【ロッテ】京大初のプロ誕生へ!ドラ2田中、内定の三井物産におわび
創部116年の京大から、初のプロ野球選手が誕生する。現役合格して工学部に在籍する最速149キロ右腕の田中英祐投手(22)がロッテの2位指名を受けた。大手総合商社・三井物産の就職内定を辞退し、プロの世界へ飛び込む決意を口にした。またロッテは、1位指名で大学NO1内野手の早大主将、中村奨吾(22)を一本釣りした。
歴史が動いた。1898年に創部された京大野球部の選手が、初めてドラフトで指名された。ノーベル賞受賞発表にも使われた会場で、田中は報道陣100人超、テレビカメラ15台の前で「すごくホッとしています。ドラフト2位で、すごい高い評価をしていただいた」と感謝の言葉を並べた。
ロッテの2位指名を受けた。「東大&京大勢」というくくりで見ると、1966年に中日から3位指名された東大の井手峻を上回る最上位となった。「伊東監督は現役時代に捕手で活躍されていた。いろんなことを学んで、自分のレベルを上げていきたい」と抱負。千葉のイメージについては「関西から出たことがないので、東京ディズニーランドが一番に思い浮かぶ」と苦笑いした。
工学部での卒論テーマは「SFA(surface force apparatus=表面力測定装置)における水和構造の逆計算理論」。一般人からすれば「?」だ。この日は担当教授からドラフトに備えるよう気遣われ、トレーニングをして待った。ドラフト開始5分前は「本当に指名があるのか不安だった」という。大学の合格発表時との心境の違いを聞かれ「京大の時は確認するだけの作業だったんですけど、今回は待ってる時間が長くて疲れました」と本音がこぼれた。
内定企業へのおわびもあった。「指名がなかった場合、総合商社の三井物産さんに内定をいただいていた。この時期までプロと迷っている僕に選択肢を残していただいたので、この場を借りて『ありがとうございます』と言いたいです」と感謝を示した。
東大出身で最も長く現役を続けたのは井手の10年で、最多勝は新治伸治(元大洋)の通算9勝だ。「1年目に一つでも多く1軍で投げられるようにしたい。長く活躍できる選手になりたい」。国内大学最多6人のノーベル賞受賞者を輩出した誇りにかけて、赤門を超える活躍を誓った。(伊井 亮一)
◆田中 英祐(たなか・えいすけ)1992年4月2日、兵庫・高砂市生まれ。22歳。小学4年時に軟式の塩市少年野球団で野球を始め、白陵中で投手に転向、白陵高では1年秋からエース。京大工学部に現役合格後、1年春からレギュラー。通算8勝31敗、防御率2・25。13、14年の秋季リーグでベストナイン、14年秋季に関西学生野球連盟特別功労賞。180センチ、75キロ。右右。