秘密保護法:「廃案あきらめない」大学生ら1000人デモ

毎日新聞 2014年10月25日 20時09分(最終更新 10月25日 21時23分)

「特定秘密保護法」に関して主張を叫ぶ若者=東京都渋谷区で2014年10月25日午後4時49分、藤井達也撮影
「特定秘密保護法」に関して主張を叫ぶ若者=東京都渋谷区で2014年10月25日午後4時49分、藤井達也撮影

 特定秘密保護法の施行(12月10日)を前に、法律に反対してきた大学生ら約1000人が25日、東京・渋谷の繁華街をデモ行進し、同法廃止を訴えた。ツイッターなどを通じて呼び掛けて始まった活動で、法施行決定で「ファイナル(最終)デモ」と名付けたが、今後も活動は続けていくという。

 昨年秋、授業や講演会で国会審議中だったこの法律を学んだ学生らが、ネットで呼びかけてツイッターなどで拡散。「特定秘密保護法に反対する学生有志の会(SASPL)」を結成した。今年2月と5月に都内でデモを行った。3回目の今回は、地方の学生や賛同者も加わり、前回の2倍以上の長い列を作った。

 約3キロを練り歩きながら、軽快なラップ音楽に乗って「民主主義って何だ」と声を上げた。さらに一人一人が先頭のトラックの荷台に上がって意見を語り、和光大3年の福田和香子さん(20)は「自分を主張する自由が保障されなければならない」と力説。明治学院大4年の大野至さん(22)は「秘密指定の範囲があいまいなのが問題。秘密が拡大し、知る権利が侵害される恐れがある。歴史に逆行する法律だ」と話した。

 最後の男子学生は「ぼくたちは決して終わらない。あきらめない」と声を上げた。

 参加した作家の雨宮処凛(かりん)さんは「10代で東日本大震災を経験した彼らは(社会への)危機感が強く、自分の言葉で語っていた。沿道の反応も良かった」と感想を述べた。

 秘密保護法は防衛、外交、テロ防止など安全保障上の機密情報を漏らした人に最長懲役10年を科す。秘密を手に入れようとそそのかしても処罰される。昨年12月の国会で与党の強行採決の末、成立した。【青島顕】

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