コラム:米国がイスラム国との宣伝合戦に勝てない理由
Peter Van Buren
[21日 ロイター] - 米国務省は、米国民らがイラクやシリアで勢力を広げる過激派組織「イスラム国」に参加しないためのプロパガンダを行っている。だがそれはお粗末で、時に皮肉的でさえあり、意図した効果は望めそうにない。
それはなぜだろう。そもそも国務省がイスラム国の勧誘方法を理解していないことが原因だと言える。
イスラム国のやり方は、アルコール依存症に苦しむ人々の相互支援団体「アルコホーリクス・アノニマス(AA)」と同じなのだ。
AAは広告でアルコール依存症者を勧誘するのではなく、彼らのためにどのような手助けができるかという点に焦点を当てている。つまり、もし彼らがAAからのサポートを望み、禁酒に向かって努力するとなれば、そこで初めて参加しなさいと伝えるのだ。
イスラム国も同様だ。プロパガンダでは手加減しない。頭部切断の映像を流したり、女性を奴隷のように扱って自慢したり、イスラム法にのっとった倹約生活を約束したりする。こうしたことを望んでいるなら、参加せよと言うのだ。イスラム国は積極的に深く関わりたいと望む人材を欲していると。
特にイスラム国のアル・ハヤト・メディアセンターによるものはプロ並みの仕上がりで、アラブ語圏以外の人を対象とした映像などが制作されている。
そうした戦略は、数字にばらつきはあるものの、功を奏しているように見える。12人から300人の米国民がイスラム国に参加したとみられる。また、欧州とアラブ諸国での募集も好調だと伝えられている。タリバンから外国人参加者を奪っているという声も一部にあるぐらいだ。 続く...
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