大公開! スタンフォードの「研究室」とは
オフィスの快適さは生産性に結び付くのか?
研究グループとしての「研究室」
読者のみなさまは、「研究室」と聞いたとき、どんなものを想像するだろうか。実験室があって、そこに大学院生やポスドク、助手がいろいろな機材を何やら使っている、という感じだろうか。
経済学の場合は、こういった意味での「研究室」は普通存在せず、強いて言えば「研究室」を構成しているのは各教員といった感じだ。これには理由があって、実験経済学などの特定の分野を除けば、実験はしないので、大掛かりな実験室は必要ないのだ。それに研究には個人、あるいは2~3人くらいの小グループで行う個人競技としての伝統がある。僕の場合も助手やら研究を手伝う学生なんかは基本的にはいない。
いわゆる理系、特に実験系の学問ならば教授が率いるチームがあり、グループワークをするのだが、僕らの研究室は、それとはだいぶ趣が違っている。もちろん何人かの学生を指導しているけれども、理系の研究室のような上司・部下的な関係にはなっておらず、教員の役割は「困ったときに相談する町のご隠居さん」という感じが近いかもしれない。
ハコモノとしての研究室
そういう事情もあってか、物理的な空間としての研究室(オフィス)も簡素なものだ。ちょっとした小部屋があって、そこに机とパソコンが置いてあるくらいだ。
それから、教員によっては家族の写真が置いてあったり、通勤用の自転車が置いてあったり、あとは思い思いに置物や絵を飾ったりしている。わがオフィスには、昨年めでたく博士号を取った学生が記念にプレゼントしてくれたデジタルフォトフレームが鎮座している。