時間も木炭の5,6時間よりも短い3,4時間程度だ。
全てにおいて木炭より劣る竹炭だが、原料となる竹の成長速度は木と比ぶべくもない圧倒的速度を誇る。
一人前の大きさになるのに三ヶ月から四ヶ月、竹製品などの加工品向けの品質になるのに四年程度だ。
対して杉やひのきは二〇年経っても一〇メートル前後にしかならない。

竹炭に最も適しているのは孟宗竹だが、孟宗竹が日本全国に広まったのは江戸時代と言われている。
寺院関係の人間が中国から持ち帰った、という説をはじめとして諸説はあるがどれも確証に至っていない。
可能であれば孟宗竹の竹炭を量産したかった静子は、久治郎に種、もしくは地下茎の入手を依頼した。
伝来の説があった寺院関係者からと中国から密輸のニルートから探すように依頼した。
孟宗竹、真竹、破竹の見分け方は簡単だ。

孟宗竹はふしの輪が一本、新しい竹は白い粉が付着しているので輪の下にある白い粉が目立つ。
真竹はふしの輪が二本、細ければ上の輪が目立つ。そして上の輪の手触りは角がない。
破竹はふしの輪が二本と真竹と同様だが、幹全体が白っぽく見え、上の輪が比較的角張っている。

故にふしの輪が一本、かつ新しい竹の輪に白い粉があれば、それは孟宗竹だと伝えた。
地下茎なら五本程度、種ならあるだけと伝えた所、久治郎はいつもの胡散臭い笑みを浮かべて了承した。
商談成立したという事で、静子は久治郎に前金と工作費用を渡す。役人や寺社の人間は金に弱い。
その為の工作資金は必要だろうと考え、静子はそれの分も上乗せして久治郎に渡した訳だ。
随分と金を使い込んでしまったので、暫くは節制する必要があるなと静子は思っていたが、一時的に流動資金が減っただけであり、後の世に豪農と呼ばれる者たち程度の資産を抱えているという自覚が彼女にはなかった。
孟宗竹が手に入るまでの繋ぎとして、静子は真竹と破竹の竹林を作る。
両方ともかなり広範囲の竹林を作ったので、燃料に困る事はないだろう。

竹炭を作ると副産物として竹酢液ちくさくえきと木タールが採取出来るが、こちらは原液を静置法という手法で最低でも三ヶ月は静置し、竹酢液とタールを分離させる必要がある。
しかし竹酢液ちくさくえきは消臭や殺菌・防菌・防虫効果、土壌改良や減農薬、堆肥作り、スキンケアや風呂の湯に入れて湯冷め防止など多種多様の用途がある。
木タールも石油から出来るコールタールと異なり、殺菌作用がある。匂いも石油臭いコールタールとは一線を画す独特の香りがする。
性能も竹酢液ちくさくえきと同様に防虫、防カビ、耐水、耐酸、耐油、耐塩、防腐、防蟻(白蟻)と高性能である。
建材に塗装すれば防虫性や防水性が得られ、しかも一度乾燥すると高温になっても軟化しない。
完全に乾燥すれば無臭になる。殺菌性能が高いため、フィンランドでは伝統的な薬として用いられていた。
水で薄めてタール・ウォーターにすれば用途はもっと広がる。
唯一の欠点は静置する必要があるため、即席の量産が出来ないという点だ。

トイレ事情は江戸時代に合わせる事にした。汲み取り式便所を至る所に設置し、それらを定期的に汲みとって肥溜めに移し替え、肥料の一つに加工する。
また衛生面の強化として入浴の習慣化を奨励した。流石に毎日の入浴はコスト的に厳しいものがあるが、週に2,3回ほど入れるようには燃料の手配をした。
その時、燃やすのは当然の如く竹だ。竹は油を良く含んでいるため、燃焼速度が早く、また中空構造となっており、過剰に湯を沸かすことなく燃え尽きるため都合が良かった。

食事に関しては『食堂』を設置した。各家庭で個別に料理を作るより、一度に纏めて作る方が効率的だ。
各家庭で廃棄品を集めるより、『食堂』から一括して収集する方が手軽だ。また、街の各所に堆肥用有機ゴミ専用の回収箱を設置して定期回収を行う。
しかし女性陣は料理という重労働から開放された訳ではない。食堂で働くのは元々家庭で料理していた奥方だ。
その関係で『食堂』で提供される料理の味に差異が生じることになった。
味の好みによって『食堂』に偏りが生まれるのではと静子は懸念していたが、意外にも町民は各『食堂』の味が違う事を一種の娯楽としていた。

警備関係は現代の警察機構を参考にシステムを構築することにした。
と言えば聞こえはいいが、実際には専業の警察官を選出し街の各所に設けた派出所に詰めて交代で勤務する程度の簡素な組織だ。それでも犬と警備員を一セットとし、ツーマンセルでの行動を基本とした。
犬は訓練すれば警備・偵察・伝令・負傷兵の発見など、様々な事に対応出来る。
基本的な訓練を積んで主従関係を結ぶだけでも、犬が本来持つ様々な能力で人は恩恵を受けられる。

何故犬なのか、は歴史を紐解けばすぐに理解出来る。
人類最古のパートナーは犬である、と言っても過言ではないほど犬と人間の関係は深い。
世界中にある古代人の化石には、必ずと言っていいほど犬の化石が存在している事から、歴史の長さが伺えよう。
他の動物ではなく犬だった理由、それは明かりの乏しかった時代に、闇から襲いかかってくる敵をいち早く察知してくれるのが犬だったからだ。
犬の社会性、そして優れた嗅覚や聴覚のお陰で人間は何度も危機を乗り越えてきた。
軍用犬の歴史も長く、古くは古代ギリシアで軍団として運用されていた。
古代ローマ帝国ではケルト人やゲルマン部族などの森林に散開して戦う敵に対して、犬の軍団を作って戦闘を有利に運んだという。
また攻撃だけでなく防御用にも使われ、ギリシア人やローマ人は砦の中に犬を飼い、鋭い嗅覚や聴覚で敵の接近を察知していた。
アリストテレスの時代から犬は勇猛果敢な戦士にして、同時に人間にとって忠実な友でもあった。

特に日本犬は素朴・忠実・勇敢といった性質を持つ。番犬としてこの上なく頼もしい存在だ。
街中を定期的に巡回するだけで間者対策となるし、仮に侵入されても異常な匂いや気配を犬が察知してくれる。
もっともそれらを回避する苦労を重ねても、間者にとって有用な情報を得ることは難しいだろう。
何故なら、静子が作った技術屋集団の街は軍事技術を研究開発する所ではなく、軍事技術を民間用の技術に転用したり、現代にあった各種工具の類を再現したりするための街だからだ。






街人が職人街の生活にようやく慣れ親しんできた頃、彼らに静子の無茶ぶり第一弾が襲い掛かる。

「え……これに似たものを作る……ですか?」

集められた木工職人の中から、一番前にいた人物が場を代表して静子に疑問を投げかける。

「そうよ。正確にはこの蓋の部分、これを再現するのよ」

彼らの困惑を意図的に流して静子はにっこりと人の良い笑みを浮かべる。
しかし彼らが困惑するのも無理はない。静子が彼らに見せたのは現代で言うペットボトルなのだから。
今まで見た事も聞いた事もないものに、職人たちは困惑を隠せない。

「これは火縄銃でも使われている、ネジの技術を応用しているわ。こうする事で内容液が溢れず、高い気密性が得られるの。見ていてね」

木の板を突っ込んで蓋をしただけの竹水筒と、スポーツバッグの中に入っていた数本のペットボトルの内の一つをひっくり返す。
すると木の板を突っ込んだ方は水の勢いに負けたのか、蓋役の木の板が飛び出し中の水が溢れ出した。
しかしペットボトルの方は内容液が溢れる事なく、かつ蓋が外れる事なく水を受け止めていた。

「お、おおう……」

驚きつつも感嘆の声を上げる職人たち。掴みは問題なしと判断した静子は、彼らが感動している間に話を進める。

「期間は二ヶ月、条件は竹水筒で再現する事と設計図通りの直径である事。研究費用はこの木箱に入っているから遠慮無く使ってね。あ、期間は必ず守ってね。そうしないとお館様の雷が落ちるから」

ペットボトルのキャップに関する設計図、研究費用、研究に使うためのオリジナル品。
それらを次々と手渡した後、彼らが何か言う前に静子は木工職人の集会所を後にした。
静子が立ち去って暫くした頃、ようやく頭の理解が追いついた彼らは、ペットボトルをおそるおそる触る。
最初はおっかなびっくりだったものの、次第に彼らは職人魂に火がつき脇目も振らず没頭した。

同じような事を機織り職人、焼き物職人、生活鍛冶職人にもする。
機織り職人にはスポーツバッグの中に入っていたTシャツ、下着、ステテコの再現。焼き物職人は登り窯の使い方をマスターし、焼き物を量産出来る体制を整える事。
生活鍛冶職人には静子が書いた数多くの農耕器具の再現だ。

共同で行うものもある。鍛冶職人と木工職人で木桶蒸留器の製造を静子は命じた。
彼女は蒸留器とはステンレスなどの金属とゴムで出来ているとずっと思い違いをしていた。
しかしそれではゴムがない、もしくはあったとしても高級品になる江戸時代、どうやって蒸留して焼酎を作っていたのか、という事に気付いた。
ヒントは何かないかと思い返していた所、鹿児島に旅行へ行った時に『木桶蒸留器』の見学をした事を思い出す。
あれは少量の金属とレンガを使っていたが、大部分は木と竹だった。蒸留器の原理や工夫は、木材でも金属でも変わらない。
ならば作れない理由はない、という事で静子は木桶蒸留器の製造を命じた。

「うーん……ゴムが欲しいんだけど、植物油脂に硫黄を添加して製造するファクチス(サブ)が天然ゴムの代用品としては十分……か? しかし混合比がいっぱいあってどれがいいんだ……」

天然ゴムがなくともゴムの代用品は作れる。それはファクチスと呼ばれるものだ。
ファクチスの歴史は古く、中世ヨーロッパでは亜麻仁油と硫黄を反応させ、弾性のある樹脂状物質にして活用していた。
防腐作用があるため、主に外科用医薬として使われた記録が残っている。
なお合成ゴム出現後は増量剤、軟化剤を経て加工助剤と役割が変わっていった。

「植物油はひまわりから取るとして……問題は硫黄だな。黒色火薬で使うから、硫黄を入手するのは簡単なんだけど、実験で使い続けるほど潤沢にあるとも思えないしねぇ」

現状では開発の優先順位もあって大量に硫黄を流用するのは難しい。植物油も貴重品である以上、今は贅沢な研究は出来ない事を静子は理解した。

各技術者にものを作らせているが特に生活鍛冶職人が厳しく、完成品を作って終わりではない。
使用していく内に出てくる不具合を随時フィードバッグし、それらを解決してバージョンアップさせていく循環開発を行う。
生活道具は天下統一後も使用され続けていく。最初は緩くても徐々に完成度を上げる必要がある。
開始時期が早ければ早いほど、不具合は洗い出されていくのだから、再現度が低くとも試験させ続ける必要がある。
その為に静子はある程度の形を成したら使用実験を行う事を命じた。

街人に指示するだけでは終わらない。静子もスポーツバッグに入っていた苗と種を栽培する必要がある。

ノートの持ち主は種や苗木を栽培する事を望んでいる。しかし全てを育てるのはどう考えても不可能だ。
組み合わせが滅茶苦茶なのだ。これでは初年は良くても、数年で土が駄目になっていただろう。
無闇矢鱈に種や苗木を集めている所を見るに、ノートの持ち主は農業に関して素人だと静子は思った。
素人は『とにかく数を育てたい』と、多数の種類を育てようとする。実際、静子も初期はそれをやって菜園を全滅させた。
しかしそれでは駄目だ。コンパニオンプランツのように組み合えば良いが、逆に天敵を呼び寄せるような育て方をすれば、作物は共倒れをしてしまう。

まずは種と苗の整理が必要と考え、スポーツバッグを再び開けたのだが、ここで問題が発生した。
ぱっと見では分からなかったが、よく観察すると幾つかの苗が損傷していた。損傷具合から推測するに、強い力を側面から受けた感じだ。
バッグを抱えたまま何かに激突したのか、と彼女は思ったがすぐに原因を知るのは無意味と考え、改めて苗や種を確認する。

確認の結果、梅の苗木が一番酷い損傷を受けていた。
梅は自家結実性が弱い品種なので、花粉の多い品種と一緒に育てなくてはならない。一番外側にあったせいか二種類とも大ダメージを受けていた。
現代なら修復が可能かもしれないが、補強テープなどの道具類がない戦国時代では、静子も諦める他ない。
そして損傷は梅だけではない、レモンが二本、ミカンは一本の苗木が修復不可能な損傷を受けていた。
結局、無事だったのはレモンの苗一本、一番内側にあったミカンの苗二本だけだった。
更に悲劇は続く。折れた苗がスナックパインの苗に突き刺さっていた。スナックパインの苗二〇個の内、六個を廃棄処分した。
折れた苗は更に花の種が入った袋も破り、キダチアロエとストレリチア、コスモスの袋を破いていた。種が混ざり合ってしまった為、分別するのに時間を要すると判断した静子は、思い切って破棄を選択する。

最終的に育てる米は二種類、加えてえん麦。
野菜はほうれん草、白菜、白花豆、スナップエンドウ、じゃがいも、オクラ、落花生。
果実はレモンとミカンとスイカとスナックパイン。
花は白花虫除菊、ひまわり、アロエベラ、金鯱、フレンチマリーゴールド、月桂樹ローリエだ。

えん麦とヒマワリは緑肥用にと考えたが、ヒマワリの種とエン麦の実が必要だった。
故にえん麦は特有の深根性を利用して土壌改良効果だけに留める。ひまわりは種以外を粉砕して緑肥のすき込みに使う事にした。
月桂樹ローリエ、フレンチマリーゴールドはコンパニオンプランツとして共生させるために育てる。
他に無事な花を育てないのは、育てる余裕が静子にないからだ。肥料や腐葉土、各種病気に対する薬剤がある現代なら可能だが、それらが手に入らない戦国時代では育てるだけ無意味だ。
なるべく費用対効果の高い物を、と選別した結果である。なお、シソ類は恐ろしい繁殖力でひたすら増殖するので、他と同じように育てない方が良いと判断した。
静子の時代でも『作物ゲリラ』の名をはじめとしてテロリスト等の悪いイメージの呼称が多い。家庭菜園でもプロの農家でも「特定環境でしか育成してはいけない」という品種がある。
シソはその部類に入るが、とは言え梅干しを漬け込む際に利用できるため捨てるには惜しい。そこで栽培場所を他から隔離し、レンガで簡素なプランター栽培を行う事にした。
金鯱は単なるサボテンなので育てる意味は薄いが、手間がかからないので問題ないと判断した。

他の種も時期を計算して準備していた所、信長より新たな指示が静子の元に届く。
その内容は『塩の増産を行え』だ。それは予想していた為に問題なかったが、命令はもう一つあった。
それが『静子の村の住人を、拡張中の街へと移住させる』という謎の命令だった。






いきなりの住民移住に流石の静子も納得出来なかった。
理由を聞かなければと考えて謁見を申し込んだ所、意外にも早く謁見の許可が下りた。
予想していたのか、それとも気分が良かったかどちらか分からないが、ともかく都合が良いと思った静子は信長の元に急いで向かう。
謁見した静子は信長に問いただした。この時期に急に村人を移動させる理由は何なのか。下手をすれば生産高が落ちてしまい、十分な年貢を納める事が出来なくなる可能性がある。それでも今すぐに人を移住させるのかを。

「構わん」

それに対して信長の回答はシンプルだった。
信長が余りに堂々とした態度で答えたために、静子は一瞬自分が余計な心配をしたのかと錯覚した。

「し、しかしこのままでは大幅な減産になる可能性が……。その問題を無視しても、人の移住を強行する理由があるのでしょうか?」

だがすぐにかぶりを振ると、信長が何を考えているのか問いただした。

「今年の年貢が少なくとも、来年以降の年貢が増えれば長期的には問題ない。その為には貴様の技術を継承した百姓たちを、各地に移動させて更なる継承を行う必要がある」

人払いを済ませた後、信長は静子にだけ己の内に秘めている計画を語る。
彼の計画は戦国時代でも、例え現代でも奇想天外と言っても過言ではない内容だった。
徹底した効率主義の計画は以下の内容だった。

まず各村から二十人から三十人を引き抜く。この時、静子を含む初期の百姓三十人は除外される。
集めた人数で村を六つ作り、その村を基点に三から五村を衛星のように纏める。
纏められた村は『組』という単位とし、その『組』を三つ合わせて『街』という単位で呼ぶ。
信長は『三組之一街』という名で呼んでいる。

『三組之一街』システムは以下のようになる。
まず初年度は静子が行った事と同じで、基点となる村が各村へ農業の教育・支援を行う。
そして初年度の収穫から『担保』になる備蓄米を織田家に上納する。
次年度より各『組』毎に栽培する作物を一年毎に交代する。
例えば一年目の『甲組』は米と大豆、『乙組』は米と薩摩芋、『丙組』は米と鶏卵。二年目の『甲組』は米と薩摩芋、『乙組』は米と鶏卵、『丙組』は米と大豆。三年目の『甲組』は米と鶏卵、『乙組』は米と大豆、『丙組』は米と薩摩芋。
そして四年目は一年目と同じ栽培を行い、三年前に納めた『担保』が返却される。しかし次の三年用に新たな『担保』が必要となる。
現代で言う二年縛りだの三年縛りという固定契約だ。当然ながら三年の間に契約を破棄したい場合は、莫大な違約金が発生する。
支払えない場合は担保として預けた備蓄米が、ペナルティとして没収される。
このループを五回繰り返すと税率を五公五民のところが四公六民に変更される。

更に福利厚生の一環として正月及び収穫祭に餅が届けられる。
村人一人につき三つ、そして村毎に鏡餅が一つ送られる。これは労働意欲を上げる為の意味も込められていた。
その他にも百姓たちの労働意欲向上と裏切りを防ぐため、それなりの優待という特例措置を信長は考えていた。
しかしそれらを彼は公表する事はない。マキャベリの『恩恵は人々に長く味わわせるためにも、小出しに施すべきである』を実践するため、鞭と飴の飴に該当する部分は小出しにしていく。
当然ながら飴のみを与えるのではなく、気付きにくい所をマイナス改修してバランスを取る。

「そ、それはけち臭いと言われそうな……」

「君主たる者、吝嗇家という評判を恐れてはならない。そして結果さえ良ければ、手段は常に正当化される。故にわしが民を騙そうとも、その結果は民にとって良いものと思わせておけば、民はわしの政策を気にしない。民は適度な夢を見せつつ、肥え太らせておけば良いのだ」

「なるほど……分かりました。お館様の真意を見抜けず、愚にもつかない事を申しました」

「良い。これからも疑問があれば遠慮せずに問うが良い。それがより良い意見を生む事もある」

その言葉に静子は素直に驚いた。信長は自分の考えに絶対の自信があり、おいそれと人の意見に左右されない人物であると考えていた。
静子の視線に気付いた信長は、至って普通の表情でこう言った。

「ことさら驚くような事でもあるまい。わしは今まで自分の考えこそが正しいと思っていた。だが貴様から世界を知り、自分の経験がいかに小さいかを思い知った。世界は広い、まだまだわしの知らぬ事を知る者が、この世には多数いる。故にわしはそやつらの知識を、経験を学び、己が血肉にすると決めただけだ」






二月下旬、静子は信長直営の大型塩田を作る作業にとりかかる。
静子の住んでいる所は内陸部に当たるため、塩田を作るためには湾岸部を整備する必要がある。
しかし湾岸部は開発が進んでいない為、殆どの場所が荒れ地に等しかった。
更に問題があった。水である。

縦に細長い知多半島には、大きな河川が無く慢性的な水不足であった。
故に雨水を溜めた池が百姓たちの生活を支えている状況だ。だから一度干ばつが起きれば、すぐに飢饉へと陥っていた。

昭和36年(1961年9月)、木曽川の上流から知多半島の突端までの百十二キロメートルの幹線水路。その幹線水路から分岐して農業用の水を導く支線水路1012キロメートルもの長さからなる「愛知用水」が完成するまで、百姓たちは常に干ばつに苦しめられていた。
なお愛知用水の中心人物は篤農家の久野庄太郎と安城農林高校教諭の浜島辰雄の二人。そして構想(1948年)から十三年、総工事費423億円の戦後日本初の超大型プロジェクトだ。

幸いにも昭和時代のような人口ではないので、水一滴のために殺し合いが発生する事はなく、人が住み着いていないエリアの小川から飲用水を入手する事は可能だ。
だが手に入るのは飲用水であり、農業用水は不可能に近く、また小川しかない故に河川工事も難しい。
結局、知多半島の根本辺りで大型の塩田を作り、飲用水を含む生活用水を天白川から引っ張る事にした。
後は信長が予め用意していた人間たちを住まわせる。
それで終わるはずだった。ただし、それは静子の思惑の中だけであり現実は厳しかった。

「漁業組合?」

定住する村人の代表である村長の言葉に、静子は首を傾げる。

「はい。織田様との話し合いで我々はここに定住し、塩の生産に励む事になりました。しかし塩だけでは不安を感じ、その旨を織田様にお伝えしました」

「ああ、まぁお気持ちは分かります」

塩の生産だけで全てを賄いきれるのか、と村長を含む村人たちが不安を感じるのは理解出来る。
もしも塩の生産が失敗に終われば、待っているのは飢えしかないのだから。

「その際に織田様より、漁業を兼業してはどうかと薦めて頂きました。そして漁業に関する技術指導を、静子様がご教授くださる、というお話なのですが……?」

「えー……(聞いてないよ! と言えたらどれだけ楽か)まぁ私で良ければ、さわりの部分については指導できると思います」

そう言った静子だが、彼女はあくまで漁の方法を『知っているだけ』で、本格的な漁業の経験はない。
大型漁船や輸送船の設計図は持っているが、あの設計図は現代の単位で寸法が書かれている為、すぐに建造するのは不可能だ。

(あの街が成功したら、お館様には度量衡をMKS単位系に統一してもらおう。対応表でやると誤差が出た時笑えないしね。一時の減収・減益を覚悟の上で、基準を統一した方が良いかも)

基準を統一する事で不正が行いにくくなり悪徳商人が減る。土地の大きさから収穫量を計算出来る為、年貢をかなり正確な数値で予測出来るし、余剰分を領民へ返す事が出来る。
長い目で見れば単位統一は得になる。そして度量衡の制定は近世まで権力の象徴でもあった。
信長の後を継いだ秀吉や、江戸幕府を開いた家康も度量衡の統一を行っている。

「すいやせんが、よろしくお願いします」

「あの、失礼ながら漁船が見当たらないのですが、どこにあるのでしょうか?」

彼らは毎度ながら信長がどこかから集めてきた人たちだ。そんな彼らの為に家を建てた事までは知っているが、肝心の漁船はどこにも見当たらない。漁船を停泊させる波止場も見当たらない。
まさか漁船建造から始まるのか、と静子はうんざりした気持ちになった。

「いえ、その辺りは織田様がご用意して頂けるとの話です」

だがそれは杞憂だった。どうやら漁船建造は別場所で行って、それがまだ届いてないようだ。

「ならば良いです。そうですね……んー、まぁ最初は延縄漁業、かご漁業、たこつぼ漁業の三つでいいかな。慣れてきたら採介漁業がいいですね。後は海岸で貝掘りかな……?」

「はぁ……」

「(そんな不安そうな顔しなくても説明するよ!)まず延縄漁業についてですがー」

結局、帰る時間まで説明をする羽目になった静子だった。






それから一週間ほど経った頃、ようやく漁船が彼らの元に届けられた。
更に数日後にその報告を受けた静子は早速彼らの村へ向かった。到着後、漁船を見ると中規模の漁船が三隻、小型の二人乗りボート並なサイズが八隻の計十一隻が船着き場に係留されていた。
蛸壺もどきや餌を入れた「かご」、延縄漁業の為の仕掛けも完成していたようで、彼らは届けられた日に漁船へ乗り込んで設置してきたとの話だ。
漁具の構造が簡単で操業も比較的簡便な蛸壺やかご漁は、漁獲性能が良いので素人でも一定の量が取れる。
だが漁獲性能が良すぎるため、資源保護の観点から現代では使用するカゴの数に制限を設けている。

「何やかんやで、設置してから三日経っていますから、そろそろ回収する時期ですかね」

「へい。残念ながら昨日と一昨日、延縄は失敗に終わりました。ですから今日は場所を変えて設置しています。勿論、静子様の言われた通り、旗が見えない場所までは行っていません」

ひとたび海難事故が発生すれば大惨事は免れない。
世界で最も有名な海難事故は1912年(明治45年)4月14日、イギリス船籍客船「タイタニック」が処女航海中に氷山に衝突して沈没。1517人が死亡した事故だ。
1914年(大正3年)5月29日、カナダ船籍客船「エンプレス・オブ・アイルランド」が濃霧のため、セントローレンス川でノルウェー船籍貨物船「ストールスタッド」と衝突し沈没、死亡・行方不明は1024人にも上った。
日本では1910年(明治43年)4月15日に日本海軍の「第六潜水艇」が広島湾でガソリン潜航実験の訓練中に沈没。艇長佐久間勉大尉以下乗員14名全員が殉職した。

戦国時代に海難事故が起きればもっと悲惨だ。
船から投げ出され、潮に流されてしまえばもう終わりだ。二度と生きて大地を踏む事は叶わない。
彼らは漁師と同時に塩を作る職人だ。可能な限り『命を大事にしろ』作戦に徹してもらう必要がある。
故に静子は彼らにあるルールを課した。

漁業を行う場合は村の場所を教える旗を立てる事(分かりやすい帰還目標)。
ワラ縄で結んだ竹筒を身にまとう事(救命具代替品)。
自分の体と船を紐で結んで作業を行う事(命綱)。
夜間、または天気の悪い日に漁業を行わない事(危険回避)。

それらのルールが守れない場合、漁船を取り上げて塩生産に専念させる、と彼らに通告した。
最初はそのルールが必要な理由をよく理解していなかった彼らだが、昨日とある村人が船から投げ出された時に思い知った。
海の天気は荒れやすく、ちょっとした油断が命取りになるという事を。そして静子のルールは、それらを可能な限り回避するためのルールだという事を、彼らは体で理解した。

「お、帰ってきたようですぜ。こっから見る限り……何か微妙な顔してますね」

「ありゃ、漁の成果は良くなかったのでしょうかね」

そんな事を話している内に、漁船は桟橋に到着した。ロープを係船柱に括りつけて漁船を係留する。
それらが終わってから漁師は収穫が入っているであろう箱を漁船から下ろした。
数人がかりで抱えている所を見るに、良い成果が見込めていそうなのだが、どうしてだか彼らの表情は硬い。
全部の箱が静子の前に並べられると、その内の一つの箱の蓋を手に持ちつつ漁師はこう言った。

「とりあえず全部持ち帰ってきましたが……あの、これって何なのですか?」

言葉と共に蓋が開けられる。
中にいたのはマダコだった。他にもスルメイカやアオリイカのような海生軟体動物が入っていた。

「(……もしかして見たことない?)あのー、一つお伺いしますが、もしかして海での漁って初めてですか?」

「へ、へい。お恥ずかしながら今までは川でしか漁をしておらず……実はこうして海に出るのは初めてでして」

予想通りだった。彼らは川魚専門の漁師だったのだ。
だから海生生物を見て妙な顔をしていたのだろう、と静子は理解した。

「ま、まぁ無茶かもしれませんが、今から覚えて下さい。さて、他は何が入っていますか?」

クーラーボックス代わりの木箱を開ける。
かご漁ではエビ、カニが入っていた。エビはクルマエビが多く、カニはワタリガニが多く入っていた。
延縄の方を確認する。キスやハゼも混じっていたが、全体的にアジが多く感じられた。
よく見るとクサフグが少し混じっていたので、静子はその内の一匹を手で掴んで村人に見せる。

「えー、このフグって魚は食べると危険です。誤っても食べないように」

「……食べるとどうなるんですか?」

「もがき苦しんだ末に命を落とします」

おそるおそる尋ねる村長の言葉に、静子は迷いなく答える。
クサフグなどのフグ毒の主成分はテトロドトキシンで、更に微量のサキシトキシンも含まれる。
テトロドトキシンは青酸カリの850倍程度の毒性を持ち、人の経口摂取による致死量は僅か1から2mgだ。
更に300度以上に加熱しても分解されない。
そしてフグ毒は特異療法(解毒剤や血清)が開発されておらず、強心剤や利尿剤を投与してテトロドトキシンが尿と共に排出しきり、呼吸困難が収まるまで人工呼吸器に繋げる事が唯一の治療法だ。

「ちなみにどこに毒を保有しているか種類によって違います。時期によっても変わります。そして捌くだけで毒が体に入る場合もありますので、フグを見た場合は速やかに海へ返して下さい」

「へ、へい」

話し終える頃には村長の顔色は真っ青になっていた。
しかしテトロドトキシンは本当に危険な毒だ。唯一の救いはフグに直接触れただけでは毒に侵されない事だ。

「まぁこうやって膨らむので分かりやすいです。ま、コイツは海へさよならしましょうか」

そう言うと静子はフグを海に向かって思い切り投げる。綺麗な弧を描いてフグは海へ落ちる。
それを見届けた後、静子は再び村人の方へ身体を向ける。

「さてと……まずは生きているタコのシメ方です」

「シメる?」

「ええ、タコやイカ、魚はそのままでは活きが良すぎますからね。シメておかないと暴れて危ないです」

そう言った後、静子は適当なタコを無造作に掴んで用意していたテーブルの上に置く。
タコはまだまだ元気だぞ、と周りへアピールするように複数の吸盤がついた八本の触腕で威嚇していた。
対して静子は手に竹串を太くしたようなものを持っていた。
タコやイカ、魚をシメる上で必要と考え、道具を用意していたのだ。

「足に見える吸盤がついたこの部分、学術書では腕(触腕)と表現される事が多いです。で、この丸い大きな部位は頭に見えますが実際は胴部です。本当の頭は目や口器が集まっている部分、つまり胴体の中です。ですので両目の間に急所があります。ここを包丁か、またはこの様な道具で突きます」

包丁で両目の間を斬る、もしくは千枚通しなどの道具で突きまくればタコはシメられる。
うまく急所を突けたかどうかの確認は比較的容易である。

「うまく突けたら足全体が一気に白くなります。ほら、先ほどまで赤みを帯びていた足が一気に白くなりましたね」

彼女の言葉通り、タコの足がまるで脱色したかのように白くなっていた。
先ほどまで動いていた足もダラリと垂れ下がっており、ひと目で絶命している事が分かる。

「おぉー」

村長を含む漁師たちが感嘆の声を上げる。

「後は頭の中に指を入れて内臓を取っていきます。荒い大根おろしで洗ってヌメリを取ります」

「大根……っすか?」

「ええ、塩でもいいのですが、高価な塩でヌメリを取るよりは、大根おろしでヌメリを取る方が安上がりですからね」

塩でタコのヌメリが取れるカラクリは、塩によってタンパク質が変性し硬くなって浮き上がるからだ。
対して大根は成分の消化酵素系で浮き上がらせる。
大根の方が綺麗に取れる上にジアスターゼ(アミラーゼ)が蛸を柔らかくしてくれるが、反面ヌメリを取る力が弱いので時間がかかる。

「ヌメリは内側の方が残りやすいので、注意しながら洗います」

塩で行うより時間をかけて大根下ろしで洗う。それでようやく下処理が完了する。

「さぁ、次は皆さんの番ですよ?」

額の汗を拭いつつ、静子は漁師たちへそう言った。
「早く慣れろよ?」という意味を含んでいると彼らが思ったのは、決して気のせいではないだろう。
何故なら、静子は困惑する彼らに向かって、更にこう言ったのだから。

「大丈夫、蛸は沢山いますからね」

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