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70年の時を経て「堂々」初の艦隊帰還…「ガダルカナル戦没者遺骨」かつては飛行機の貨物室だった
第二次大戦の激戦地、ガダルカナル島(ソロモン諸島)で昨年夏以降に収容された戦没者137人分の遺骨を乗せた海上自衛隊の練習艦隊が24日、東京・晴海埠頭(ふとう)に帰港した。遺族ら78人が70年以上を経て帰国した遺骨を出迎えた。
政府が実施する遺骨収集事業で海自の艦艇が日本に送る初めての事例。政府主導で帰還を推進するモデルケースとして注目を集めていた。
晴海埠頭での引き渡し式では、遺骨が海自の儀仗隊に栄誉礼で迎えられた後、海自側から厚生労働省の担当者に引き渡された。今後、身元が確認されない遺骨は、千鳥ケ淵戦没者墓苑(東京)に納められる。
遺骨は9月19日にソロモン諸島の首都ホニアラに寄港した海自艦隊に引き渡された。ガダルカナル島で収集に携わり、この日出迎えた「ガ島未送還遺骨情報収集活動自主派遣隊」の崎津寛光隊長(42)は「今までは飛行機の貨物室だった。今回、このように艦隊で正式に堂々とご帰還いただけることを喜ばしく思う。国として気持ちを表すことができた」と話した。