2020年東京五輪の招致決定から1年、勢いに乗る訪日観光。2014年1‐8月の訪日外客数は前年同期比25.8%増の863.7万人。2014年4‐6月期の外国人延べ宿泊者数は前年同期比32.1%増の1174万人泊となり、延べ宿泊者数全体に占める外国人宿泊者数の割合はついに10%を突破しました。
素晴らしい数字ですが、気になっていることがあります。一つは「キャパシティオーバー」、もう一つは訪日「地域格差」問題です。
東京や大阪、地方でも勢いに乗って訪日客数の記録を更新、躍進する地域がある一方、出遅れて置いてきぼりを食っている地域も少なくありません。
2013年の宿泊旅行統計によると、全国47都道府県中、外国人延べ宿泊者数が10万人泊に満たない地域は15県。うち5万人泊に満たない地域が7県あります。ワースト3は、最下位の島根県の1万8980人泊、46位高知県の2万4820人泊、45位福井県の3万360人泊です。最下位の島根県の市場占有率はわずか0.05%に過ぎません。それぞれ観光資源がないわけではありません。にもかかわらず、都道府県レベルでどうしてここまでの格差が生まれるのでしょうか。
まず考えられるのは国内観光力との相関ですが、2013年の都道府県別延べ宿泊者数ランキングを見ると、必ずしもそう言い切れないケースもあります。