小渕氏:陣営 「名義貸し」横行か
毎日新聞 2014年10月24日 08時20分(最終更新 10月24日 12時02分)
小渕優子前経済産業相の政治団体の不明朗会計問題で、観劇会を主催した2団体の会計責任者や政治資金収支報告書の作成担当者の計3人が、毎日新聞の取材に「会計の仕事は何もしていない」「報告書に名前があるのも知らなかった」などと話した。いわゆる「名義貸し」が横行していたとみられる。
小渕優子後援会(群馬県中之条町)の会計責任者となっていた70代男性は「名前だけで、実質は何もしていなかった」と打ち明けた。男性は小渕恵三元首相の古くからの知人といい、2000年の衆院選で小渕陣営の出納責任者になった。その後、選管から届いた資料を見て後援会の会計責任者になっていることを知り、収支報告書に押印と署名だけしていたという。
自民党群馬県ふるさと振興支部(高崎市)の会計責任者になっていた70代男性は「名義貸し」を兄から引き継いだという。「書類を見たり判を押したりした記憶はない。そもそも私のような素人に会計は分からない」と困惑する。
同支部の収支報告書作成者となっていた70代男性も「今回の問題が明らかになるまで、作成者になっていることを知らなかった」と証言した。この男性は小渕親子の秘書を30年にわたって務めたが、収支報告書を作成した経験はないという。「名前を使用すると知っていたら断っていた。こんなずさんな収支報告書が作られていたなんて」と憤る。【田ノ上達也、尾崎修二】