2014年10月23日木曜日

セガは早すぎたから失敗したのではない。

セガの話の前にこちら。

技術と時機 | Preferred Research

(1)時機を見極めるのは専門家でも難しい。しかし勝負をしないと舞台に上がることすらできない。

(2)成功してからの後追いは自分でゲームを変えられるぐらいでないと難しい。しかも成功している方は100倍ぐらいの差はあっという間につけることはできる

(3)成功する時機のスイートスポットは半年〜1年である。それより前より後でも成功することは難しい

(4)一方で準備は数年前からはじめていなければならない

 新技術とその投入タイミングはこんなにも難しいという話です。時機を見極めるのは当の専門家でも難しいのに、やらないと舞台に上がれないけど、そのタイミングが早すぎても遅すぎてもダメで、でも準備は数年前からやらないといけない、、、あまりに矛盾が大きすぎます。

技術会社であるPFIの中の人らしい話ですが、僕は「技術」と「時機」は必要条件であってそれだけでは成功に至らないと考えます。むしろサービスにどういう「背景哲学」があるかどうかが最重要であって、そこに「技術」と「必要な時機」が引き寄せられると考えます。

この話は(3)のスイートスポットを取り除くと必然的に(1)の時機を見極める必要も無くなるので、「早すぎる準備をし続けたものだけが来たチャンスを一番最初に捕まえられる」とシンプルに出来そうです。


 準備をして数年後のスイートスポットなんて確かに専門家でも分かりません。振り返ってみればあの時が分水嶺だったというのは誰にも明白ですが、まだ誰も成功してない新サービスで市場を開拓するなら、そのインフラや関連技術や世界のいろんな動向まで予測しきれないです。

【あまりにも早すぎたサービス達】


 例えばTwitterのサービスは早すぎました。2006年当初はギークやネットに詳しい人しか使っておらず、芸能人や大統領が使うようになるスイートスポットに至るまでには数年間待つ必要があり、その間収入もなく、猫がメンテナンスしてる状態でした。

 Googleの検索サービス開始も早すぎて、しかもCEOとなるシュミットが来るまで広告も大反対しているので同じく収入がベンチャーキャピタルだよりの状態で大規模Webクロールとサーバー処理をさばいてます。

 Youtubeも早すぎです。創業以来Googleに買収されても単体では毎年莫大な赤字を垂れ流しつつ、Google所有のダークファイバーを使い現在の広告システムが受け入れられるまで長い道のりを歩いてます。

 Amazonも早すぎました。ずっと赤字のまま問屋価格のような安売りを続け、10年以上たってやっと利益が出る頃になっても全額を技術とインフラ投資にあてて利益を出しません。

 Microsoftなんて「最初に溺れろ」なんて標語があるぐらいフライングすぎます。Windowsも、Excelも、Wordも、IEも、DirectX(当時はGameSDK)も、Ver1.0の製品が全然使えないのです。Ver3.1とかVer5ぐらいでやっと安定します。

 Appleも同じく、「S」のつかない 3G以前のiPhoneがスマホとして完成されてなかったり、当時SSDが高価で40万近くしたMacBookAirを買った人は、約半年後にちゃんとSSD性能が発揮できて10万も安くなる2代目が出てくるなんて思いもしなかったでしょう。

 彼らはサービスタイミングのスイートスポットなんて気にしていません。製品やサービスが本来どうあるべきか。それを使って人々にどんな感情を与えれるかなど、背景哲学がしっかりしてるからとにかく先に舞台にたち、来るべき未来の準備をするのです。

参考:
Twitterのコミュニティ哲学とは?創業者の本の解説を書きました : けんすう日記


2010年にPFIは電通とXappyというサービスを始めました。
...
コアなユーザーはそこそこいたが一般に普及することはなくサービスは離陸しませんでした。スマホが爆発的に普及したのはその1年後でした。一方で今のSmartNews, Gunosyはここしかないというタイミングで離陸し爆発しました。

 Xappyが提供するはずの体験を信じるだけの背景哲学があれば、数年改善し続け電通仕込みのマーケティング調査と、スマホ普及に合わせた段階的なプロモーション展開でその分野のNo.1になれたかもしれません。

Xappy(ザッピー)(@Xappyofficial)さん | Twitter

 Twitterアカウント更新が2012年で止まっています。開発自体が止まったのはいつかわかりませんが、SmartNews や Gunosy がTVCMも打つほど躍進したのは今年なので、あと2年改善を続けてリードを広げてたら違う結果もあったのではないでしょうか?


で、本題です。


【セガは早すぎたのか?】


 よくネタにされる話で、アーケード全方位回転筐体の「R360」、カラー画面で遊べる携帯ゲーム機「ゲームギア」、家庭用大容量CDROMシステム「メガCD」、ドリームキャストに「標準モデム搭載」、開発費ギネス記録のオープンワールドゲーム「シェンムー」など、セガが早すぎた話には事欠きません。


【R360】


 今じゃたぶん風営法違反になりそうな「R360」は早すぎたというか、いまだR360に世間が追いついてないので、まあ置いときましょう。


【ゲームギア】


ゲームギア 本体 【ゲームギア】

 ゲームギアはゲームボーイのモノクロ液晶に比べてカラーだったのですが、アルカリ電池6本で3時間はちょっと起動時間短く重たかった印象です。それに比べると「枯れた技術の水平思考」なんておもちゃ哲学をもってた任天堂の方がコスト的にも総合的なユーザー体験も格上でした。

 【メガCD】


MEGA‐CD 本体 【メガドライブ】

 メガCDはワールドワイドで600万台売れ、その後の「セガサターン」へつながっていくので、先行投資としても良かったと思います。「シルフィード」や「夢見館」みたいな名作や「ナイトトラップ」「スイッチ」などの迷作もありますし。


【ドリームキャストの標準モデム】


ドリームキャスト本体


 ドリキャス標準モデムは確かに早すぎたといえるでしょう。一番活用されたのはオンラインRPGのPSOだったと思います。(個人的には初めてネットでカルドセプトが遊べて楽しかったのですが) 当時まだADSLも普及してなく深夜のテレホーダイタイムでつながるかつながらないかというインフラ状況は厳しく、ゲーム初心者でも簡単に手続きできるよう、isao.net というプロパイダ会社を新たに作ったりネット接続対応も莫大な費用の一部となっていました。


 しかし、ドリキャス撤退の発表は発売から2年2ヶ月後の2001年1月。実はこの8ヶ月後、2001年9月に YahooBBが誕生してADSLの価格破壊が起こります。後にADSL元年と言われる年で、ADSLサービスでは不可能と言われた3000円の価格を各社が追従し契約者増で採算が合うようになり、日本はこのずっと世界一ネット通信料が安い国となります。

 たられば話ではありますが、ドリキャスには神周辺機器ともてはやされたブロードバンドアダプタの発売がすでにあったので、ADSLへの対応が可能。ドリキャスで必須のグループプロパイダ、isao.net がブロードバンドゲームユーザーを大量に囲い込むことで長期的なネット投資が回収できた可能性もあります。ここへバーチャファイターや、従量KDDI専用回線だったストリートファイター3、連邦VSジオン等を定額で繋げたらどれだけ快適だったでしょうか。

 2年目の年末商戦で進退を決めるのではなく、あと1年。いや8ヶ月でも、ネットを信じてネット対応ゲームを中心に作ってたらゲームの月額課金と、プロパイダ料金でユーザーを囲い込む芽があったかもしれません。しかし、セガからのネット対応キラーソフトは撤退時点でPSOのみ。(バーチャロンもあったかな?)。つまりセガは初めから社の戦略が統一してなく、背景哲学が部署ごとにバラバラなのが問題でした。

 これはバーチャファイターという名作を生み出しておきながら、家庭用アーケードスティックの作りがしょぼいとか、アーケードで業界最先端3Dゲームを作っておきながら、サターンは当初究極の2Dマシンとして設計されたとか、セガがやるべき3Dワークステーションの100倍のコストダウンを狙ったのがライバルのプレイステーションだとか、ネットワーク標準装備のドリキャスに遊べるネットゲームがないとか、CDROMの流通がカセット時代からあまり改善されてないとか、全部署がバラバラの方向を向いてたように思います。



【シェンムー】


シェンムー1通常版


(さすがに2世代以上前のゲームだと表情が硬いか?)


(幻のセガサターン開発Verのシェンムー。サターンのくせに顔のアップに切り替えるモデリング凄いw むしろこれぐらいの人形劇の方が違和感ないような。)


 1作目で70億、開発も慣れボリュームアップしたシェンムー2でも20数億かかってるとWikipediaにあります。それで100万本も売れてないのだからまさにチャレンジするには早すぎるオープンワールドゲームでした。ソフト面ではセガ最大の失敗作といえるでしょう。ですが海外では「2000年度・最も革新的なゲーム」という栄誉をもらったそうです。ドリキャス撤退の件もありここでセガはシェンムーの続編を諦めました。

 そして、シェンムーから2年後にアメリカのRockstarGames社からPS2でオープンワールドゲームの本命が出ます。「グランドセフトオート3」という1500万本売るモンスタータイトルです。ここで日本の開発者が「GTAはすばらしい」というと、海外の開発者から「何言ってんだ、最初にシェンムーがあったじゃないか。」と言われるほど「シェンムー」が実現したことはエポックだったのです。

 これもたられば話ですが、シェンムーのようにゲームソフト1本で完結しないことが分かってる連作ゲームなんてものはそもそも売れません。映画タイトルにわざわざ序章とか第1章とかつけないのと同じ理由です。売上も右下がりになります。中国を舞台に1作目で完結させてから2へ話を広げるべきでした。それなら1作目の売上も変わるし、2作目を全然違う世界観へピボットさせることも可能です。昨今のゲーム業界から逆算してもあのタイミングでのオープンワールドゲームはベストタイミングでした。

 であれば、RockStar社が次に1000万本以上売るオープンワールドゲーム「レッド・デッド・リデンプション」を起ちあげたように、あの時点でセガは「シェンムーエンジン」としてオープンワールドゲームのフラグシップが取れる可能性がありました。1作目の70億が、2作目は3倍以上のボリュームアップで20数億に収まってます。ならば「シェンムーエンジン」の3作目コストパフォーマンスはもう少し期待できるでしょう。このノウハウの蓄積を「大成功」と捉える人はいなかったのでしょうか? ドリキャス撤退でお通夜モードのセガにそんな余裕はなかったのでしょうから仕方ないといえば仕方ないのですが。


シェンムー2 (通常版)

 シェンムー2は撤退発表から9ヶ月後の発売でみんなの熱も冷め売上こそ15万本でしたがとても面白いゲームでした。PS2用にエンジンを作りなおすのは無茶かもしれませんが、3作目に全章が入った完全版を出すなり、違う世界観で勝負したら面白かったと思います。あまりにダメージが深かったのか4年後の「龍が如く」までセガは自ら開拓したジャンルで沈黙してしまいましたが。

大ヒット御礼!『龍が如く5 夢、叶えし者』国内出荷50万本突破! そして、『龍が如く』シリーズ全世界出荷累計も600万本を突破!! | トピックス | セガ 製品情報


龍が如く5 夢、叶えし者

 シェンムーのノウハウも引き継がれたであろう「龍が如く」 は、毎年新作を発表し常に50万本は売り上げるというひとつの稼ぎ頭に成長しました。とはいえ今のところ日本市場向けの作品。シェンムーの悪夢が忘れられないセガにとって「龍が如く」のGoサインが降りたのは、RockStarGamesによるオープンワールドゲームの成功例と、龍が如くチームの徹底的なコスト管理によるものでしょう。しかしオープンワールドゲームの実現はもう目新しくもなく、シェンムーから4年間のブランクは海外他社が追いつき追い越すには充分な時間でした。

 (2)成功してからの後追いは自分でゲームを変えられるぐらいでないと難しい。しかも成功している方は100倍ぐらいの差はあっという間につけることはできる

まさに、成功したRockStarGamesとセガの関係にはこれが当てはまるように思えます。



【早すぎたプレイステーション】


 サターンが究極の2Dマシンを目指して開発が進められた時、CGワークステーションをゲーム機価格に落とし込もうというプレイステーション1のコンセプトはあまりに早すぎました。スーパーファミコンになれたゲーム開発者に話をしてもみんな3D映像でどうやってゲームを作っていいかわからないからです。正確には箱やステージを3Dで作れても、魅力的なキャラクターや「人」を3Dで表現する方法がわからなかった。大半の開発者が3Dソフト開発をイメージできないのであまりに早すぎたのです。開発会社はみんな任天堂の次世代機が出るのを待ってたのでほとんど相手にしてもらえませんでした。まだアーケードの最新マシンでやっとテクスチャのないレースゲームができるかどうかが実現されたところだったのです。

 そんな時にアーケードに出てきたのが、セガの「バーチャファイター」です。難しいと思われていた「人」をしかも最新の格闘ゲームとして実現し大ヒットさせました。キャラクターのモーションを3Dできちんと表現し、しかも大ヒット可能だということをセガが証明したのです。「バーチャファイター」はプレイステーションを開発会社に売り込もうとしてたSCEにとって最高のプレゼンテーションになったと語られています。



 このとき、アーケードでセガのライバルだったナムコの協力を得たのも追い風でした。アーケードを舞台にセガと切磋琢磨してたナムコのソフト群が無ければプレイステーションはセガに勝てなかったでしょう。でもプレイステーション開発当初はセガのバーチャファイターどころか鉄拳もリッジレーサーもなかったわけで、この段階でソフト開発社のあてがない3DCGゲームの夢を描くのはやはり早すぎました。しかし、チャンスは早すぎる準備をしていたものが一番最初に掴むのです。


【セガは早すぎたのではない。自らのコンセプトに世の中がすぐそこまで追いついて来てたのを最後まで信じきれなかったのだ。】


 サターンが当初究極の2Dマシンとして開発スタートしたのは仕方がないでしょう。その頃まだCGのアーケードゲームはなく、後に開発したアーケードのMODEL2基盤でも高価過ぎる上、半透明テクスチャも使えないまだまだ発展途上の機種でした。CGワークステーションをゲーム機に落とし込もうとしたPSの設計者、久夛良木健の目指すアーキテクチャの方がもっと早すぎる未来を見据えてました。むしろその状態からバーチャ2のすばらしい移植などを達成し数々の検討をしたサターンは特筆に値すると思います。

 しかし、ドリキャスのネット対応とそのための周辺費用は後発のPS2よりもずっと先見の明がありました。そこまでしていながらソフトの準備をして来なかったのは、ネットの普及を待ってたから。ネット対応が早すぎたのは確かです。しかし常時接続のゲーマーが揃ってくるのは撤退を発表した年からでした。

 売り方、まとめ方は間違えましたが、大規模なバジェットによるオープンワールドゲームのチャレンジもずっと先見の明がありました。商品として今回は失敗したけど、オープンワールドゲームエンジンとしては大成功だという自分達の進む道を信じて、すぐさま世界展開への失敗の分析とPS2への再挑戦を信じていたらどうだったでしょうか。これもRockStarGamesが大成功したから言えることであって、社長交代があって、オープンワールドの成功例もない当時にそんな事思える人は少なかったでしょう。僕も結果が出た今だからこそ言えるのであって、もし当事者ならとても信じきれなかったかもしれません。


1ユーザーとして僕も期待してたドリームキャストの結果は残念でしたが、

【早すぎる準備をし続けたものだけが来たチャンスを一番最初に捕まえられる】 


ことには違いないと思います。

気をつけるとしたら

自分達のコンセプトや背景哲学を未来にあるべき姿だと徹底的に考え抜いたか?

その背景哲学、未来がどうあるべきかを成功するまで柔軟に調整し信じきれるか? 

それを全社で共有しているか?

もしそのビジョンを共有できずバラバラに動いてたらそのチームは勝てない。
信じてなければ目の前のチャンスにも気づかなくなる。

挑戦を続けるためにはバジェットで勝負するのではなく知恵で勝負する。
(シェンムーはサターン版で一度発売して反応を見る手もあったはず)

などが挙げられるでしょうか。

 ムーンショットというケネディが起ちあげた月へ到達する計画がありますが、月は誰にでも見える未来で、いつか到達すると誰もが考えていても実行に移す人はいません。これを100倍速で達成しようとするなら、たくさんの業界と人材とアイディアとの掛け合わせが必要でしょう。

世の中ほんとにいろんなことが起こるので、時には業界外からの助けやチャンスもあったりします。 自分達で持ってない無数のチャンスやアイディアを発見して掛けあわせていくなら、自分達のコンセプトを信じて、やれるだけのことは早めに準備して力の及ばない所は天に任せるぐらいの気持ちでなお信じ続けることが、その後のたくさんのチャンスを発見できるのかもしれません。何も準備してない時に未来の協力を約束する人はいませんが、自分達でできることは全て準備してから、最後の協力をお願いすると案外たくさんの協力者が見つかるものです。

2 件のコメント:

  1. 技術と時機を書いた人です。

    記事を興味深く読ませていただきました。
    記事を書いた時、セガのことはほとんど考えていませんでしたが、言われてみるとそうですね。

    > あと2年改善を続けてリードを広げてたら違う結果もあったのではないでしょうか?

    事業にたらればは禁物ですが、万難を排して改善を続けていればそうなっていたのかもしれません。
    しかし、そのような判断が実際できなかったのであのようなブログを書いたわけです。

    なぜ難しいというと
    (1) その道の先はないのかもしれない、そしてその可能性はかなり高い(あるアイディアが事業として成功する確率は0.3%とも言われます)
    (2) どの程度待てばいいのか分からない。その間にも企業体力は削られていく

    元々そのタイミングに合わせて準備(他の事業の力を落としてそこに向けている)しているので、リスクなしに勝負するというのは困難です。
    サービスとしては改善をしなければ殆どコスト0で持ち続けることも可能かもしれませんが、実際はいろいろ裏で試行錯誤をするわけで、もし可能性がないとすれば他のところに経営資源を向けた方がいいかは当然のように選択肢としてあがってきます。Googleなどは実際に可能性はあるかもしれませんが、多くのサービスをやめ、いくつかの事業にフォーカスをしています。

    例えば3Dテレビは、あの当時待ち続けて未来はあったのでしょうか?

    >自分達のコンセプトや背景哲学を未来にあるべき姿だと徹底的に考え抜いたか?
    >その背景哲学、未来がどうあるべきかを成功するまで柔軟に調整し信じきれるか?
    >それを全社で共有しているか?

    事業を初めてみないとわからないことが多くあります。実際そちらのほうが殆どだとおもいます。事業計画は殆ど意味が無いとはシュミットやベソスもいっています。

    おっしゃっていることは”その道の先があれば”早めに準備するというのは正しいのはその通りだと思います。

    >彼らはサービスタイミングのスイートスポットなんて気にしていません。製品やサービスが本来どうあるべきか。それを使って人々にどんな感情を与えれるかなど、背景哲学がしっかりしてるからとにかく先に舞台にたち、来るべき未来の準備をするのです。

    おっしゃられていることは正しいと思います。
    一方で先ほど述べたようにその道に未来はあるかを見極めることが難しいです(特に事業が成功していないうちは)。
    ベソスやジョブスのようにセンスがあるか、市場(そして周りのプレイヤー)をコントロールできるだけの力があるかなどになってしまうかなぁと思います。

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    1. Okanoharaさん 丁寧なコメントありがとうございます。
      僕も同じ口で「サンクコストを支払ったほうが得」とか「一つに集中しろ」なんてブログに書いたことあるので、結果から見た安全なポジションから失礼しました。事業はコストとの戦いでもあり、その矛盾をどうクリアするのかがビジネスですね。

      全社でビジョンを共有するにしても、ちょっとクレイジーすぎる発想はジョブスなりベゾスなりのワンマン体制に近いほうがいいのかもしれません。Googleもいろんなサービスを切ったところで、民主的な体制からそっちへよりはじめてるのでしょうか。

      コメント読んで改めて思ったのですが、GoogleやYoutubeがセコイアと組んでクレイジーなことしか狙わないのが実は正解のような気がしました。ウェアラブルも、ロボットも、ロボットカーも、 月を指差すようなクレイジーさですが100倍も1万倍も差をつけるつもりなのでしょう。

      本来なら、ドラえもんも、空飛ぶ車も実現していい時代なんでしょうが、戦後の発展までは順調な未来を描いてたのに、バブル期以降の停滞感は彼らのようなクレイジーなプレイヤーが現れなかったから僕ら人類は思考速度までも鈍ったのでしょうか。

      もし、これから先の時代はクレイジーな奴だけがその分野を総取りするとしたら、クレイジーな人の思考に合わせる必要があって、それは多分事業の成功というレベルでプロジェクトを描くのではなく、人類の時計を50年進めるとか、世界から車や石油を消すとかそういうレベルで物事を考えて、ついでに事業が成功してるように見えるだけなのかもしれません。

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