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核のゴミ処分場「適地」議論開始
10月23日 21時11分

原子力発電の大きな課題になっている高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のゴミ」の処分場が決まっていない問題について、国の専門家会議で処分場に適した地域を絞り込むための議論が始まりました。

核のゴミの処分場を巡っては従来の自治体が応募する方式がうまくいかず、国が前面に立ち、処分場として科学的に適した地域を選定し絞り込んでいく方針に転換しました。
これを受けて経済産業省は、地質や法律の専門家、市民団体の代表などを集めた専門家会議で議論を始めました。
経済産業省の担当者は、火山や活断層の近くを除外する従来の地質的な観点に加え、人口密度や輸送のしやすさなども考慮した「科学的有望地」を示すことや、その地域で合意を得ていくための仕組みや支援策を会議で検討する考えを示しました。
委員からは「適さない地域を除外するのか、より適した地域を選ぶのか」といった質問や「科学的と言っても、公平に選ばれたのか理解されないと国民の信頼は得られない」といった意見が出され、今後具体的に検討することになりました。
全国の原子力発電所には、使用済み核燃料が高レベル放射性廃棄物にして2万5000本分たまっていて、処分の行き詰まりは原子力最大の課題と言われています。
このため日本学術会議の分科会は「核のゴミの暫定的な保管施設を電力会社の責任で確保することを原発再稼働の必要条件にすべき」とする報告書をまとめ、この問題にめどをつけないまま原発を動かすことに懸念を示しています。
専門家会議の増田寛也委員長は「有望地が選定されたらそれで決まりということではなく、次の調査に進む入り口だ。合意を得ていくうえで人口密度などの社会的な条件は非常に重要になるので、結論を出す時期は決めていない」と述べ、議論を尽くす考えを示しました。

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