えびの高原 活動高まり推移注意10月23日 23時03分
霧島連山の北西側にあるえびの高原周辺の火山活動について、火山噴火予知連絡会は、「火山活動が高まっているため推移に注意が必要で、今後、状況によっては噴火が発生する可能性がある」とする検討結果をまとめました。
専門家などで作る火山噴火予知連絡会は23日午後、気象庁で定例の会合を開き、日本各地の火山活動について検討しました。
このうち霧島連山のえびの高原では、去年12月ごろから韓国岳や韓国岳の北西側に当たる硫黄山の周辺で、体に感じない火山性地震がたびたび発生しています。
さらにことし8月には、硫黄山付近を震源とする火山性微動が7分間にわたって継続し、それに伴って山の北西が隆起するような地殻変動も観測されました。
このため火山噴火予知連絡会は「火山活動が高まっているため、推移に注意が必要だ。噴気や火山ガスなどが突然噴出したり、今後の状況によっては噴火が発生したりする可能性もある」という検討結果をまとめました。
また霧島連山の新燃岳については、平成23年9月を最後に噴火は発生していませんが、地殻変動のデータからは、北西側の地下深くにあると考えられるマグマだまりが去年12月ごろから膨張する傾向がみられることから、「小規模な噴火が発生する可能性があり、火口から1キロ程度の範囲では引き続き大きな噴石に警戒が必要だ」という検討結果をまとめました。
火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長は「霧島連山にはマグマが集積し、いろいろな火口があるので、どこから噴火しても不思議ではない。えびの高原でも地殻変動がみられ、注目する必要がある」と話しています。
また、えびの高原の現在の状態が「平常」のままとなっていることについて、気象庁の北川貞之火山課長は「来週から開かれる火山情報の提供に関する検討会の中で“平常”という表現の在り方についても議論していきたい」と述べました。