産経ニュース

エボラ出血熱への米国内で不安拡大 微熱の看護師に航空機搭乗を認める失策も

ニュース 国際

記事詳細

更新


エボラ出血熱への米国内で不安拡大 微熱の看護師に航空機搭乗を認める失策も

エボラ出血熱問題への対応について記者団に説明するオバマ大統領=16日、ホワイトハウス(AP)

 【ワシントン=小雲規生】米国内でエボラ出血熱の感染拡大への不安が広がっている。医療機関に十分な対策を取らず、治療に当たった後に微熱を発した看護師に国内線の航空機搭乗を認めていたなどの失策もあり、米疾病対策センター(CDC)のフリーデン長官の辞任を求める声が噴出している。見通しの甘さが批判されるオバマ大統領には、手痛い失点となりつつある。

 「対応のまずさが明らかになるにつれ、オバマ政権への信頼が失われている」。下院エネルギー商業委員会のマーフィー小委員長は16日の公聴会で、厳しく批判した。

 9月中旬の段階でオバマ氏は、「エボラ出血熱の感染者が米国にたどりつくことはありそうにない」としていた。甘い期待は立て続けに裏切られた。30日には南部テキサス州ダラスでリベリア人男性、トーマス・ダンカンさん(42)の感染が確認され、その後、治療にあたった看護師ニーナ・ファムさん(26)への院内感染が判明。さらに別の看護師アンバー・ビンソンさん(29)からも陽性反応が出た。

 全米の看護師で作る組合は今週、「政府は全ての医療機関に対し、高い安全基準と対応の手順を定める必要がある」との声明を発表。米議会からは「準備態勢作りに失敗したフリーデン長官の辞任を求める」(マリーノ下院議員)との声があがった。

このニュースの写真

  • エボラ出血熱への米国内で不安拡大 微熱の看護師に航空機搭乗を認める失策も

関連ニュース

【エボラ出血熱】米2人陽性に続いてコネティカットでも疑い 「対処に失敗」と国連

「ニュース」のランキング