政労使会議:年功賃金見直し、首相改めて促す

毎日新聞 2014年10月22日 22時25分

 政府は22日、経済界、労働界の代表と賃上げなどを協議する政労使会議の今年2回目の会合を首相官邸で開いた。安倍晋三首相は「賃金上昇がなければ経済の好循環を生み出せない」とさらなる賃上げを求める一方、「賃金水準と体系両方の議論が必要だ」と述べ、年功序列の賃金体系の見直しを検討するよう改めて促した。ただ、連合の古賀伸明会長は会議後、記者団に「年功序列自体が否定されるかは、いろいろな角度から検討が必要だ」と慎重な姿勢をにじませた。

 同会議では、年功序列の要素を無くした賃金制度を導入した日立製作所、ポストに応じて給与を決めるパナソニック、成果型の賃金体系を導入したホンダの3社が自社の取り組みを紹介した。経団連の榊原定征会長は会議で「従来型の年功的な賃金制度を維持している企業は、仕事、役割、貢献度に基づく賃金体系に移行することが望ましい」と述べ、賃金体系の見直しに前向きな意向を示した。

 甘利明経済再生担当相は会議後の記者会見で「働く側も意欲的なチャレンジをするシステムが必要だ」と労働側に取り組みを求めた。【念佛明奈】

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