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「触ってもダメ」猛毒キノコ「カエンタケ」若草山で発見 奈良
猛毒キノコの「カエンタケ」が、観光名所の若草山(奈良市)頂上の駐車場周辺で見つかった。触っただけで炎症を起こす恐れがあり、奈良県で除去作業を行うとともに、看板を設置して注意を呼びかけている。
カエンタケは高さ3~13センチで、円筒形や手の指のような形。鮮やかなオレンジ色や赤色で、コナラなどのナラ類の枯れ木の根元に発生するという。猛毒を持ち、食べると短時間で下痢や嘔吐(おうと)、運動障害や言語障害、多臓器不全などの症状を引き起こし、死亡する可能性もあるという。
8月下旬には、キノコの愛好家らでつくる「奈良きのこの会」(下原幸士・世話人)が同県生駒市の生駒山麓で発生しているのを確認。同市でも注意を呼びかけていた。
同会は今月19日の調査で、若草山頂上の駐車場近くにカエンタケ1株を発見。若草山では以前からナラ枯れの問題が指摘されていたことから、下原さんは「ナラ類の枯れ木の根元に発生しやすいカエンタケの性質上、若草山でも発生していると思っていた。観光名所なので、観光客にも注意喚起をしてほしい」と話している。
若草山を管理する県奈良公園事務所では、同会が見つけたカエンタケを21日に除去。注意喚起の看板も設置した。担当者は「カエンタケを見つけても決して触らず、事務所に連絡してほしい」としている。問い合わせや連絡は、県奈良公園事務所(電話0742・22・0375)。