カナダ銃乱射:容疑者、シリア渡航を希望 パスポート申請

毎日新聞 2014年10月24日 10時56分(最終更新 10月24日 13時39分)

カナダ国会の乱射事件で、国会議事堂に向かって走る容疑者の男が映った防犯カメラの映像=オタワで22日、ロイター
カナダ国会の乱射事件で、国会議事堂に向かって走る容疑者の男が映った防犯カメラの映像=オタワで22日、ロイター

 【ニューヨーク草野和彦】カナダの首都オタワの国会で起きた銃乱射事件で、警察当局は23日に記者会見し、マイケル・ゼハフビボー容疑者(32)が事件前にパスポート(旅券)の申請をしていたことを明らかにした。母親にシリア渡航の意図を伝えていたという。シリアではイスラム過激派組織「イスラム国」が活動している。

 警察当局によると、海外で過激派組織に合流する恐れがある「危険性の高い旅行者」として、カナダ国内で93人を監視対象にしているが、ゼハフビボー容疑者は含まれていなかった。薬物使用や暴力などでの訴追歴はあるが、「国家安全保障にかかわるほどの犯罪性はなかった」としている。

 事件当時、パスポート申請は審査中だった。警察当局は詳細な説明は避けつつ、パスポートを巡る問題が「動機の一部」とみられるとしている。ゼハフビボー容疑者は少なくとも今月2日からオタワ市内に滞在し、現場に乗り付けた車は事件前日に購入していた。

 ゼハフビボー容疑者の父親はリビア人、母親はカナダ人で、容疑者はリビアとカナダの二重国籍だった可能性があるという。

 カナダメディアは当初、ゼハフビボー容疑者が監視対象の一人で、当局がパスポートを没収したと伝えていた。

 警察当局は乱射事件はゼハフビボー容疑者の単独行動と説明。東部モントリオール近郊でイスラム教に改宗した男が兵士を車ではね、殺害した事件が20日に発生したが、「二つの事件を結びつける情報はない」としている。

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