最終処分場:調査に加美町民が抗議、作業中断 宮城

毎日新聞 2014年10月24日 11時38分(最終更新 10月24日 13時17分)

座り込みをしてボーリング調査に抗議する住民=宮城県加美町で2014年10月24日、金森崇之撮影
座り込みをしてボーリング調査に抗議する住民=宮城県加美町で2014年10月24日、金森崇之撮影

 東京電力福島第1原発事故で飛散した放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場建設問題で、環境省は24日午前、宮城県内の3候補地のうち栗原市と大和町でボーリング調査に向けた準備作業を始めた。しかし、加美町は住民の抗議で着手できず、調査は3カ所同時実施が条件のため、いずれも昼までに作業を中断した。

 加美町は候補地・田代岳で午前8時半からトラックなど十数台で機材搬入予定だったが、猪股洋文町長と町民ら約40人が候補地に続く一本道で抗議。町民らは幅約10メートルの道路に「建設反対」などと書いた紙をしいて座り込み、車を並べてバリケードを作った。調査の車両が到着すると、「帰れ」「調査は絶対許さない」などと声を上げ、作業員が入れない状態となった。

 町民らで作る「放射性廃棄物最終処分場建設に断固反対する会」の高橋福継会長(72)は「朝来ると住民が入れないように道路にロープが張られていた。住民誰一人として理解も賛成もしていないのに、やり方が汚い」と声を荒らげた。猪股町長も「国のやり方は一方的で強引。(住民の座り込みは)当然でしょう」と憤った。

 東北地方環境事務所の東利博・保全統括官は「ロープは駐車スペースを確保する目的で準備した。この状況の中で作業を進めるのは難しい」と話した。【金森崇之】

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