簡単にオンラインストアを作成できるサービス「STORES.jp(ストアーズ・ドット・ジェーピー)」を提供するブラケットは、2013年8月にZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイの完全子会社となってから早くも1年が経過した。
両社が共同で行っている事業としてまずあげられるのが、2013年1月にオープンした「ZOZOMARKET(ゾゾマーケット)」がある。こちらは、プレス発表もされたためご存知な方も多いだろう。そして、もう1つ共同事業として2014年3月に開始したサービスがある。それが今回紹介する「STORES.jp PRO」だ。
「STORES.jp PRO」はZOZOTOWNに出店するアパレルブランドを対象としたサービスだ。ZOZOTOWNに出店している店舗であれば、「自社EC立ち上げボタン」と呼ばれるスイッチをオンにするだけで、瞬時に自社ECサイトを立ち上げることができるというものだ。
商品情報はすべてZOZOTOWNからコピーされるため、すぐに販売を開始することが可能。在庫データはZOZOTOWNと連動し、商品が売れた場合にはZOZOが発送までを代行してくれる。
機能面でも「STORES.jp」のハイスペック版となっており、カスタマイズ性や予約販売が可能であることなど、アパレルブランドが必要な機能を備えたものになっている。
採用しているブランドとしては、「HYSTERIC MINI(ヒステリックミニ)」や「vanessabruno(ヴァネッサブリューノ)」があげられる。
サービスに関しては「STORES.jp PRO」を紹介する動画を見ると、イメージがわかりやすいかもしれない。
STORES.jp PRO 紹介ムービー from Stores.jp on Vimeo.
ブランドにとって負担の少ない「STORES.jp PRO」の仕組み
ZOZOTOWNには2,000ブランド以上が出店しているが、意外にも自社ECサイトを展開していないブランドが多いという。ZOZOTOWNには、いわば売れているブランドが顔を揃えているはずだが、なぜ自社ECサイトを展開しないのだろうか。それには、いくつかのハードルが理由となっているようだ。
まずあげられるのが開発コスト。自社ECサイトを構築するために外注することを考えた場合、数百から数千万円の費用がかかる。まずこのコストが壁となるようだ。
そして、これをクリアしたとしても、運用体制を社内に構築しなくてはならないのも大きな壁となる。在庫を管理し発送するための物流拠点や人員のことを考えなければならないのだ。
そして、もう1つ大きな理由がある。それは商品写真の撮影だ。商品の入れ替わりが激しいアパレルにとって、商品の写真撮影は大きな負担となる。数百点から数千点の商品撮影を自社でこなすのはなかなかの作業だ。
「STORES.jp PRO」は、これらの問題をクリアしたサービスといえるだろう。まず開発するための初期費用は不要だ。「STORES.jp PRO」でかかる費用は、月額の利用料と倉庫の利用料のみとなる。
商品が売れた場合には、ZOZOが発送を行ってくれるため、物流面での問題もない。在庫データはZOZOTOWNと連携するため、管理する負担も少ない。
そして、ZOZOTOWNに出品していれば、すべての写真がZOZOによって撮影済みとなるため、商品撮影も不要だ。
もちろんデザインのカスタマイズが可能なので、独自の世界観を作り上げることができるし、購入した顧客へのアプローチもダイレクトに行うことができる。
ZOZOTOWNと自社ECで在庫を分散させずに一元管理することができる点が、利便性をかなり高め、他にないサービスになっているように思える。ZOZOTOWNにとっても、在庫を多く預けてもらうことができるため、在庫不足による機会ロスを減らすメリットが生まれる。
ZOZOTOWNに出店するブランドにとってはかなり使い勝手の良いサービスといえそうだ。
ブラケットは「1ブランド、1EC」を目指し、さらなる機能強化に取り組んでいくとのことだ。
STORES.jp
https://stores.jp/
イイヅカ アキラ
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