【ワシントン聯合ニュース】韓国と米国は23日(日本時間24日未明)、米ワシントンで第46回定例安保協議(SCM)を開催し、2015年末に予定されていた韓米連合軍司令官(在韓米軍司令官兼務)から韓国軍への有事作戦統制権移管の再延期に最終合意した。
両国は「条件に基づく有事作戦統制権移管」を推進することを決めたが、具体的な移管時期は確定しておらず、事実上の無期延期との見方も出ている。
また、作戦権が移管されるまで韓米連合司令部をソウル・竜山基地に、韓国軍の対火力戦闘能力が補強される2020年ごろまでに在韓米軍2師団の210火力旅団をソウル北方の京畿道東豆川市にそれぞれ引き続き残留させることでも合意した。
韓国の韓民求(ハン・ミング)国防部長官とヘーゲル米国防長官はSCMで15項目からなる共同声明を採択した。
両国は作戦権移管について、共同声明を通じ、韓国が提案した「条件に基づく有事作戦統制権移管」として推進することで合意したと発表した。
移管の条件は▼安定的な作戦権移管に見合った朝鮮半島および域内の安全保障環境▼作戦権移管後の韓米連合防衛を主導できる韓国軍の中核軍事能力の具備および米国の補完・持続能力の提供▼局地挑発と全面戦の初期段階における北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する韓国軍の必須対応能力の具備および米国の拡大抑制手段と戦略資産の提供・運営――の三つが示された。このうち北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する韓国軍の対応能力が移管条件の中核となる。
両国はこれらの条件について毎年SCMで評価し、両国の統帥権者が評価に基づき移管時期を最終決定することで合意した。
韓国軍は、北朝鮮の核・ミサイル発射兆候を探知して先制攻撃する「キルチェーン」が構築される2020年代半ばを移管の目標時期として示した。国防部高官は「韓米は条件に合意するとともに、条件を満たす時期を2020年代半ばと予想した」と伝えた。韓国型ミサイル防衛(KAMD)やキルチェーンなど韓国軍の中核となる軍事能力が整う時期を2020年代半ばと予想していると説明した。
両国は2007年、統制権を2012年4月に韓国軍に移すことで合意後、2010年に移管時期を2015年12月1日に先送りした。今回で2度目の延期となった。
両長官は2015年12月の移管を念頭に作成された「戦略同盟2015」に代わる新たな戦略文書を来年10月に開催される次期SCMまでに作成する方針で一致した。「条件に基づく有事作戦統制権移管に向けた了解覚書(MOU)」にも署名する。
両国は210火力旅団の残留について「深刻化した北の長射程砲による脅威にさらに効果的に対応するため、韓国軍の対火力戦闘能力の増強計画が完了し検証されるまで現在の駐屯地に残留させることを決めた」と説明した。韓長官は2020年ごろまでに韓国軍の対火力戦闘能力の増強を完了させることを米国側に約束した。
このほか、両国は昨年10月に開かれたSCMで署名した抑止戦略に基づき、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に備えた韓米同盟の「包括的ミサイル対応作戦の概念と原則」も策定した。これは核兵器または生物化学兵器を搭載した弾道ミサイルを探知、防御、かく乱、破壊する作戦概念だ。韓米はこの概念を土台に核・ミサイルに備えた作戦計画を立て、韓米連合司令部の「作戦計画5027」にも反映させる方針だ。
韓米は北朝鮮の核・ミサイルの脅威に備えた韓米日3カ国の情報共有の重要性を再確認し、情報共有のためのMOU締結に向けた実務協議も続けることでも一致した。