霧島連山 硫黄山に噴火警報 火口から1キロ入山禁止 [鹿児島県]
福岡管区気象台は24日、霧島連山・えびの高原の硫黄山(宮崎県えびの市)に小規模な噴火の可能性があるとして同山の火口から半径約1キロ圏内(同市、鹿児島県霧島市)にレベル2(火口周辺規制)に相当する噴火警報(火口周辺警報)を発表した。同山での噴火警報は初めて。えびの市は半径1キロ以内への立ち入りを禁止した。防災無線などで呼び掛けている。宮崎県は、県道などの封鎖を検討している。
硫黄山は、えびの高原に位置する標高1317メートルの火山。発表されたのは、5段階ある噴火警戒レベルのうち、下から2番目に当たる。火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生し、大きな噴石が飛散する可能性があるという。
同気象台によると、同山では昨年12月からわずかな地殻変動がみられたほか、今年8月20日に約7分間の火山性微動を観測。今月23日に開かれた有識者らでつくる火山噴火予知連絡会で「火山活動が高まっている」と判断された。硫黄山では300年以上、噴火はなく、噴火警戒レベルは設定されていなかった。
情報を受け、宮崎県は午前10時から防災ヘリで、硫黄山周辺の登山者にただちに下山するよう呼び掛けた。上空からは山頂などを歩く数人の登山者や、周辺の駐車場に40~50台の車を確認したという。県は登山者の下山を確認後、硫黄山そばの県道1号(えびのスカイライン)を封鎖するか検討している。
気象庁によると全国にレベル2の火山は5カ所。九州では桜島、口永良部島がレベル3、阿蘇山と霧島連山・新燃岳(しんもえだけ)、諏訪之瀬島がレベル2。戦後最悪の火山災害となった9月末の御嶽山(おんたけさん)(長野・岐阜県、3067メートル)では、当時、警戒がレベル1(平常)に設定されていたことが問題視されていた。
=2014/10/24付 西日本新聞夕刊=