サーカスでおなじみの「クラウン」は本来、滑稽な格好と動きで人々に笑いを与える存在である。しかし最近、世界の各地で奇妙なクラウンが出現し、人々に恐怖を振りまいているようである。
最初にクラウンが登場したのは、アメリカの西部だ。カリフォルニアやフロリダで夜間に目撃されており、手に鉈(なた)やバットを持っていたとの情報がある。その後にフランスやイギリスでもクラウンが目撃され、フランスでは学生がナイフを持ったクラウンに追いかけられたとの報道もある。これらのクラウンに関連性があるかは不明。彼らの目的は一体何なのか?
・アメリカに出現したクラウン
もっとも最初に報道されたクラウンは、米カリフォルニア、フロリダ、ニューメキシコで目撃されている。このクラウンは自らを「ワスコクラウン」と名乗っているようで、画像共有サービスの Instagram(インスタグラム)に本人のものと思われるアカウントが存在している。そのアカウントには、夜間にクラウンが佇む画像が投稿されているのだ。
・フロリダ、カリフォルニア、ニューメキシコで目撃
最初の投稿は2014年10月7日、「WELCOME TO WASCO」と掲げられた看板の前で、手に風船を持って立っている。そのほかフロリダ州のデランドやカリフォルニア州のベーカーズフィールドなど、街の案内板の前で撮影した画像を相次いで投稿しているのだ。真っ赤に染まった衣装をまとってニューメキシコに現れたとの報道もある。
しかし、ある自警オフィスではクラウンに関する事件は発生していないとのことだ。とはいえ不気味な存在であることに違いない。人々を怖がらせたいだけなのだろうか?
・イギリスに出現したクラウン
次にイギリスのクラウンだ。英国クラウンは南部の港町ポーツマスで、その姿が目撃されている。このクラウンは恐ろしいクラウンマスクとスーツを着用し、風船を手に持って街角や店頭で何も語らずにジッと立っているそうである。何も言わずに人々をつけ回すような素振りを見せていたとのこと。クラウンを目撃した人たちはその誰もが恐れおののいている。
・15歳の学生か?
だが、英国クラウンは誰が仮装しているのか、大まかな予測がついている。あるお店の店員はクラウンが15歳の学生であると話しているそうだ。しかし何の目的でそのような格好をしているのかは不明とのことである。
・フランスに出現したクラウン
一番厄介なのは、フランスのクラウンだ。北フランスのドゥエという小さな町で、前述の2つの国と同じようにクラウンが目撃された。だが、この仏国クラウンはナイフを振り回していたと報じられており、他国に比べて事態がかなり緊迫している。幸いすでにその身柄を拘束されているという。
・ホームレスの男だった
仏ノール紙によると、このクラウンの犯行と見られるいくつかの事件が発生している。10月13日に少女が武装したクラウンに追いかけられている。翌日には女子学生がクラウンに暴力を受けている。さらに翌日、地元の学生がナイフで脅しを受けたという。警察はこの騒ぎを起こした人物を特定、黒いカツラと赤い鼻を着用したホームレスの男性を逮捕した。
・恐怖の余韻が人々を混乱させる
彼は誰も傷つけるつもりはなく、ただクラウン姿で物乞いをしていたことを明かしている。これでフランスのクラウン騒ぎは収束するかと思われたのだが、実は騒ぎは収まる気配がない。というのも、人々の恐怖心がかき立てられてしまったために、ネット上でデマが拡散する事態となっている。
「武装したクラウンを見た」という投稿が繰り返され、真偽不明のままその噂が広まってしまうのである。クラウンの印象が強すぎたために、人々は疑心暗鬼になってしまったのではないだろうか。いずれにしても、立て続けに3つの国でナゾのクラウンが出現するとは。偶然の一致なのか、それとも何か深い意味があるのだろうか……。
参照元:USA TODAY、Instagram @wascoclown、BBC NEWS、RT News(英語)
執筆:佐藤英典
▼アメリカのワスコクラウンがinstagramに投稿した画像。怖すぎる……
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