水沢健一、贄川俊
2014年10月24日09時32分
親族を養う人の税負担を軽くする扶養控除。この制度を海外の多数の親族に利用する納税者を会計検査院が調べると、約7割が所得税を納めていなかった。国内の親族は続き柄や所得がないことなどを自治体で把握できるが、海外に住む親族については証明書類の提出義務はなく、届けを信じているのが現状だ。検査院は「公平でない」として、財務省に制度の見直しを検討するよう求める方針だ。
扶養控除は、配偶者を除く16歳以上の親族で年間所得38万円以下の人が、納税者と同じ家計で生活する場合に適用される(中学生までは児童手当がある)。1人あたり38万~63万円を納税者の所得から差し引いて申告できる。
検査院は、全国524税務署のうち124署の記録をもとに、2012年に扶養控除額が年間300万円以上と多額だった約1400人を抽出。すると、9割を超える約1300人に海外に住む親族がいて、国内も含む扶養対象の親族は平均10・2人に上った。扶養親族が20人以上は約30人で、最大は40人だった。
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