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カナダ議事堂銃撃、阻止した守衛官に満場の拍手

2014年10月25日 19:38 発信地:オタワ/カナダ

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×カナダ連邦議会を象徴する金の職杖を議場に運び、議員らから総立ちの拍手喝采を浴びるケビン・ビッカース(Kevin Vickers)守衛官(2014年10月23日撮影)。(c)AFP/PMO/JASON RANSOM
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【10月25日 AFP】気づけばイスラム過激派との戦いの最前線に我が身を置いていたカナダの議員たちを救ったのは、普段は議会を象徴する金の杖を議場内に運ぶ役を担っている騎馬警官出身の58歳の守衛官だった。

 ケビン・ビッカース(Kevin Vickers)守衛官の通常任務は正装して二角帽をかぶり、首都オタワ(Ottawa)にあるカナダ連邦議会の権威を象徴し、議場内の秩序を保つ儀式的な役割が大半だ。しかし22日、イスラム過激派組織に傾倒する男が議会を銃撃した際、ビッカース氏は威風堂々としたいつもの役割をおいて銃を取りに走り、この凶悪事件の幕を引いた。

 翌23日、再開した議場内にいつも通り控えめに杖を運んだビッカース守衛官は、英雄として注目を浴び、議員総立ちの拍手喝采を受けた。スティーブン・ハーパー(Stephen Harper)首相はビッカース守衛官のもとへ歩み寄り握手を求めた。野党・新民主党(New Democratic Party)のトーマス・マルケア(Thomas Mulcair)党首も、ビッカース氏の「英雄的行為」を称えた。

 カナダ東部ニューブランズウィック(New Brunswick)州チャタム(Chatham)で酪農家と看護師の子として生まれたビッカース氏は、06年まで王立カナダ騎馬警察(Royal Canadian Mounted Police)に29年間務めた後、オタワ川を見下ろすカナダ連邦議会議事堂(Parliament Hill)の守衛官の職に就いた。

 ビッカース氏は護衛官として経験豊富で、警視正にまで昇進したが、普段は武装していない。そのため、マイケル・ゼハフビボー(Michael Zehaf-Bibeau)容疑者が議会正面玄関から侵入した際には、控え室の保管庫に置いている銃を取りに戻らなければならなかった。

 すでに容疑者は警護官1人の脚を撃ち、ホールを図書館の方へ向かって走り抜けていた。ビッカース守衛官の控え室の隣にある小室に容疑者が逃げ込もうとしたとき、部屋から出たビッカース氏は自分が標的になりにくいよう身を床に投げ出し、容疑者に向かって3回発砲した。

 後に家族が地元メディアに語ったところによると、ビッカース守衛官はそれまで人を撃ったことはなかったという。報道によれば、その後にビッカース氏は近くの会議室に入り、身を隠していた保守党議員らに一言「私が彼を倒しました」と述べた。

 自らが浴びた注目について、謙虚なビッカース守衛官は「大変感動した」と述べながらも、その気持ちは「素晴らしい警護隊」とともに分かち合うべきものだと語った。「昨日の非常事態の中、警護隊員たちはプロ意識と果敢さを示した。このチームの一員であることに感謝と誇りを感じている」(c)AFP/Michel COMTE

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