日本は世界を相手にビジネスをしている関係で、日本株も否が応でも世界の動きに左右されます。
やれエボラだ、「イスラム国」だ、ウクライナだ、QE終了だ……これらの相場の材料はいずれも日本の外で起こっていることです。でもそれではこれらの外的要因が東京マーケットに影響を及ぼしていないか? と言えば、そんなことはありません。
有り体に言えば、日本株は世界に振り回されているのです。
これは何も日本株に限ったことではなくて、英国株や中国株でも事情は同じです。つまり世界のマーケットは相互に影響を及ぼし合っているのであって、そのひとつだけにフォーカスし、自分の知らないこと、知りたくないことに対して耳を塞ぎ、純粋に日本で起こっていることだけを頼りに、相場を説明しようとすること自体が徒労であり、不完全な努力であり、したがって不十分なのです。
この当たり前のことすらわかってない市場関係者が、特に日本には多いような気がします。
たとえば、世界の投資可能な上場企業の分布は、MSCIオールカントリー・ワールド指数によると、こうなっています。
つまり日本は世界の7.05%でしかないのです。
いま、世界のGDPに占める日本の割合は、国際通貨基金(IMF)のデータでは6.56%、CIA World Fact Bookのデータでは6.78%、国連のデータでは8.19%なので上のパイチャートに示された日本の存在感は、概ねその経済規模と照らしても違和感は無いのです。
因みに時価総額ベースで世界のトップ100企業を列挙すると、下のようになります。(銘柄名の後の数字は全体に占める%)
APPLE INC 1.8267
EXXON MOBIL CORP 1.1291
MICROSOFT CORP. 0.9639
JOHNSON & JOHNSON 0.7603
WELLS FARGO & CO. 0.7134
GENERAL ELECTRIC CO. 0.7114
NESTLE S.A. 0.6796
CHEVRON CORP 0.6088
JPMORGAN CHASE & CO 0.6079
PROCTER & GAMBLE 0.5899
ROCHE HOLDING AG 0.5724
VERIZON COMMUNICATIONS INC. 0.5359
NOVARTIS AG 0.5312
HSBC HOLDINGS PLC 0.5296
PFIZER INC 0.5091
TOYOTA MOTOR CORP. 0.4849
AT&T INC 0.4821
GILEAD SCIENCES INC. 0.476
BANK OF AMERICA CORP 0.4739
MERCK & CO INC 0.4642
INTEL CORPORATION CORP 0.4597
INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CO 0.4471
COCA-COLA 0.4229
GOOGLE INC CLASS A 0.4227
FACEBOOK INC. 0.4208
GOOGLE INC CLASS C 0.4153
CITIGROUP INC. 0.4148
SCHLUMBERGER NV 0.404
WALT DISNEY CO. 0.403
HOME DEPOT INC 0.389
PHILIP MORRIS INTERNATIONAL INC. 0.3861
ORACLE CORP 0.3797
BERKSHIRE HATHAWAY INC CLASS B 0.3795
ROYAL DUTCH SHELL PLC CLASS A 0.3768
PEPSICO INC 0.3725
QUALCOMM INC. 0.3644
BP PLC 0.3583
SANOFI S.A. 0.3549
TOTAL S.A. 0.3453
CISCO SYSTEMS INC. 0.3386
AMAZON.COM INC. 0.3369
COMCAST CORP. CL A 0.3296
TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFACTURING 0.3275
AMGEN INC. 0.3245
SAMSUNG ELECTRONICS CO. LTD. 0.3145
BAYER AG 0.3121
COMMONWEALTH BANK OF AUSTRALIA 0.3084
GLAXOSMITHKLINE PLC 0.3034
VISA INC. 0.2993
NOVO NORDISK ORD CLASS B 0.2918
WALMART STORES INC 0.2864
UNION PACIFIC CORP 0.2833
ROYAL BANK OF CANADA 0.2833
3M CO 0.2819
ANHEUSER BUSCH INBEV SA 0.2756
BRITISH AMERICAN TOBACCO PLC 0.2705
TENCENT HOLDINGS LTD 0.2675
BHP BILLITON LTD. 0.2663
UNITEDHEALTH GROUP INC. 0.2627
BANCO SANTANDER SA 0.2624
ALTRIA GROUP INC 0.2617
ASTRAZENECA PLC 0.261
WESTPAC BANKING CORPORATION CORP 0.2594
SIEMENS AG 0.259
CELGENE CORP. 0.2561
BRISTOL-MYERS SQUIBB CO. 0.2543
BOEING CO. 0.2541
GOLDMAN SACHS GROUP INC. 0.2521
MCDONALDS CORP 0.2512
TORONTO DOMINION 0.2505
ROYAL DUTCH SHELL PLC (CL B) 0.2505
CVS HEALTH CORP 0.2495
ABBVIE INC. 0.2463
TIME WARNER INC. 0.2367
VODAFONE GROUP PLC 0.2366
CONOCOPHILLIPS 0.232
NIKE INC. CL B 0.2297
BIOGEN IDEC INC. 0.2276
AMERICAN EXPRESS 0.2222
DAIMLER AG 0.2101
OCCIDENTAL PETROLEUM CORP 0.2095
BASF SE 0.2042
AMERICAN INTERNATIONAL GROUP INC. 0.2035
LOWES COS. 0.2002
STARBUCKS CORP. 0.2
CHINA MOBILE LTD. 0.1971
MEDTRONIC INC 0.1953
MITSUBISHI UFJ FINANCIAL GROUP INC 0.1951
US BANCORP 0.1946
UNITED TECHNOLOGIES CORP 0.1934
TEXAS INSTRUMENTS INCORPORATED 0.1933
AUSTRALIA & NEW ZEALAND BANKING GR 0.1931
HEWLETT PACKARD 0.1923
もちろん、我々は日本人であり、日本に暮らしている以上、収入も、そして支出も日本円で発生します。だから自分の資産と将来の出費との間で、エクスポージャー(exposure)をマッチさせるという発想は、絶対に必要になってきます。その意味で、日本人が日本株や円建ての預金をするというのは、当たり前のことです。
でも自分の運用資産の一部を海外の投資機会に求めるということは、これから絶対に必要なスキルになってくると思います。
さらに言えば、日本株の動きの少なくとも50%くらいは為替の動きで説明がつくし、為替の動きを理解しようと思えば米国のFRBのやっていることなどを最低限、知っておく必要があるのです。
これは何も日本が金融面でアメリカの属国になるとか、そういう議論ではなくて、たとえばイギリスの投資家やフランスの投資家なども、当たり前の基本動作としてFRBの動向やアメリカ経済の動向を追っかけている……日本もそれらの国々と同じような経済の存在感なのだから、世界のみんなと同じことをやらざるを得ないということに過ぎないのです。
ところが日本の証券界には日本の事しかわからない「お醤油証券マン」がウヨウヨしています。昔、80年代のバブルの頃は東京マーケットの時価総額が世界一でした。その頃は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」だったので、「まるドメ証券マン」でもそれなりに通用したと思います。でも未だに「巻物」とかしたためて、半ば脅迫に近いオーラを出すことで商売を作ろうとする、シーラカンスみたいな連中が淘汰されていないことに、僕は驚きと憤りを感じるわけです。
やれエボラだ、「イスラム国」だ、ウクライナだ、QE終了だ……これらの相場の材料はいずれも日本の外で起こっていることです。でもそれではこれらの外的要因が東京マーケットに影響を及ぼしていないか? と言えば、そんなことはありません。
有り体に言えば、日本株は世界に振り回されているのです。
これは何も日本株に限ったことではなくて、英国株や中国株でも事情は同じです。つまり世界のマーケットは相互に影響を及ぼし合っているのであって、そのひとつだけにフォーカスし、自分の知らないこと、知りたくないことに対して耳を塞ぎ、純粋に日本で起こっていることだけを頼りに、相場を説明しようとすること自体が徒労であり、不完全な努力であり、したがって不十分なのです。
この当たり前のことすらわかってない市場関係者が、特に日本には多いような気がします。
たとえば、世界の投資可能な上場企業の分布は、MSCIオールカントリー・ワールド指数によると、こうなっています。
つまり日本は世界の7.05%でしかないのです。
いま、世界のGDPに占める日本の割合は、国際通貨基金(IMF)のデータでは6.56%、CIA World Fact Bookのデータでは6.78%、国連のデータでは8.19%なので上のパイチャートに示された日本の存在感は、概ねその経済規模と照らしても違和感は無いのです。
因みに時価総額ベースで世界のトップ100企業を列挙すると、下のようになります。(銘柄名の後の数字は全体に占める%)
APPLE INC 1.8267
EXXON MOBIL CORP 1.1291
MICROSOFT CORP. 0.9639
JOHNSON & JOHNSON 0.7603
WELLS FARGO & CO. 0.7134
GENERAL ELECTRIC CO. 0.7114
NESTLE S.A. 0.6796
CHEVRON CORP 0.6088
JPMORGAN CHASE & CO 0.6079
PROCTER & GAMBLE 0.5899
ROCHE HOLDING AG 0.5724
VERIZON COMMUNICATIONS INC. 0.5359
NOVARTIS AG 0.5312
HSBC HOLDINGS PLC 0.5296
PFIZER INC 0.5091
TOYOTA MOTOR CORP. 0.4849
AT&T INC 0.4821
GILEAD SCIENCES INC. 0.476
BANK OF AMERICA CORP 0.4739
MERCK & CO INC 0.4642
INTEL CORPORATION CORP 0.4597
INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CO 0.4471
COCA-COLA 0.4229
GOOGLE INC CLASS A 0.4227
FACEBOOK INC. 0.4208
GOOGLE INC CLASS C 0.4153
CITIGROUP INC. 0.4148
SCHLUMBERGER NV 0.404
WALT DISNEY CO. 0.403
HOME DEPOT INC 0.389
PHILIP MORRIS INTERNATIONAL INC. 0.3861
ORACLE CORP 0.3797
BERKSHIRE HATHAWAY INC CLASS B 0.3795
ROYAL DUTCH SHELL PLC CLASS A 0.3768
PEPSICO INC 0.3725
QUALCOMM INC. 0.3644
BP PLC 0.3583
SANOFI S.A. 0.3549
TOTAL S.A. 0.3453
CISCO SYSTEMS INC. 0.3386
AMAZON.COM INC. 0.3369
COMCAST CORP. CL A 0.3296
TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFACTURING 0.3275
AMGEN INC. 0.3245
SAMSUNG ELECTRONICS CO. LTD. 0.3145
BAYER AG 0.3121
COMMONWEALTH BANK OF AUSTRALIA 0.3084
GLAXOSMITHKLINE PLC 0.3034
VISA INC. 0.2993
NOVO NORDISK ORD CLASS B 0.2918
WALMART STORES INC 0.2864
UNION PACIFIC CORP 0.2833
ROYAL BANK OF CANADA 0.2833
3M CO 0.2819
ANHEUSER BUSCH INBEV SA 0.2756
BRITISH AMERICAN TOBACCO PLC 0.2705
TENCENT HOLDINGS LTD 0.2675
BHP BILLITON LTD. 0.2663
UNITEDHEALTH GROUP INC. 0.2627
BANCO SANTANDER SA 0.2624
ALTRIA GROUP INC 0.2617
ASTRAZENECA PLC 0.261
WESTPAC BANKING CORPORATION CORP 0.2594
SIEMENS AG 0.259
CELGENE CORP. 0.2561
BRISTOL-MYERS SQUIBB CO. 0.2543
BOEING CO. 0.2541
GOLDMAN SACHS GROUP INC. 0.2521
MCDONALDS CORP 0.2512
TORONTO DOMINION 0.2505
ROYAL DUTCH SHELL PLC (CL B) 0.2505
CVS HEALTH CORP 0.2495
ABBVIE INC. 0.2463
TIME WARNER INC. 0.2367
VODAFONE GROUP PLC 0.2366
CONOCOPHILLIPS 0.232
NIKE INC. CL B 0.2297
BIOGEN IDEC INC. 0.2276
AMERICAN EXPRESS 0.2222
DAIMLER AG 0.2101
OCCIDENTAL PETROLEUM CORP 0.2095
BASF SE 0.2042
AMERICAN INTERNATIONAL GROUP INC. 0.2035
LOWES COS. 0.2002
STARBUCKS CORP. 0.2
CHINA MOBILE LTD. 0.1971
MEDTRONIC INC 0.1953
MITSUBISHI UFJ FINANCIAL GROUP INC 0.1951
US BANCORP 0.1946
UNITED TECHNOLOGIES CORP 0.1934
TEXAS INSTRUMENTS INCORPORATED 0.1933
AUSTRALIA & NEW ZEALAND BANKING GR 0.1931
HEWLETT PACKARD 0.1923
もちろん、我々は日本人であり、日本に暮らしている以上、収入も、そして支出も日本円で発生します。だから自分の資産と将来の出費との間で、エクスポージャー(exposure)をマッチさせるという発想は、絶対に必要になってきます。その意味で、日本人が日本株や円建ての預金をするというのは、当たり前のことです。
でも自分の運用資産の一部を海外の投資機会に求めるということは、これから絶対に必要なスキルになってくると思います。
さらに言えば、日本株の動きの少なくとも50%くらいは為替の動きで説明がつくし、為替の動きを理解しようと思えば米国のFRBのやっていることなどを最低限、知っておく必要があるのです。
これは何も日本が金融面でアメリカの属国になるとか、そういう議論ではなくて、たとえばイギリスの投資家やフランスの投資家なども、当たり前の基本動作としてFRBの動向やアメリカ経済の動向を追っかけている……日本もそれらの国々と同じような経済の存在感なのだから、世界のみんなと同じことをやらざるを得ないということに過ぎないのです。
ところが日本の証券界には日本の事しかわからない「お醤油証券マン」がウヨウヨしています。昔、80年代のバブルの頃は東京マーケットの時価総額が世界一でした。その頃は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」だったので、「まるドメ証券マン」でもそれなりに通用したと思います。でも未だに「巻物」とかしたためて、半ば脅迫に近いオーラを出すことで商売を作ろうとする、シーラカンスみたいな連中が淘汰されていないことに、僕は驚きと憤りを感じるわけです。