「地元に根ざさないと、やっぱり伸びないね」
小選挙区での敗退が早々決まり、比例の開票結果を待つ間、日本維新の会・新人の頭山晋太郎氏（35）の選挙事務所に訪れていた支援者からそういった声が漏れた。
午後８時の投票締切直後、自民候補当確の報道が次々と流れるなか、事務所内は比例での復活当選へ期待を寄せた。
深夜０時を回り、いまだ当確の発表がないなか、一部の放送局は事務所内に設置したテレビカメラを撤収し始め、一時は期待が盛り上がった事務所内にも寂しさが漂い始めた。
比例での復活当選が見込めないことが明らかになった午前２時、頭山氏は事務所スタッフ、支援者を前に「結果は真摯に受け止めさせていただきます」と、あいさつして深々と頭を下げた。
支援者の１人は「維新に期待する人たちは、この福岡にも多いが、知名度の浸透が今ひとつだった」と、悔しさをにじませた。
頭山氏は、大アジア主義を掲げ、中国独立の父・孫文やインド独立運動の志士、ビハリ・ボースなどを支援したことでも知られる政治団体「玄洋社」の創始者、頭山満氏のひ孫にあたるが、ハウスメーカーに勤務していた２年間福岡市に居住した以外は、事実上の「落下傘」候補で福岡に縁が薄かった。
12月12日に福岡市中心部にある警固公園で、代表の石原慎太郎前東京都知事と代表代行の橋下徹大阪市長による街頭演説が行なわれ、公園の４分の１が埋め尽くされたが、実際には、期待した無党派層への浸透も進まず、元県議で自民党から立候補した鬼木誠氏と保守支持層が重なったこともあり、得票が伸び悩んだ。
【2012衆院選・福岡２区 開票結果】
・日本維新の会・新人 頭山 晋太郎 氏（35） ４万2,731票
・民主党・前職 稲富 修二 氏（42） ６万8,359票
・日本未来の党・新人 小谷 学 氏（39） １万1,442票
・自民党・新人 鬼木 誠 氏（40） 10万5,493票 当選
・共産党・新人 倉元 達朗 氏（45） １万4,115票
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