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「吉田証言は嘘」通ぜず ソウル・黒田勝弘
20年を超す日韓の慰安婦問題において吉田証言は、日本軍が直接、組織的に韓国の“田舎”(済州島)から多数の女性を無理やり連れて行ったという唯一の資料になっていた。
たとえば韓国政府がこれまで発表した唯一の公式資料である1992年7月の「日帝下軍隊慰安婦実態調査中間報告書」では、日本軍による組織的な強制連行の唯一の例として引用され、「(日本軍は)19世紀アフリカにおける奴隷狩りに似た手法の人狩りで慰安婦をあつめるということもした」と記されている。
その後、韓国政府の最終報告書は出ていないし、韓国マスコミや支援団体でも似た例は明らかにされていない。
それほど貴重(?)な吉田証言がウソだったとなれば、慰安婦問題を日本の国家犯罪として国家的・法的責任を追及しようという韓国側にとっては大きな根拠を失うことになる。
そのせいだろうか、今度は「吉田証言の虚構性は河野談話(93年8月)の前から韓国ではウソと分かっていた」とし、89年に済州島の新聞が現地住民の証言からデタラメと伝えていると言い出した(9月29日付、朝鮮日報)。つまり吉田証言は慰安婦問題の現状とは関係ないというわけだ。