ひとりぼっちの姿を頻繁に目撃され、大いに話題になった俳優キアヌ・リーヴス。彼は今、映画界からもお声がかからなくなったようだ。
Text: Masako Iwasaki
キアヌ・リーヴスがひとりぼっちの写真に世界中の人々が驚いた。2010年5月22日撮影の一枚である ©Splash / AFLO
キアヌ・リーブスはかつて、同世代の中でも突出したアクション俳優であり、ヒット請負人であった。「スピード」や「マトリックス」三部作の成功が何よりの証拠だ。しかし最近ではブロックバスター作品に姿を見せることはほとんどなくなり、数少ない出演作の1つ「47RONIN」は興行収入が製作費に届かず、初監督作「ファイティング・タイガー」(2013)の評判も散々なものに終わった。そんな彼がIndiewireのインタビューに応え、「マトリックス レボリューションズ」(2003)以降、メジャースタジオからのオファーがほとんどないことを認めた。
「最後にスタジオ映画に出たのは『47RONIN』だったけど、それまでかなりの期間が空いている。たぶん、『地球が静止する日』以来じゃないかな。スタジオからの出演オファーはもうほとんどないんだ。それでいいのかって?そんなわけないだろ。最悪だよ。でもそうなっちゃったんだよな」
「マトリックス」シリーズはワーナー・ブラザース、「地球が静止する日」は20世紀フォックス、「47RONIN」はユニヴァーサル・ピクチャーズの製作だが、それ以外の出演作はほとんどがインディペンデント映画だ。この状況にリーヴスは不満を持ってはいるが、小作品への出演を嫌っているというわけではないようだ。
「いい経験もいやな思いもしたけれど、スタジオには資源があり、それを元に作品の世界を作り上げることができる。明らかに、すぐれた映画人はスタジオ映画に携わっているだろ。僕はいつも前進していたいんだ。ものを作り、物語を紡ぎ続けたい。僕にはそれができる。俳優としても、監督、プロデューサーとしてもね。スタジオ映画とインディペンデント映画を両立したいんだよ」
来年1月公開の最新作「John Wick」では、引退した殺し屋を演じている。往年のアクションも復活し、前評判も上々だという。ここ数年はひとりぼっちでベンチに座ってランチをしたり、暗い詩集を出してみたり、薄汚れた格好で半路上生活を送ったりと、有名人らしからぬ行動でネットの人気者となったリーブスだが、映画人として再ブレイクする日も近いのかもしれない。
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