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警察勾留中の中国人死亡 栃木県、3800万円支払いで遺族と和解
栃木県警鹿沼署で平成23年12月、勾留されていた中国籍の劉忠勝さん=当時(30)=が死亡したのは適切な医療を受けられなかったためとして、遺族が県に約1億円の損害賠償を求めた訴訟が21日、宇都宮地裁(岩坪朗彦裁判長)で和解した。県は遺族に和解金3800万円を支払う。
遺族代理人の米山健也弁護士は「金額的には納得いかないが、県警に責任がある和解だと認識している。今後、留置管理体制の見直しを考えてほしい」と話した。県警の小林充首席監察官は「今後とも留置施設の厳正な運用に努めたい」とコメントした。
訴状によると、劉さんは23年12月26日、建造物侵入の現行犯で逮捕され鹿沼署の留置場に勾留された。持病の糖尿病のため、主治医に2種類の薬を処方されていたが、同署留置管理課員らが主治医への確認を怠り、警察医の診断に基づいて薬を1種類しか処方せず、4日後に死亡させたとしている。