日本人戦没者:遺骨を海自が輸送 ガダルカナル島から到着

毎日新聞 2014年10月24日 11時43分(最終更新 10月24日 12時42分)

戦没者の遺骨を抱えて歩く海上自衛隊員ら。奥は練習艦「かしま」=東京・晴海ふ頭で2014年10月24日、山本晋撮影
戦没者の遺骨を抱えて歩く海上自衛隊員ら。奥は練習艦「かしま」=東京・晴海ふ頭で2014年10月24日、山本晋撮影

 第二次世界大戦の激戦地となった、南太平洋・ソロモン諸島のガダルカナル島などで収容され、海上自衛隊の遠洋練習航海部隊の艦艇で運ばれた日本人戦没者137柱の遺骨が24日、東京・晴海ふ頭に到着し、海自から厚生労働省に引き渡された。海外戦没者の遺骨を自衛隊が輸送するのは初めて。

 厚労省によると、遺骨は同省が今年9月にソロモン諸島へ送った派遣団が収容した。通常は派遣団が空路で持ち帰るが、今回は海自幹部候補生の実習中だった同部隊が、同時期にソロモン諸島の首都・ホニアラに寄港したことから、同省が防衛省に協力を依頼した。

 晴海ふ頭で行われた引き渡し式では、遺骨の入った箱を抱えて練習艦「かしま」から下りてきた海自隊員10人を、海自儀仗(ぎじょう)隊が敬礼で出迎え、参列した遺族らが黙とうして献花した。参列した永岡桂子副厚労相は「今後とも防衛省などと協力して取り組んでいきたい」と述べた。

 厚労省によると、約240万人に上る海外戦没者のうち約113万柱が未帰還で、民間団体とともに各地で収集を進めている。

【斎藤良太】

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