核のごみ:最終候補地、11月にも選定基準 専門部会

毎日新聞 2014年10月23日 11時19分

 原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場について、経済産業省資源エネルギー庁の専門部会(委員長・増田寛也元総務相)は23日、候補地の選定基準の基本方針を来月中にまとめることを決めた。政府が今後、処分場候補地を絞り込む際の判断材料とする。

 基本方針は、この専門部会とは別の作業部会で審議する。地層の安定性などの科学的観点のほか、候補地周辺の人口密度がどの程度なら受け入れ可能になるのかや、廃棄物の輸送手段を確保できるのかといった社会的な観点からも検討する。

 処分場を巡り、政府は(1)火山から半径15キロ圏内(2)活断層の近く(3)過去10万年に300メートル以上隆起した地域−−などについては候補地から外す除外基準をすでに決めている。

 一方、この日の専門部会では、処分場受け入れ自治体に対する経済的支援策のほか、地元での合意形成を進めるための枠組みの整備についても検討することを決めた。雇用創出など持続的な発展を促す地域振興策を整備し、処分場を受け入れる自治体の負担感を解消する狙いがある。

 現在、国内の使用済み核燃料は約1万7000トン。政府は昨年末、国が前面に出て候補地選定に取り組む方針に転換したが、具体的な手順やスケジュールは決まっておらず難航が予想される。【中西拓司】

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