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「吉田証言は嘘」通ぜず ソウル・黒田勝弘
しかし吉田証言のウソと地元新聞の否定報道を初めて明らかにしたのは、現地調査した歴史家、秦郁彦氏であり92年4月の産経新聞だった。
これを受けて韓国の中央メディアが「吉田証言は虚偽」と伝えたところはどこもない。
「韓国では前から分かっていた」という弁明はウソである。
その証拠に、つい2年前の2012年9月6日付の朝鮮日報は、野田佳彦首相(当時)が「慰安婦強制連行の証拠はない」と発言したことを非難する署名入り論評で「強制性がなかったと意地を張る日本人たちよ、この本を読め」とし、韓国で翻訳されていた吉田清治の著書の内容をそのまま詳細に紹介している。
韓国ではいまなお吉田証言は厳然と生きているのだ。朝鮮日報も訂正や取り消しをしていない。ましてや世論はそう信じている。
子供たちは学校教育や絵本などを通じ、慰安婦とは昔、日本軍が逃げまどう村の少女たちを手当たりしだいにひっ捕まえてトラックに乗せて連れて行ったという“吉田ストーリー”で教え込まれている。