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狂気の300馬力:乗り手を選ぶカワサキのスーパーバイク

カワサキが発表した新型スーパーバイクは、300馬力。この出力を可能にしたのは、川崎重工でガスタービンやジェットエンジンをつくる部署が担当した、専用設計のスーパーチャージャーだ。動画も紹介。

 
 
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TEXT BY ALEXANDER GEORGE
PHOTOS BY KAWASAKI
TRANSLATION BY KENJI MIZUGAKI/GALILEO

WIRED NEWS (US)

バックミラーのように見えるカーボンファイバー製の部品は、高速域でバイクを安定させるためのエアロパーツ。

300馬力のモーターサイクルを必要とする人はいない。本気で欲しがる人間がいるかどうかも疑わしい。だが、カワサキがそんなバイクの創造に挑戦し、「ニンジャH2R」をつくり上げたことは、喝采をもって迎えたい。

この恐ろしいほど常軌を逸した(あるいは、常軌を逸して恐ろしい)ルックスのバイクは、市販車としては地球上で最もパワフルで、エンジンには現代の量産車ではあまり例のないスーパーチャージャーを備えている。スーパーチャージャーの設計は、カワサキ(川崎重工)の一部門で、ジェットエンジンの製造を主な業務としている部署が受け持った。

ニンジャH2Rは2014年9月に発表され、10月16~19日にフロリダ州オーランドで開かれた全米国際モーターサイクルエキスポで北米に初上陸した。

パワーユニットは、鋼管トレリスフレームに抱えられた998ccの直列4気筒。300馬力が車軸出力なのか、クランク軸出力なのかは、もはやどうでもいいだろう。300馬力という出力は、これまで二輪界の王者だった「BMW S1000RR」より馬100頭分以上も強力で、ダニ・ペドロサやヴァレンティノ・ロッシが駆るロードレース世界選手権MotoGPクラスのレーシングバイクのパワーをも上回る。

見た目にはコンパクトなエンジンから、それほどのビッグパワーを絞り出すために、カワサキが採用したのが遠心式スーパーチャージャーだった。そのサウンドは、カワサキの公式YouTubeチャンネルにある以下の動画で聞くことができる。

H2R専用設計のスーパーチャージャーを担当したのは、川崎重工のガスタービン・機械カンパニーだ(同社は社内カンパニー制を採る)。毎分の回転数が10万の桁に達する速度で滑らかに回転するインペラーが必要とされるとき、ジェットエンジンに精通した人々にエンジニアリングを任せられるのは、心強いことに違いない。また、時速320kmを超えるマシンにとって重要なファクターとなるエアロダイナミクスには、同社の航空宇宙カンパニーも参加した。


 
 
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