A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。アングラ好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【頭脳警察だけじゃない!】祝デビュー45周年。カルメン・マキの分裂症的女子道のススメ

2014年06月06日 00時08分54秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界



Good Times, Bad Times
〜History of Carmen Maki〜

デビュー45周年!
何にも縛られず、オーバーグラウンドとアンダーグラウンドを自在に行き来した歴史の中から、自らがベストチューンを選曲。
自身の半生を振り返るセルフライナーノーツ、未公開写真を含めた究極のベスト!
2014年最新リマスター CD3枚組 全43曲 監修:カルメン・マキ

カルメン・マキ(旧本名:Maki Annette Lovelace、1951年5月18日 - )63歳


頭脳警察デビュー45周年の今年は全日本ロック女子の姐御カルメン・マキにとってもデビュー45周年である。寺山修司の天井桟敷に所属し、1969年に寺山作詞の「時には母のない子のように」でデビューし、一躍大ヒット、紅白出演を果たした時代の寵児。清楚且つ妖艶な美貌は、まさしくアングラ&カウンターカルチャーの女神様。



70年代突然ロックへと転向。ロケンロー、ブルース、ハードロック、メタル、プログレと70年代ロックの王道を突き進み、サディスティック・ミカ・バンドと並ぶ人気バンドとして活躍したカルメン・マキ&OZ。どちらも女子ヴォーカルだったから、ジャップロックのベースは女子が作ったと言っても過言ではないかもしれない。特にマキの伸びやかなシャウトは、イアン・ギランやロバート・プラントを真似ても貧相にしかならない男子を尻目に、ロック女子のパワーを世に知らしめた。



ニューウェイヴ勢にヘヴィメタで対抗し孤軍奮闘した80年代を経て、90年代以降はロック、バラード、アコースティック、ジャズ、インプロ、ポエトリー・リーディングとジャンルに束縛されない音楽活動を続け、極めて自由度の高いスタンスを貫く。2012年の最新作『FROM THE BOTTOM』では、70年代への想いや阿部薫への追想など、タイトル通りアンダーグラウンドの闇から沸き上がる深い感情を歌い上げた。ジャズ系の小さな会場を中心とした最近のライヴでは、フリー系のミュージシャンとの共演が多く、かつてのロックの女王とは異なる魅力を発揮している。



そんなマキのパブリックイメージは「アングラ・フォーク歌手」と「ロックの女王」に二分される。どちらか一方のイメージに偏ったこれまでの再発やベスト盤では、彼女のスキッツォイド(分裂症)&アンビバレント(両向性格)なスケール感を捉えることは不可能だった。しかし、マキ本人の選曲・監修による此の3枚組アンソロジーには、知識として理解しても経験・体験出来なかったマキの全軌跡がドキュメントされている。マキ自身によるセルフ・ライナーノーツには、選曲コンセプトと背景・理由が詳細に記されている。売らんが為に有名曲を寄せ集めた安易な「ベスト盤」ではなく、カルメン・マキという希有な魂の鼓動が息づく「新作」といえるに違いない。



寺山修司繋がりでもあり、昭和40年代後半アングラ女子の象徴として思い浮かぶのが、もうひとりのマキ、浅川マキ(1942年1月27日 - 2010年1月17日 満67歳没)である。カルメン・マキは自身のブログで、9歳年上のマキ界の女王との想い出を綴っている。

私が初めて「浅川マキ」を観たのは、私が「時には母のない子のように」で歌手デビューする直前の1969年の冬、今は失きあの伝説の「新宿アートシアターギルド(ATG)」の地下「蠍座」だった。あの時の衝撃を私は多分一生忘れないだろう。その少し前に出会った天井桟敷の芝居「青髭」や、その少し後に聴いたジァニスの「チープ・スリル」、ジミ・ヘンドリックスの「Are You Experience?」と同様に、それはその後の私の人生を変えるきっかけとなるものだったと言ってもいい。
だから怖れ多くも「かもめ」を歌うことには当然、随分と勇気が要った。浅川マキファンに申し訳ない、比べられるのではないか、などと悩み、自信もなかった。けれど、そんな私を後押ししてくれたのは意外にもマキさん本人だった。「あの歌を歌えるのはマキしかいないでしょ」大マキ姉さんにそう言われて、私は安堵したと同時に、ただ好きで歌いたかっただけのあの歌が私にとって、もっと大きな意味をもつようになった。(2007年7月31日)


デビューから亡くなるまで一貫して黒とタバコに拘った大マキ姉さん(浅川マキ)と、華やかなスポットライトから再び地下へと戻り、スピリチュアルな歌を唄うカルメン・マキ。両者のイメージがお互いに滲んでひとつの大河となっての流れ出す瞬間(とき)がいつか来るかもしれない。




45年間
いいことばかりじゃ
ありゃしない

カルメン・マキ
6月ライブ情報
★6/14(土)〖仮構線〜共有の彼方〗
出演:Painter Kuro(会場装飾、ライブペインティング)桜井李早(歌と朗読)
ゲスト・・・カルメン・マキ(歌と朗読)桜井芳樹(ギター)坂本弘道(チェロ)
会場:吉祥寺「MANDA-LA2」 0422-42-1579
お問い合わせ:ハート・トゥ・アート 090-9301-3700(渡辺)

★6/22(日)「音の泉を覗いてみよう#4」〜音はどこからやって来るのか〜
〜Music LA FESTA Presents〜
出演:カルメン・マキ(歌と朗読)桜井芳樹(ギター)太田恵資(ヴァイオリン)
会場:MUSIC LA FESTA「FUN」(限定50名様)
開場:17時30分/開演:18時
お問い合わせ:MUSIC LA FESTA 055-967-3211

★6/30(月)〜JAZZ & SOULPOPS NIGHT〜@荻窪「ルースター」
出演:カルメン・マキ(vo)高樹レイ(vo)類家心平(tp)羽仁知冶(pf)瀬尾高志(b)竹村一哲(d)
開場:19:00開演20:00 3setで終演は22:30予定 03-5347-7369

LED ZEPPELIN






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カルメン・マキ ライナーノーツ アンダーグラウンド フォーク歌手 パブリックイメージ 1942年 ジミ・ヘンドリックス ルースター スピリチュアル ポエトリー
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4 コメント

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カルメンマキ (辺)
2014-06-06 00:16:45
カルメンマキさんのブログで灰野敬二さんのライブに行った
と記載されているものがあって久々に探したんですが無かったのでこれを。 http://homepage3.nifty.com/TAKEDA/live2003-1/20030112.html

ロストアラーフ時代によく対バンしていたようですね。
MAKI (miro)
2014-06-06 00:55:33
辺さん

昔何かのインタビューでマキさんが灰野さんに言及していた覚えがあります。マキさんがひとつ年上なので、お姉さんっぽい発言だったと。

このCD、ライナーや写真も素晴らしいのでぜひ。
灰野君 (haragaki)
2014-06-06 21:14:22
辺さん、これを忘れてますよ。
https://twitter.com/khachi54/status/439802800147402752

あとこれも。
https://twitter.com/IJR_takahashi/status/472314963038453760

この「風小僧」と「怒った顔が忘れられない」を合わせるとなんともいえず70年代的で、なんだか永島慎二や安部慎一の漫画の風景の中に灰野さんが佇んでいるようで頭がクラクラします。ああ、一度でいいからロストアラーフが見たかった・・。
haragaki様 (辺)
2014-06-07 03:25:46
ありがとうございます!
70年代と灰野さん、2010年代でも現役バリバリやられているので凄い不思議な感じ。

この映像でGSのような格好をしている灰野さんとロストアラーフの映像は観れます。
https://www.youtube.com/watch?v=BhLYUrJNhyA
https://www.youtube.com/watch?v=mFmL6D8dCIQ

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